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歩く厄災 世界最強の魔術師  作者: 菊地優等
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プロローグ

 ジルタリア歴1990年

 ジルタリア王国率いる6つの国で結成された連合国30万と大陸1の大国アスガルド帝国35万の大戦争が起こった。


 連合国と帝国の戦いは帝国の保有する人型魔導兵器バルスにより帝国側が優勢な形で進んで行った。


 開戦から5ヶ月帝国側の優勢は崩れる事はなくこのまま帝国の勝利に終わると思われた。しかし帝国側の優勢は、連合国側に加勢した12人の存在で崩れ連合国側の勝利に終わり、和睦交渉の結果、平和条約を結ぶことに成功した。


 〜♦︎♦︎♦︎〜


 終戦から2年、現在は大陸に存在する7つの国は全て平和条約を結び良好な関係を築いている。

 そして、ここはジルタリア王国・王都リーシャスにある冒険者ギルド。

 ギルドには、テーブルに座り酒を飲む者やギルドの依頼を受ける為クエストボードを取り囲む者など、様々な人がいる。

 そんな中、ギルドの扉を開けて1人の少年?が入ってきた。


 腰まで届く真っ白な髪に白銀の右眼、左眼には眼帯をしている。真っ黒なローブに身を包み身長は170センチ位でかなり細身で少年と言うより少女の様な顔をしている。


 その少年?は、一旦止まって周りを見た後に一番空いている受付嬢に所に向かって歩き出し受付嬢の前で止まった。そこで少年?が口を開こうとした時に受付嬢から声がかかった。


「すみません、ここは冒険者ギルドです。冷やかしならおかえり願えますか。道に迷ったのならお家までお送りしますが」

「……は?」


 少年は、一瞬何を言われたのか理解できずにいたが、受付嬢の言葉を理解したのか疑問の声を漏らす。


「ですから、ここはあなたの様な戦えもしなそうな人が来る場所ではありませんので、冷やかしならお引き取り願いたいと言ったのです」

「……あーそういう事か、えっと僕はこれでも1人前の冒険者何ですけど。それに、ここには呼ばれたからきたんですけど」

「冒険者ですか、失礼ですがギルドカードを見せてもらっても宜しいですか?」

「……良いですけど、1つ条件があります。これから見ることは絶対に他言しないでください。後、見た後にあなたの判断で良いと思ったらギルドマスターの元に案内してください」

「……分かりました」


 少年の提示した条件に付いて、少し考えてから受付嬢が返事を返した。

 少年は、ポケットから1枚のカードを取り出して受付嬢に手渡した。


「はい、これが僕のギルドカードです」

「ありがとうございます。確かにギルドカードですね。えーと……⁉︎これは、しっ、失礼しました。今すぐにギルドマスターの元へ案内します」

「はい、ありがとうございます」


〜♦︎♦︎♦︎〜


コンコン

「ギルドマスター、お客人をお連れしました」

「……入ってくれ」

「失礼します」


受付嬢のお姉さんが聞くと、中から返事が返ってきた。


受付嬢のお姉さんが扉を開くと、中には1人の女性がいた。

真っ黒な髪に紫色の目、20歳くらいの美人な人がそこに居た。黒髪の女性は、椅子に座りコーヒーを飲みながら書類に目を通して居た。

だが、少年が部屋に入ると書類から目を離し少年の方を見て口を開いた。


「2年振りだなシリス。一先ず、お帰りと言っておくよ」

「はい、2年振りですねシェルさん」

「ふっ、再開早々で悪いが今回の件について報告を頼む。それと、君はもう下がって良いよ」

「は、はい失礼しました」


と言って受付嬢のお姉さんは部屋を出て行く。

そして出て行った所で少年、シリスが口を開く。


「それじゃ、報告を始めますね」

「ああ、頼む」

「はい、先ず魔大陸ですが、東・西・北の魔王とその配下の魔族については今まで通り変化はありませんでした。しかし、南の魔王だけは、軍備強化を行なっており魔都を中心とした都市部にはかなりの兵力が集中していました。やはり、南の魔王はこの大陸に侵攻しようと目論んでいるものと考えられます。五魔将もそれぞれ直下の兵を魔都に集中させています。

次に、獣大陸についてですが、此方は、戦争を起こすつもりは無いようですが、魔大陸での変化を感じ取ったのか、魔大陸と獣大陸を繋ぐオーケン大橋周辺に兵力を集中しています。

此れが、今回の件についての報告です」

「……うん、御苦労だったな。しかし、やはり魔国は戦争をする気満々の様だな。最悪の場合は私達が出る必要もありそうだ」

「そうですね。でも、確か王国では魔国に対抗するために勇者召喚が行われたと聞きましたが」

「流石に耳が早いな、国王と(戦姫)は反対だった様だがな。魔国に恐れをなした1部の貴族どもが宮廷魔導師の力を使って勝手に召喚した様だ」

「やっぱりあの親子は反対だったんですか」


シリスは、いつもニコニコしている同い年の少女とその親の顔を思い出して苦笑する。


「ああ、そうだ返ってきて早々で悪いんだが実は、シリス宛に1つ指名依頼が来ているんだ。受けてくれないか?」

「指名依頼?僕にですか」

「ああ、お前にだ。因みに依頼主はお前の良く知る戦姫様だ。内容は自分と一緒に王立ジルビア魔法学園に入学する事、だそうだ」

「…………は?」

「ああ、後この依頼を出した理由としては、一緒に入学する事になっている勇者の護衛と監視の為と、暫くシリスと会えなかったから会いたいだそうだ」

「……うん、何となくわかった。まー、勇者にも興味が有りますし、僕も久し振りにアイシアと会いたいので良いですよ受けても」

「ありがとうシリス、因みに勇者は15人居るそうだから大変だとは思うけど頑張ってくれ」

「はい、15人ですね……ん、15人……勇者が15人……え、ぇぇえええええぇぇぇええええ」

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