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6、陛下とのご対面ですけど・・・あれ?

「着いたよエリーゼ」

「ん・・・はひ?私、寝てしまったのでしょうか・・・」


私は泣いてしまって赤くなっているであろう目を擦りました。

そして、ゆっくり窓に取り付けてあったカーテンを開け、外を見ます。


「うわぁ・・・!ここが王宮ですか・・・!!」


私の目に飛び込んできたのは、巨大で綺麗な城でした。

有名なネズミ-ランドのシンレレラ城のように薄い水色の屋根に、

薄い・・・?クリーム色のような見た目をしています。

とっても綺麗!!いつまでも眺めていたいくらいです!

私は笑顔になりました。

これなら陛下の側室になっても良いかもしれませんね!

だって、たくさん綺麗な物が見れそうですもの!

笑顔の私を見たファール様は、安心したように微笑みました。

 

「エリーゼ、緊張はしていないかい?」

「はい!うわぁ・・・とっても綺麗ですね!」

「エリーゼ、落ち着いて」

「中にはどんな物があるのでしょうか・・・?本もたくさんありますかね」

「・・・エリーゼ?」

「私の好きな本もあると良いです・・・あぁ・・・早く書庫に行きたいです・・・」

「エリーゼ!」

「はっはい!!」


魂を書庫に飛ばしていた私は、ファール様の声を聞いていなかったようです。

うぅ・・・恥ずかしいです・・・。

私は思わず、顔を隠しました。

そして、恥ずかしかったので小声で、


「ファ・・・お父様、ごめんなさい」

「気をつけるんだよ、エリーゼ。ぼんやりしないように」

「はい・・・」


ファール様に謝りました。

ファール様は優しく微笑んでくださいます。


「それじゃあそろそろ行くが・・・大丈夫か?」

「はい」


私は大きく深呼吸をすると、ファール様と共に馬車を降り、王宮へと進み始めました。


++++


王宮に入り、案内されるまま(案内人はアラン様でした!)に進んで行くと、謁見の間へとたどり着きました。


「ここからは、エリーゼ様1人でお願い致します」

「はい」


仕事モードになったアラン様に返事をすると、私はファール様にお辞儀をしました。


「頑張って来ます。そして、皆さんに迷惑にならないようにしますね!」

「落ち着いて、習った事を思い出してやるんだ」

「はい!」


ファール様に応援された私は、拳を握って胸の前に持ち上げました。

・・・気合い付けですよ!

すると、アラン様が笑って


「エリーゼ、陛下はお優しい方だよ。安心して」


と言いました。

どうやら、仕事モードを解いて下さったようです。


「そうなんですか?・・・緊張しなくて大丈夫ですかね」

「うーん、多分大丈夫だと思うよ」

「わかりました!それじゃあ、行ってきます!」


私は2人に向かって大きく頷き、謁見の間へと足を踏み出しました。

そこは、大理石?の床に玉座に向かって真っ直ぐ赤い絨毯がひかれています。

着て来たドレスのスカートを持ち上げ、その絨毯に足を踏み出し、1歩1歩進んで行きます。

そして、玉座の前まで来ると、腰を低くおとして跪きました。


「顔をあげよ」


すると、低く澄んだ声が私に向かって発せられました。

私は、その言葉に従い顔を上げます。

そして、私の目に見えたのは________



「・・・・・ハル?」



前の世界で仲良かった、幼馴染の姿でした。


「えっえっ?なんでハルがここにいるのですか?」


私は作法を忘れて慌ててしまいました。

金色の髪に、真っ赤な瞳。整った眉にスッと通った鼻、薄い綺麗な唇。

髪の色と瞳の色は違いましたが間違いなく、私の幼馴染のハルでした。

私は、女の子も男の子の友達もそれなりにいました。

その中で、女の子と男の子で1人づつ、幼馴染がいたのです。

その男の子の幼馴染がハルでした。

祖父だか曽祖父だかが外国人なようで、黒い髪でしたが瞳に少しだけ緑が混じっていました。

そして顔立ちも綺麗なせいか、たくさんの女の子から告白をされていました。

・・・なぜか、私が相談された中でハル好きの人はいませんでしたが。

その代わり、ハルから私は相談をされていました。

名前は教えてくれませんでしたが、長い黒い髪に黒い瞳という普通の日本人でしたが、

性格がとても優しかったようです。男の子があまり好きではないけど、それなりに過ごしていて、

女の子からよく恋愛相談をされていると言っていたような・・・。


「・・・誰だ?ハルというのは」

「えっ?あっ!・・・も、申し訳ありません。失礼致しました。私の知り合いに似ているように感じたのです。誠に申し訳ありませんでした」

「そうか・・・アラン」

「はい」


私が頭を下げ謝ると、ハルによく似た・・・じゃなくて、陛下は扉の方に向かって声をあげました。

すると、扉の前で別れたアラン様がそこにいます。

そのアラン様に向かって、陛下はまた声をあげました。


「もう良い。この娘を下がらせろ」

「・・・はっ?その、ご挨拶などは・・・」

「この娘はエリーゼ・タリアシアで、お前の妹だろう。それだけあれば十分だ」


そう言うと陛下は玉座から立ち上がり、向こうへ歩き始めてしまいました。

・・・どうしましょう!陛下、怒ってらっしゃる?

これは大変だ、と思った私は、陛下の背中に向かって呼びかけました。


「陛下、その・・・申し訳ありませんでした!あと、私はエリーゼで申します!」


大きな声を出したので、きっと陛下に届いていたでしょう。

しかし陛下は振り返っては下さいませんでした。


「どうしましょう、どうしましょう。陛下を怒らせてしまいました・・・」


タリアシア家の皆さんに、迷惑が掛かってしまうのではないでしょうか・・・。

その時の私はひどい顔をしていたのでしょう、アラン様が駆け寄って私に話しかけます。


「エリーゼ?大丈夫かい?」

「は・・・・・・ぃ・・・・・」


しかし私はタリアシア家の皆さんについて考えていたので全く反応が出来ませんでした。

私の反応を見たアラン様は無言で私を立たせると、手を取りゆっくりと扉の方へ歩きます。

私はアラン様に引っ張られるままに歩きました。



・・・そんな感じで、陛下との初顔合わせが終わったのです。




アランさんは宰相補佐です。そして宰相がファールさんです。

アランさんは・・・基本的に宰相の仕事の手伝い、陛下からの雑用(?)的な事をやっています。

詳しい事はいつか書かせて頂きます!

誤字などありましたら教えてください♪

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