2.ユニークスキルとおにいちゃんと
今日の夜投稿するつもりが、評価や感想が嬉しくてつい投稿してしまった。
「それでこれからどうするの?」
「うーん……」
夜中、俺と一緒のお布団で寝るー!と駄々をこねたシルトとこれからについて話し合う。
父さん、一緒に寝たがってたな……。やはり娘って可愛いものなのか。
まあ、確かに中身を気にしなければシルトは将来可愛いくなること間違いなしの美幼女だが。
「とりあえず、前いた世界を見に行きたいんだが……」
「まあ、いまのちからじゃむりだよねー」
「だよな……転生前の力が使えればいいんだが」
「そういえばこのせかいってどういうシステムなの?」
「システム?」
「ステータスとか」
「ああ……そういうことか」
この世界に、ステータスは無い。だけどスキルはある。この世界での強さの基準は、どんなスキルを持っているか、スキルのレベルはどれくらいか、個人の技能はどれくらいか等で決まる。
そして、この世界の人は産まれたときに必ず1つユニークスキルを持っている。
「なるほどー……ところで、おにいちゃんのユニークスキルってなんだったの?」
「……粒子召喚と粒子操作」
「……なにそれ」
「《粒子召喚》」
発動した途端掌から溢れでてくる砂の粒のような白い粒子。シルトの目の前で粒子を動かして見せる。
「これを操作できる能力だ」
「……つかえるの?」
「今のところレベルが微妙なせいでこんなもんだ」
粒子を身体にまとわりつかせてそのまま飛ぶ。
「粒子召喚のレベルが上がればもっと強くなるとは思うんだが」
「ふーん……なんかびみょうだね」
「言うな……」
ちなみに今のレベルだと強い大人に本気で殴られると粒子で作った壁が崩れるくらいの強度だ。
そのため、速度をあげて発射しても、すぐに崩れてしまうので戦闘にはまだ使えそうにない。
「でも、おにいちゃんたのしそうだね」
「ん?……まあ、前は苦労もしないで急成長しちゃったからな……」
「?」
ゲームではじっくりレベル上げをして主人公を最強にするタイプなので、前の《倍加》はチートのような気がして正直微妙な気分だったのだ。
「ははは……」
「おにいちゃんがとおいめをしてる……」
「なあシルト」
「なに?おにいちゃん」
「そのお兄ちゃんと呼ぶのをやめてくれないか」
「どうして?」
「……何かムズムズする」
ロリコンではないが、やはり可愛い子に「おにいちゃん」と呼ばれるのは何か色々マズイ気がする。
「じゃあなんてよべばいいの?」
「……テスカ、とか」
「テスカおにいちゃん?」
「その後半を抜いてくれ」
「テスカおにい?」
「何故そこだけ抜いた」
「テスカおに?」
「新しい鬼ごっこか」
「テスカにい」
「んー……まあそれでいいか……?」
「じゃあテスカにいにでけっていだね!」
「待て、何か一文字増えてないか?」
「おやすみなさい。テスカにいに」
「ちょっと待ってやっぱり一文字増えてるよね!」
「にいにうるさい」
「結局テスカも消えてる!?」
「すぅ……」
「はあ……もういいよそれで……」
翌朝、にいにと妹に呼ばれて悶える俺を見て、息子の将来が心配になった両親がいたそうな。
読んでくださってありがとうございます。
私の小説の主人公なのに最初から人外じゃない……だと……?
今回は《夢テン》より丁寧に書く予定。別に《夢テン》が丁寧じゃなかったとかではナイデスヨ。
多分テンポは変わらないと思いますが。