表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
1/103

拘束ロボット・ムサシ

人間のクズ 人間のクズがありましたら 直ちに回収にまいります


ラジオからは、頭脳警察の公報放送が聞こえていた。


通報はキューキュウーヒャクトウバン キューキュウーヒャクトウバン


アキラがぼやいた。

「捕まったら、強制労働だ。いやだなあ」

道が無くなっていた。ショーケンは赤いスポーツカーを止めた。

「アキラ、先を見てこい」

「あいよ」

アキラは直ぐに戻って来た。

「兄貴、ススキだらけだ」

「しょうがない、引き返すか」

「そうだね~」

ヘリの音が聞こえて来た。

「兄貴、頭脳警察のヘリだ!」

「クルマが動かない、エンストだ!」

「兄貴、逃げよう!」

「待て、様子を見よう」

ヘリから、拘束ロボット・ムサシが出て来た。背の空中歩行器を逆噴射させながら。

アキラは叫んだ。

「やばい、ムサシだ!」

二人はクルマから飛び出した。雑木林の方へ向かって走り出した。

ムサシは素早かった。着地すると、二人に向かって駆け出していた。

直ぐに追いついた。二人の目に立ちはばかった。

「止マリナサイ!」

二人は止まった。

「アキラ、最終手段だ」「あいよ」

ショーケンは「降参、降参!」と言って、両手を上げた。

ムサシに近付くと、しゃがみこんだ。

背後のアキラが、ムサシに電撃手投げ弾を投げた。ムサシの胸に当たると、炸裂した。ムサシは、後ろに倒れ込んだ。

二人は、雑木林に向かって走り出した。

「ロボットは、山道は苦手だ」

「あいよ」

気が付くと、二人は山の中腹にいた。

「ここまで来れば大丈夫だ」

「そうだね。どこだろうここは?」

「クルマのナビでは、高野山の近くだったなあ」

「どっちに行こうか?」

「引き返したら、あいつがいるしなあ」

「あっ、そうだ。携帯のナビがあった」

アキラは、上着のポケットから携帯電話を取り出し、覗き込んだ。

「兄貴、北はどっち?」

「ちょっと待て・・」

ショーケンは、周りを見ていた。

「おそらく、あっちだ」指さした。

「どうして分かるの?」

「木の枝で分かるんだよ。枝や葉が多いほうが、南」

「なるほど、兄貴は何でも詳しいねえ」

「中卒とは違うよ」

「兄貴は、高校中退だからなあ」

「どっちに行くんだ?」

「こっちに行くと、道があるよ」

・・・

「これだな・・」

「そうだね!」

「この道、どこに行くんだ?」

「県道に出るよ」

「そこから、高野山は遠いのか?」

「かなり遠いよ、山道を二十九キロ」

「遠いなあ~」

「橋本から登山電車が出てる」

「橋本までは?」

「約二キロだね」

「そこに行こう」

「あいよ」

「高野山は聖地だからな、やつらは入って来れないからな」

「ははは、ざまあみろ!」


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ