110・オマケ
お待ちかねの、オマケですわ。皆さん楽しんで下さいな。
それはある日の昼頃の話であった。第七チームの部屋にシャロン、リリア、エリス、レミアの四人が集まってガールズトークをしていた…最もエリスは男の娘なので、正確にはガールズトークとは言えないが…これはそんな時、エリスが何気なく言った言葉が始まりだった。
「そういえばシャロン様って、騎士団服以外の格好しませんよね?」
「はぁ?」
エリスの言葉に、シャロンは頭の上に『?』を浮かべる。
「いやしてるぞ。任務とかでメイド服着たりしてるし…最もその任務をやったのは、エリス達が帰ってくる前だけど…」
「いやシャロン…エリスはそういう事じゃなくて、任務以外での話をしているんだよ」
レイナが言った。
「それなら、俺がこの世界に来た時に、着ていた服もあるぞ…ジャケットにズボンだけど…」
「…折角だから、女の子の服を着てみませんか?」
「はぁ? 俺が!?」
エリスの言葉に戸惑うシャロン
「そうよシャロン。折角女の子に転生したんだから、オシャレしなきゃ! 只でさえいつも着ている騎士団服だって、男子用の服なんだし!」
リリアが笑顔で言った。
「いやでも…」
困ってしまうシャロン。確かに容姿は美少女だが、中身はオッサンなシャロンは、女の子のオシャレをするのに抵抗があった。そんな事も構わず、リリア達は話を進めてしまう。
「エリス。折角だからアンタの服を貸してあげなさいよ」
「私のですか? 別に構いませんが」
「よぉし! じゃあ今から着替えよう!」
「ええっ!? ちょと待て!?」
レイナがシャロンの手を引きながら扉の方へと歩き出す。何時もならシャロンの方が力が上なのだが、今に限ってレイナの方が力が強かった。何処にそんな力があるやら…
「ちょっと待てって! 俺は女の子の格好何て、任務以外で嫌だぞ!?」
「良いじゃない。たまには女の子の格好をしたって!」
「いやおい!?」
シャロンの抵抗も虚しく、レイナに引っ張られて、隣の第六チームの部屋まで連れていかれたシャロンであった。
五分後…
「ホラホラ! 二人が待っているよ!」
「いやちょっと…マジで止めて…」
廊下からレイナの声と、嫌がるシャロンの声がした。
「ホラ二人共、見て! ジャジャーン!」
廊下から顔を出したレイナは、効果音と共に扉を開けた。
「……」
其処には可愛らしいメイド服に身を包んだ、シャロンが居た。ミニスカートなので風が入るのか、足をモジモジしている。
「なぁ…コレってエリスの私服だよな…」
顔を赤くしながら、エリスに尋ねるが…
「……」
「……」
エリスはおろかリリアですら無言だった。そして数秒経って…
「可ぁ愛い!!!!!」
リリアが大声と共にシャロンを抱き寄せる。
「やっぱりシャロン、女の子の格好も似合うじゃない!」
「シャロン様、とっても可愛いです。私の服がとても似合ってます!」
リリアとエリスが、其々感想を述べた。
「よく見ると、ちゃんとお化粧もしているじゃない!」
「メイクアップしたの! シャロン嫌がるから結構大変だったんだよ」
シャロンの顔を見つめてながら、リリアが言った。どうやらレイナは、化粧迄施した様だ。
「下着も履き替えらせたんだよ!」
「えっ、嘘!? どんなパンツ履いているの!?」
リリアがシャロンのスカートを捲ろうとする。
「馬鹿! 捲るな!」
慌ててスカートの裾を押さえ、捲るのを阻止したシャロン。
「もっとよく見せて下さい!」
エリスがシャロンの手を引いた。
「ちょ、ちょっと待てって!」
急な事だった為にシャロンは体勢を崩した。
「ウワァ!?」
「キャア!?」
シャロンはエリスの上に倒れ込んだ。その時…
「おい、何騒いでるんだよ!」
「何か悲鳴が聞こえたぞ!」
其処にジャンとレンマが、扉を開けて入ってきた。其処には…
「……」
「……」
美少女『男の娘』と美少女『中身オッサン』が、倒れ込んだ姿があった。
メイド姿の美少女を見て、ジャンが呟いた。
「えっと…その蒼銀の髪のメイドって…シャロンだよな」
「あ、ああそうだよ俺だよ!」
やや開き直る様に言うシャロン。そのシャロンにレンマが爆弾発言をする。
「…あのな…パンツ…見えてるぞ…」
「!!!!!」
そう言われた瞬間、シャロンの顔は真っ赤になった。
「こぉの! 馬鹿野郎!!!!」
建物内にシャロンの怒声が響き渡った。
「「ああああああああぁぁぁぁ!!!!」」
そのすぐ後に、男二人の断末魔が響き渡った。
こうして、楽しい(?)ガールズトークは終了となった。
シャロンが女子の格好をする所は、本当は本編で入れたかったのですが、入れるタイミングがありませんでした。
あとレイナの名前がレミアになっている所もありますが、正しくはレイナですわ。
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