123・騎士団会談 2
「先ずはオートラ竜騎士団・ヤーネル団長。其方の報告を聞きたい」
イグネがヤーネルの顔を見ながら言った。
「はい。我がオートラ竜騎士団は、魔物退治や盗賊退治等で、国民への被害は減少。更には盗賊退治で治安が良くなっています」
そうヤーネルは報告した。
「了解した…次にレイン竜騎士団・レイズ団長、報告を」
次はレイズに尋ねた。
「はい。我が国も同様に、魔物・盗賊の減少しつつあります。観光地としても商人の出入りが多く、国全体が潤っている感じです」
「分かった…次はエルセラ竜騎士団・ヒナタ団長」
次はヒナタの番であった。
「はい。我が国は数か月前に新団員を入れ、副団長にしましたわ」
ヒナタのその発言に、会談会場がどよめいた。
「フン。新団員を副団長にするとは…エルセラ竜騎士団は、余程人員が少ないらしいな」
そう嫌味を言ったのは、ライジル竜騎士団の団長のゼクセルだった。ゼクセルはヒナタの背後に居るシャロンを見ながら言った。
「団長も小娘なら副団長も小娘か…滑稽な騎士団だ。先代の団長の時代の方がまだマシな人員であったと思うぞ!」
「言葉が過ぎるぞ。ゼクセル殿」
咎めたのはモウゼル竜騎士団の団長グスタフだった。
「エルセラ竜騎士団は、我等五つの竜騎士団の中でも、かなりの実力を持つ竜騎士団。それは先代の団長から、ヒナタ殿に変わった後も変わらない」
「フン!」
グスタフの言葉をゼクセルは鼻で一蹴した。
『…何か色々ありそうだな…あのゼクセルってジジイはエルセラ(俺達)を馬鹿にしている様だけど、グスタフっておっさんは良く評価してくれるな』
会談を見守っているシャロンが、心の中で呟いた。
「…ヒナタ団長。続きをどうぞ」
ヒナタの話が途中で中断されてしまったので、イグネは続きを促す。
「はいな。その副団長はボクと同じくらいの強さを持っている人物で、ボクはとても信頼してますんや」
ヒナタの言葉に、ゼクセル以外の竜騎士達がシャロンを見る。更にヒナタは続ける。
「あと詳しくは言えないんやけど、彼女はある特殊な武器を作る能力を持っているんですわ」
「特殊な武器?」
「それは我が竜騎士団の秘匿なので、言えませんわ」
ヒナタが言った『特殊な武器』とは、勿論銃の事である。この事に関しては事前に「シャロンと話し合って、決めていた事であった。
「その特殊な武器のおかげで、一部の下級騎士が中級騎士に短期間で上がれる程の実力が付きました」
『別に銃のおかげだけじゃなくて、あいつ等の実力もあるんだけどな…』
ヒナタの言葉に、シャロンは心の中でそうツッコミを入れた。
「それら全てのおかげで、わが国の治安は充実しており、全く問題はありませんわ」
そうヒナタは言い切った。
「成程…その特殊な武器は気になるが、秘匿となら仕方ない…」
イグネは銃の事を聞き出すのを諦め、更に会談を進める。
今回は文章を考えるのに、かなり手間取りましたわ。
感想・ブックマーク登録・レビュー・ポイント評価・質問等ありましたら、何でもどうぞ。




