122・騎士団会談 1
今回から騎士団会談が始まります。
ヒナタと共に建物内を歩いていくと、やがて広い会場へと出た。
「エルセラ竜騎士団・五代目団長・ヒナタ様ご到着!」
会場内で待機していた竜騎士が、ヒナタの名前を読み上げた。
「シャロン。こっちや」
ヒナタが示すと、其処には地球の中国料理店等にある円卓の机を大きくした様な物が椅子と共に鎮座していた。其処には既に若い男女二人が座っていた。
シャロンはヒナタに付いていこうとしたその時…
ドンッ!
「!」
いきなり背後から誰かに突き飛ばされた様な感触を感じた。シャロンは数歩よろめいただけだったが、何事かと思い振り向くと、其処には老人が居た。
只の老人ではなく、ガッシリとした体格をして、エルセラとは違うデザインの騎士団服を着こんだ。大柄の老人だった。
「邪魔だ小娘!」
老人はそれだけ言うと、ズカズカとシャロンの脇を抜けて歩いて行ってしまった。するとその後ろに居た若い騎士が、小さく頭をシャロンに下げて、老人の後に続いて行った。
シャロンはヒナタの元に素早く行くと、小声で話しかけた。
「ヒナタ誰だ? あのジジイは?」
「…さっき言ったライジル竜騎士団の団長や! 名前はゼクセル。騎士団としては実力はあるんやけど、今の通り誰に対しても、あんな感じなんや」
「マジか…よく団長にしたな、その竜騎士団」
「エルセラと同じ実力主義の騎士団なんや…まあ、離れている竜騎士団やから、この会談以外は合う事は皆無やから、安心せや」
「分かった…ところで俺は何していれば良いんだ?」
「ボクの後ろに立って、護衛してくれればええんや…ないと思うけど、他所の騎士団がオカシナ事をしたら…その先は分かるやろ?」
「ああ分かった…あともう一つ…先に座ってた男女二人は?」
「男の方がヤーネル。オートラ竜騎士団の四代目団長や。歳は二十代前半やったかな…女の方がレイズ。レイン竜騎士団の五代目団長や…若く見えるけど、三十越えてるらしいで…」
「マジか…二十代後半くらいかと思ったぞ…!」
会話が聞こえたのか、レイズがヒナタとシャロンの方を見ていた。シャロン達は会話を止めて、シャロンは護衛に徹する事にした。
暫くすると、また誰かが入ってきた。ガッシリとした体格をした中年の男性だった。
「モウゼル竜騎士団・七代目団長・グスタフ様ご到着!」
グスタフという団長が入ってくると、別の入り口から若い男性が入ってきた。シャロンやヒナタと同年代に見えた。
「中央竜騎士団・十代目団長・イグネ様ご到着!」
竜騎士が若い男性‐イグネ‐の名を呼ぶ。イグネは円卓の一番奥に座った。そして…
「これより、騎士団会談を行う!」
そう宣言したのであった。
騎士団長を纏めると、
エルセラ竜騎士団・五代目団長ヒナタ。
オートラ竜騎士団・四代目団長ヤーネル。
レイン竜騎士団・五代目団長レイズ。
モウゼル竜騎士団・七代目団長グスタフ。
ライジル竜騎士団・四代目団長ゼクセル。
中央竜騎士団・十代目団長イグネ。
という感じになります。冒険者ギルドに直すと、ヒナタ達はギルドマスター。イグネはグランドマスターという感じです。
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