7、ショックでしたが・・・?
豊かな自然と、豊富な資源がある大国『スカルノ』。
そこは、男神様が創られたと言われています。
そこの王様は代々、男神様の血筋を受けているのです。
そして私は、男神様の血筋を受けている王様------ラハル・アイン・スカルノ様の
側室となってしまいました。
・・・なったのはまだ良いとして。
「どうしましょう・・・怒らせてしまいました」
問題は怒らせてしまった事です。
私は、後宮での私の部屋のベットに倒れこみました。
顔合わせの後、私はショックを引きずったままファール様に謝り、
そしてそのまま、アラン様に連れられて後宮へ行き部屋に案内されて
-----今の状態になったと言うわけです。
「でも、どうして陛下は怒られたのでしょうか?」
そうです、私が知りたいのはそこでした。
はっきり言ってしまえば、ただ私の知り合いと間違ってしまっただけです。
自分に似ている方がいるのがいやだったのでしょうか・・・。
でも、そうは見えませんでした。
「うーん・・・なんなのでしょう」
私はぐるぐると考え込んでしまいました。
すると、
「エリーゼ様、夕食でございます」
「はっはい、開けてください」
突然、ドアがノックされたと思うとエリーゼさんの侍女であるエルさんが入ってきました。
「まぁ!!エルさん、ここに入れたのですね!」
知り合いがいなくて不安だった私は、とても嬉しくなりました。
本などでよくある仲良しな関係ではありませんが、やっぱり知り合いがいた方が嬉しいです。
それに、私は仲良しな関係に憧れていました。
後宮の騒動で仲良くなれれば・・・!!
速く仲良くなりたい私は早速、エルさんを抱きしめました。
すると、エルさんから優しい匂いがします。
梨帆姉のような感じがして安心しました。
「え、エリーゼ様?」
エルさんの戸惑ったような声が聞こえます。
けれど、私は離しません!・・・嫌な顔をされないかぎりは。
そのままギュッと抱きしめたかった私ですが、エルさんから無理やり離されてしまいました。
むむぅ・・・。なんだかショックです。
って、あれ?後ろに誰かいますね。
「あの、どなたですか?」
「あ、エリーゼ様。こちらは・・・」
「せっセレナです!この度、エリーゼお嬢様の侍女になるようにと言われてきました!」
「あぁ、新しい侍女さんでしたか」
新しい侍女さんなんて、後宮はすごいですね・・・。
のん気に感心してしまいます。
セレナさんは、綺麗な黄色の髪に薄い黄色の瞳の、可愛らしいお嬢さんでした。
後ろをゴムでしょうか・・・で止めていて、お団子になっています。
ちなみにエルさんは、茶色い髪に綺麗な琥珀色の綺麗なお姉さんです!
そうだ、挨拶をしなければ。ハッと我に返った私はセレナさんに向き合い、ニコッと笑いました。
「こんばんわセレナさん。エリーゼです、よろしくお願いしますね」
「はっはい!よろしくお願い致します!」
「エリーゼ様、夕食のお時間です。そろそろ移動しなければなりません」
「むむぅ・・・もう少し位、良いでしょう?もう少しセレナさんとお話したいです」
これから楽しくセレナさんと話そうとしていましたのに・・・。
夕食ですか・・・。なぜか、貴族の食事ってゴージャスなんです。
私はそこまで食べない人なので、お腹がきつくて大変でした。
コルセットがとてもきつくて!・・・コルセットは嫌いです。
「食べ終わってからでもできるでしょう。食べてからお話をなさったらどうですか?」
「はい・・・わかりました。でも、少ししか食べれないかもです」
「少しでもよろしいですから。では、ただいま持ってきますね。セレナ、行きましょう?」
「うっうん!・・・じゃなくて、はい!行きます!」
・・・なんだか2人は仲良さそうです。
私は、羨ましくなってしまいます。
この後、私は少しだけ夕食を食べましたが、やっぱり残してしまったのでした。
++++
「では、食べ終わったので、お話しても良いですか?」
「はい、もちろんでございます」
「エリーゼお嬢様とお話できるなんて・・・夢みたいです」
ポワワンとしているセレナさんを見て、私はニッコリと笑ってしまいます。
とってもかわいらしいです!セレナさん。
でも、1つだけ譲れないところがありました。
「セレナさん、『エリーゼお嬢様』はやめてください」
「??」
そうです、私は『エリーゼお嬢様』と呼ばれる事が嫌なのです。
私はもともとエリーゼさんではないですし、お嬢様でもありません。
本当はスズと呼んでもらいたいですが・・・それはいけませんね。
「せめてエリーゼ様と呼んで下さい。お願いします」
「・・・はっはい!エリーゼ様!」
「はい、なんでしょうか?」
早速呼んで下さいました!こっちの方がやっぱり良いですね。
よしっ!これからたくさんお話をして、仲良くならねば!
そうして2人を見た私ですが、2人はお互いを見てニッコリ笑っています。
ふと、私は疑問に思っていた事をたずねました。
「エルさん、セレナさん」
「はい、なんでしょうか?」
「えと・・・お2人は知り合いなのですか?」
2人は驚いたような顔になり、黙ってしまいました。
ど・どうしたのでしょう・・・いけない事をしてしまったかもです・・・。
私は悲しい顔をしていたのでしょう、2人は急いで言いました。
「えっエリーゼ様、私達は昔・・・小さな頃同じ所に勤めていたのです!」
「その時に仲良くなって・・・けれど、私が別の所に移動してしまって、会えてなかったのです」
「また同じ所に勤められるなんて・・・とっても嬉しいです!」
「エリーゼ様、秘密にしていただけますか?もう少しだけでも、セレナと一緒にいたいので」
「はい!もちろんです!けれど・・・」
「??」
秘密にするのは良いのですが・・・。
私には1つ、条件がありました。
思う人によっては、意地悪かと思われるかもしれませんが・・・
「その、もっとお2人と仲良くなりたいのです。ですから、たくさんお話して下さいませんか?」
そうです、条件とは『たくさんお話をしてもらう』事です。
私は学んだ事以外、この世界について何も知りません。
エルさんやセレナさんはたくさん知ってそうですから!
・・・それに、仲良くなりたいですし。
私の思いを知っているかはわかりませんが、2人はニッコリ笑って、
「もちろんです。エリーゼ様」
「はいっ!たくさんお話させて頂きますっ!」
大きく頷いて下さいました。
「本当ですかっ?嬉しいです・・!!」
私は小躍りしてしまいそうになります。
・・・したらダメなのでしませんけどね!
「早速話しましょう!」
この後、私はエルさんとセレナさんと3人で仲良くおしゃべりをして、
とっても楽しんだのでした♪
・・・あ、陛下の事忘れてました。
いっ今は忘れても良いんです!
けれど、私は後でこの選択を少し後悔する事になるのでした・・・。
大分遅くなってしまいました・・・。
ですが、その間にブックマークが増えていました!!
とっても嬉しいです!ブックマークをしてくれた方、ありがとうございます!
次回はいよいよスズと陛下の・・・?
少しだけ物語が動き出すかもしれません。
誤字などありましたら教えてください。