神様おねがい!
きょん姉さんと、補佐ロボット福之助が、セグウェイに乗って散歩していると、前方から、十人ほどの白装束の一団が、手持ち太鼓を叩きながらやって来た。
もったいない♪ もったいない♪
「なんだい、ありゃあ?」
「大日本ドケチ教です」
「大日本ドケチ教?」
「はい。大阪の宗教法人です」
「へ~~~え、お金のケチの宗教なの?」
「お金のケチだけではありません。お金では買えないものを大切にすること。なんだそうです」
「ほ~~~う!素晴らしい教えじゃないか!」
「創始者は、大阪マルビル会長の吉本晴彦氏です」
「大阪人らしいねえ」
「はい」
「バーベキューは、もったいないから、止~~~めた!」
「そうしましょう!」
カラスが、アホアホ~~と言って、福之助の上を飛んで行った。
「あっ、あのカラスだ!」
「頭の上に止まったカラスかい?」
「そうです。なめたこと言いやがって!」
「あのカラスって、分かるのかい?」
「はい、分かります。鳴き声で分かります」
「あんた、すごいねえ」
「ふざけた真似しやがって!」
「カラスは仕返しするから、怒らせないほうがいいよ」
二十人ほどの幻魔教団がやって来た。リーダーが挨拶した。
「昨日は、どうも」
「ありがとうございました。どこに行かれたんですか?」
「いつも、ハガキを出しに行くんです」
「ハガキですか?」
「こういうハガキです。落として汚したので差し上げます」
あなたは世界一の 素晴らしい人格者です
今世紀の最も優れた 神に近い人間です ≪幻魔教団≫
「なんだか、皮肉に聞こえるんだけど」
「それは、その人の主観です。偏見です」
「そうかなあ?」
「心が、ひねくれてる証拠です」
「まあね、褒めても、名誉棄損にはならないもんね」
「喜ばれるべき内容のハガキです」
姉さんは、想定されている問答と思い、それ以上は反論しなかった。
「そういう内容のハガキは、高野町郵便局から出すんですね?」
「はっ?言ってる意味が分かりませんが」
福之助が、姉さんに忠告した。
「姉さん、止めたほうがいいですよ」
姉さんは、頭を下げた。
「失礼しました!」
彼らは去って行った。
「やつらに喧嘩を売るような発言はしないほうがいいですよ。何をされるか分かりませんよ」
「つい、口が滑っちまったんだよ」
「危ない、危ない!」
「そうだねえ」
「ここは危険地帯です。早く、博多に帰りましょう」
「今週いっぱいで、帰るか!」
「はい!」
「せっかく、高野山に来たんだから、弘法大師に会って帰ろう」
「はい。じゃあ、奥の院の参道から行きましょう」
「その前に、焼き芋を買って行くか」
「はい」
今日も、三人は、金剛峯寺正門前にいた。
よう子は、少林拳の服装で来ていた。
アキラ
「よう子ちゃん、今日は、その恰好で踊るんだ?」
「踊るんじゃなくって、演技です。型の演技です」
「それは、凄いねえ~~」
「きっと、外国人にも日本人にも受けると思いますよ」
「そうかも知れないねえ」
アキラは、正露丸を飲んでいた。
「あら、アキラさん、どうしたんですか?」
「昨日の夜、寝る前に、牛乳飲んだら、朝、下痢しちゃって、今も気持ち悪くって」
「寝る前に?」
「よく眠れるって、ネットに書いてあったもので」
「牛乳は、体に悪いんですよ。わたしは、一切飲んでいません。ヨーグルトも、チーズも食べていません。日本人には、乳製品は合わないのですよ」
「そうみたいだねえ」
「牛乳に含まれるタンパク質の、カゼインには発ガン性があるんです。カゼインは胃の中で凝固してベタベタになり、腸の内壁にへばりついて栄養分吸収を妨げ、超酸性物質を残して下痢になるんです」
「チーズもヨーグルトも?」
「乳製品は、どれも同じです。良い物を食べるよりも、悪い物を食べないほうが賢明です」」
「乳製品は、止~~めた!」
「眠れないときには、豆乳のほうがいいですよ」
お昼になった。きょん姉さんがやって来た。
「みなさん、こんにちわ~~!」
ショーケン
「やあ、きょん姉さん!」
「焼き芋を一つください」
「はい」
「ショーケンさんって、なんか芸能人っぽいですよねえ」
「そうですかあ?」
「なんか、花がありますよ」
アキラ
「そりゃあ、そうだよ。元テンプターズのヴォーカルだもん」
「えええ、そうなんですか?」
「そうだよ!」
「あの、有名な神様おねがい!のテンプターズですよね?」
「そう!」
「なんで、こんなところで?」
アキラは、事情を簡単に説明した。きょん姉さんは、驚いていた。




