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紅流踊り酔拳

「きょん姉さんって、有名な観光地レポーターの高田今日子さんですよねえ?」

「はい、そうです」

「紅流踊り酔拳の?」

「はい、そうです」

「ちょっと、見せていただけませんでしょうか?わたし、少林寺拳法をやってるもので」

「いいですよ。でも、催眠術拳法ですから、見てると目が回って倒れますよ」

「倒れても構いません」

アキラ

「俺も見てみようっと」

ショーケン

「何か防ぐ方法はないの?」

「倒れそうになったら、目を閉じてください」

三人は頷いた。観光客が歩いていた。

「やっぱり、ここでは出来ません。他の人に迷惑をかけてしまいます」

よう子

「そうですよね」

「帰ったら、そこで」

「はい。ありがとうございます」

「じゃあ後で、五時にドームハウスの公園で」

「よろしく、おねがいします」

「はい」

「これから、どちらに?」

「博多に、もう帰ろうと思っているので、奥の院や弘法大師の御廟ごびょうを見物して」

「御廟まで、けっこう遠いですよ。三キロくらいありますよ」

「はい、知ってます。セグウェイがあるので、大丈夫です」

「そうですね」

「じゃあ、失礼します」

ロボット福之助

「姉さん、一の橋の参道から行きましょう。織田信長とか、いろんな人の墓がありますから」

「そんなの見たくはないよ。眠れなくなるよ」

「あっ、そうですか。じゃあ、大通りから」

きょん姉さんと福之助は、去って行った。

・・

「ここだな、御廟っていうのは」

「はい」

「ゲゲゲの鬼太郎が出て来そうな場所だねえ」

「そんなのは出てきませんよ」

「この橋を渡ると、御廟なんだね」

「はい、この先は、あの世です」

「え~~~え、ほんとかよ!」

「この川を、三途の川と言うそうです」

「え~~~え、ほんとかよ!」

姉さんは、橋の上で立ち止まった。

「行くの、止~~めた。あの世なんて、いやだよ!」

「そうですか」

「ここで、手を合わせて帰るよ」

「せっかく、ここまで来たのに」

「そういう問題じゃあないの」

「ああ、そうですか」

「御廟の向こうが、幻魔教団の摩尼山まにさんだよ」

「遠いですねえ」

「ほとんど山道だよ」

「買い物、大変でしょうねえ」

「そうだねえ」

「買い物をして帰りましょう」

・・

ドームハウスの公園に着くと、三人がベンチに座って待っていた。ショーケンは煙草を吸っていた。

「みなさん、お待ちどうさま~~」

よう子

「わたしたちも、今来たところです」

「勝間屋の前で、木枯し紋次郎に会いました。挨拶したら、あっしのは関わり合いのねえことで、って行ってしまいました。何なんでしょう、あれ?」

「それは、忍者部隊・月光の観光客向けのパフォーマンスです」

「なあんだ、びっくりしちゃった」


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