12・盗賊団の襲撃
今回は区切りを良くする為に、少し短いですわ。ブックマーク42件登録おおきに!
飛び立ってから十数分後、森の出口が見えてきた。
「やっと森から出られたよ」
ヨハンの背中から身を乗り出して、地上を見ながらシャロンが言った。
「この森は世界でも有数の広さだからね」
「マジか! あの神! よりによって何て所に落としたんだ俺を…ヨハンに会わなきゃ死んでたかもしれないじゃん」
ヨハンの言葉を聞いて、シャロンは転生させた神に文句を言う。
「…これは僕の予想だけど、神様は僕の為にシャロンを森の中に落としたんじゃないかな? 僕はあの森の近くの山の洞窟に居たから」
「だとしても、説明の一つくらいは欲しかったよ…」
ヨハンから説明を受けるが、どうも納得のいかないシャロンであった。
「そういえばヨン。森から出たは良いけど、この近くに街や村はあるの?」
『森の近くにはありませんが、ここから北へ五キロ程行った所に村があります』
ヨンからそう答えられた。
「そっか。じゃあヨハン。そっちの方角に飛んで行って」
「了解」
森の出口上空で停滞していたヨハンは、進路を北へと向けて飛んで行った。
※ ※
北にある村へと向かう為、ヨハンは飛んでいく。
「平和だねぇ~」
余裕が出てきたのか、シャロンはヨハンの背中に寝ころびながら、青空を眺めていた。
「! シャロン見て」
「? どうした?」
ヨハンの真剣な口調に、シャロンは飛び起きて、ヨハンの前方を眺めた。すると先程ヨンの言ったとおり村があったが、その村から幾つもの煙が上がっていた。
「何だ火事か…? ヨン、一体何が起きているんだ」
ヨンに尋ねるシャロン。
『村に二十名程の盗賊団が襲撃している様です』
と、淡々とした口調で返すが、それは大変な事であった。
「ヤバいだろソレは‼ ヨン、今の俺らのステータスで、何とか出来るか?」
助けようと思ったのか、シャロンは慌ててヨンに尋ねる。
『可能です。ヨハンはおろかマスター一人の戦力でも十分殲滅出来ます』
と、ヨンに言われたが、シャロンにはイマイチ実感がなかった。
『…本当に俺だけでやれるのか? 神からステータス底上げしてもらった上に、銃まであるけど…』
シャロンは少し不安になった。その時…
「大丈夫だよ、シャロン」
ヨハンの優し気な口調が聞こえた。
「ヨハン…」
「僕にはシャロンの強さが分かる。シャロンなら大丈夫さ。万が一危険になったら、僕も助太刀するから」
ヨハンにそう言われて、シャロンは勇気が出た。
「分かった。ヨハンは見ていてくれ! 俺一人で何とかしてみる。とりあえず、村から少し離れた所に着地してくれ」
「分かった」
そう言うとヨハンは、村から少し旋回する様に飛行した。
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