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118・野営 1

 東に向かって飛び続けていると、何時の間にか夕暮れになった。

「ヒナタ、そろそろ野営に入った方が良いんじゃないか?」

 シャロンが提案する。

「そうやな、そうするか…よし。全員着陸態勢に入れ、今日は此処で休むで!」

 ヒナタが指示すると、シャロンを含めた六人の竜騎士達は、パートナーのドラゴンに指示を出し、地上に向かって降下していった。

 地上に着陸すると、最後にレオンに乗ったヒナタが降りてきた。

「よしシャロン、野営の準備をするから、テントや食料を出してや」

「分かった」

 そう言うとシャロンは、アイテムボックスからテントや食料を次々と出した。其処にウェンリルがやって来た。

「では野営の準備と警戒は我々が行いますから、ヒナタ様とシャロン様は少しお休み下さい」

「いや、俺も見張りくらいはするさ」

 そうシャロンが言うと、腰の後ろからイングラムM10を二丁取り出した。

「いやでも…分かりました。では見張りの方をお願いします」

 言っても折れないと感じたウェンリルは、シャロンに見張りを頼むことにした。

「シャロンも張り切ってるな…ボクもなんかしようか?」

 ヒナタが尋ねてくる。

「いいよ。ヒナタは休んでいろよ。騎士団会談で結構気力使うだろ?」

「…そうやな。じゃあお言葉に甘えさせてもらうわ」

 そう言うとヒナタは、レオンの所へと行った。

「シャロン。僕も何かするかい?」

 今度はヨハンが尋ねてきた。

「じゃあヨハンは…上空から見張っててくれないか? 地上は俺がやるから」

「分かった」

 ヨハンは上空へと飛び上がり、そして滞空した。

「じゃあルーン、何か危険な生物が近づいていないか、察知してくれないか?」

「キュイ!」

 任せて! と言った感じで鳴いたルーン。

「キュイ! キュイ!」

 ルーンは野営地から少し離れた森を示した。

「あっちか…」

 シャロンはルーンが示した森の方へと歩き出した。


※         ※


 森の中を暫く進むシャロン。すると…

「グルルルルゥゥゥ」

 巨大な熊に出くわした。

「…ヨン。コイツはモンスターか?」

『ワイルドベア。Cランクのモンスターです』

と、即答された。

「成程ね。一体だけだから、こっちの方が良いか」

 そう言うとシャロンは、イングラムをしまい、代わりに白風を抜いた。

「ガアアアァァァ!!!」

 舐められたと思ったのか、ワイルドベアはシャロンに襲いかかってきた。

「遅い!」

 シャロンはワイルドベアの攻撃を、ひらりと回避して、白風の刃を振るった。

 一瞬風が吹いたかと思った瞬間、ワイルドベアの首は切断されて、胴体から血が噴き出した。

「これ夕食の材料に使えるかな?」

『ワイルドベアの肉は、食用として実用可能です』

 ヨンから返答を貰った。すると…

「ウウゥウウウ…」

 突然狼の集団が現れた。

「血の匂いに惹かれてやって来たか…ヨン。こいつ等は?」

『フォレストウルフ。単体ではEランクのモンスターですが、群れだとDランクになります』

「成程…こいつ等も食用には?」

『可能です』 

 それを聞いたシャロンは、白風の柄を握り締めた。

「それじゃあ、ハンティングといきますか!」


※         ※


「シャロン遅いな…」

 なかなか帰ってこないシャロンに、ヒナタが口を零す。

「私が見てきましょうか?」

 ウェンリルとは別の上級騎士が尋ねた。

「…いや、その必要は無さそうや」

 ヒナタが森の方を見ながら言った。するとシャロンが森から出てくるのが確認出来た。

「シャロン様。ご無事で」

 ウェンリルを始めとした上級騎士が、集まってきて言った。

「ああ、森の奥でハンティングをしててな…これ食用として使ってくれ」

 そう言うとシャロンは、アイテムボックスからワイルドベアの死体と無数のフォレストウルフの死体を出現させて、地面へと置いた。

「……」

 あまりの光景にウェンリル達は、言葉を失ったのである。


 沢山ハンティングしたなシャロン…。

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