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2、まさかの異世界です。

まだまだ下手ですが、暖かい目で見てください。

突然本の中に入ってしまった私。

その時、咄嗟に目を閉じた私は目を開け、呆然としました。

私の視界にある物すべてが『木』なのですから!

…いえ、木がたくさんあるなら『森』ですね。空気がおいしいです。

おもわず、「すーっはーっ」と深呼吸をしてしまいます。

さすが森です!マイナスイオンがよくでてますね!


…って、なんで私はそんなにのんびりしてるんですかーーーーーっっ!!!!!


自分の頭をポカポカ叩く私。少し怒りもありますが、呆れの方が強いです。


自分で自分に呆れるなんて…。

今まで17年間生きてきましたが、こんな事は初めてです。

もちろん、本の中(・・・)に入るのも初めてですよ!

ん?本の中(・・・)といえば…


「もしかして、ここは本の中なのでしょうか…?」


私の読もうと思った本「漆黒の騎士と純白の姫君」の世界に入ってしまったのかと思いましたが、

そんなおかしな話はありませんよね。

では、目の前に広がる景色はなんなのか…。

もう1度、ゆっくりとした動作で私は周りを見渡しました。

やっぱり、緑ばかりの森ですが…。

んん?あれは…なんでしょうか…

微かにですが、緑の森の中に少しだけ白色の何かが見えました。

それは、段々こっちに近づいてきます。しかも、結構速い速度で。


「誰かーー!!誰かいないのぉーー!!!」


こんな叫び声も聞こえてきます。

…叫び声って事は、『人』って事ですかね。


「誰かいないのぉーーっ!」

「あ、ここにいまーす!」


2度目の叫び声が聞こえた時、私は返事を返してしまいました。

だって…叫び声がとっても怒っていたっぽかったんですもの。

でも失敗です。

なぜって…こちらに向かっている人は速度をどんどん上げて、私のもとへと向かってくるからです。

いーやぁぁーーー!!!なんかごめんなさいーーーー!!!

危険を感じた私は手で顔を隠しました…が、その人は私の前で止まったので大丈夫なようです。

ふー、一安心です。それにしても…その人はなぜこんな所に…って、

うわ…とっても綺麗!!

私の前で止まった人は、白…銀色?の髪を軽く結び、

白に水色という爽やかなワンピースを着ていました。

それに、顔も綺麗な青色の瞳に柔らかそうな唇。鼻も高くて、色白という女の子でした。

こんなに綺麗な女の子は見たことがありません…!

おもわず見とれていた私を女の子はまじまじと見ました。

えっと…全然綺麗じゃないので見ないでほしいです…。


「あなた誰?」

「へっ…私は鈴鐘真帆すずかねまほです…」

「スズ…?まぁいいわ。それじゃあスズ。なぜあなたはこんな所にいるの」

「えっと…その…」


まさか本の中に入って目を開けたらここでした、なんていえません。

どうしましょうか…

私が思案にふけっていると、女の子は早くしてっ!とばかりに腕を組みました。

覚悟を決めた方が良いのでしょうか…。


理由わけありなのね…別にあなたを取って喰おうなんて考えてないから教えて」

「本当に良いんですか?」

「良いわよ。ていうか、そんな風に言われたらどうしても気になっちゃうじゃない」

「はぁ…えっと、絶対に信じてください。良いですか、いきますよ」

「はいはい」


私はつっかえながらも頑張って話しました。

女の子は驚きながらも静かに聞いてくださいます。

そのため、頑張って丁寧に話すことができました。

全てを話し終え、言葉を結ぶと女の子は軽く頷き少し笑いました。

綺麗な女の子が笑うと、周りの木たちが嬉しくなっている気がします。

ちょびっとうらやましい…!


「なるほどね…だからスズと私の姿が一緒なのも納得できるわ」

「え?私とあなたでは全然似てませんよ?私は全然綺麗じゃないですし…」

「自分の姿をよく見なさい。ほら」


女の子はため息をつくと、私に鏡を渡しました。

この世界に鏡ってあるんですね…。感心です。

私は渡された鏡をまじまじと見てから自分の姿を見ました。

いつもと変わらない黒髪の私が映ってます…って、

全然違うじゃないですかーーーっ!!

私の姿は女の子と同じ、銀色の髪の毛で瞳も青。

せ・整形ですか!?私は知らぬ間に整形されていたんですか!?ありえません!!

慌てている私を見ながら女の子は笑っています。

うぅ…ひどいです。私は困ってるのに…!!


「わかった?」

「はい…わかりたくないけどわかりました」

「でも、どうしようか…私と同じでしょ。困るわよね…いっその事あそこに…いや、駄目か…」

「??」


突然女の子がぶつぶつと何かを呟き始めました。

しばらくして、納得したかのように1つ大きく頷くと輝くような笑顔で口を開きました。


「スズ。これから手紙を渡すからそれを向こうにある場所にいるかもしれない人に渡しておいてくれる?

もしいなかったら申し訳ないけど、少し待ってもらえると良いかな」

「へっ?」

「そうよね…最初からこうしておけば良いのよ…きっとこの子なら大丈夫そうだし…」


女の子がなにやら呟いていますが、聞こえません。

それはともかく、頼み事ですか…。

私は基本、頼まれた事は断れないのです…。短所、ですかね…。

それに、こんなに綺麗な女の子からの頼み事なんて…!

絶対に断れません!

ようしっ!


「良いですよ」

「ほんとっ!?ありがとう、とっても嬉しいわ!!じゃあ、この手紙をお願い。

場所は向こうに行けばきっとあるわ」

「了解です!さようなら…あの、お名前は…?」

「私はエリーゼ。さようならスズ」

「はい。さようならエリーゼさん」


エリーゼさんは走ってどこかへ行ってしまいました。

友達…なのかな?いえ、この世界に来てお話できた人は友達だと思いましょう!

あ…友達ならもっとこの世界について聞いておけば良かった…。

少しショックです。でも…こんな事でへこたれている場合ではないですね。

頑張ってエリーゼさんの頼み事を解決しましょう!


「よしっ!頑張りましょう、私!」


ガッツポーズも決めて良い感じです。

ですが…


「向こうってどこでしょうか…」


そうです、私はエリーゼさんに『向こう』がどこであるか聞いていなかったのです。


「私ってばおかしいです!何がしたいんですかーーーっ!!」


緑の森の中に自分に怒っている私の声だけが響きました。









次回からは物語が進む…かもです。

それにしても、スズちゃん。人を信じるの早すぎですね…。


誤字脱字などがありましたらすみません。

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