進まず
前回の続き。
日本と、もう1つの国。
警察は大学の協力をえて、未知の毒物の解析につとめていたが、難航。
なかなか進まない。
大統領が死去した国の警察本部。
若い刑事から「小枝を落としたスズメを確保すべき」という意見が出た。
彼が考えたのは、ヒッチコック「鳥」の別バージョン。
却下された。
「戦没者墓地からある程度の範囲でスズメを捕獲することはできるが、
小枝を落としたのを、どうやって特定する?」
「決められた範囲の外に飛んで行ったスズメがいるかもしれない」
「どこにでもいて数が多い。
小枝を落としたのは単なる偶然で、事件性があるとはとうてい思えない」
同じ頃。
国営テレビ局のビデオ編集室では、2人の男が
式典を収録した影像をまだ見ていた。