閑話 使用人の一日 リリの場合
私達使用人の朝はとても早い。
朝は陽が出る前くらいには起床して身支度を整える。そして朝食の準備にとりかからねばなりません。
本日の朝食は白パン、ポテトサラダに白身魚のムニエル、具沢山の野菜スープだ。でもこのポテトサラダは昨日、生徒の親からの貰い物だったりする。授業が終わると生徒から度々差し入れがある。そしてその差し入れはその日の夕飯や、朝食で頂いています。
とても有難いことです。これでもお店のセールにはチェックをし、商品獲得競争は毎日やっているが差し入れひとつで豪華になる。因みにセールの情報は全てクロウェルさんから。流石師匠。些細な情報でも手に入れておられる。
白身魚を薄く油をひいたフライパンに投入し、そろそろ朝の準備ができた頃、クロウェルさんが紅茶のセットを持って主の部屋にいく。屋敷にある紅茶は王室御用達のもので品質が良いものだが大変安く入手している。この茶葉を売っている店が近所にあり、仲良くしてもらっているから安く入手できるのだ。
そして当主が起床する間に朝食を皿に盛り付けて持っていく。しばしば朝の紅茶と一緒に朝食を持っていくこともある。
そして主が朝の身支度をする間に実験室の掃除をする。ただし研究室のため、細心の注意を払いながら素早く綺麗に掃除をすませる。
実験結果は厳重な管理を主がされているため、 内容はクロウェルさんであっても知らない。要はレポート類は散らかしていないということだ。
しかし、実験最中にでた塵や少量のごみ、紙くずが割りと散乱している。酷いときは埃もあるくらいだ。危険な薬品物はきちんと廃棄されているが、それ以外のごみはかなり散乱している。
これを片付けなければならない。
実験室くらい自分で管理をしてほしいものです。
実験室の掃除が終わると私達も朝食を食べ、後片付けをする。
そして私は買い出しに出かける。この朝の買い出しがとても大変だ。客が行列を作り開店と同時に走り出すものだから、必死で品物をかごに入れなければとられてしまう。
こうして私が買い物をする間にクロウェルさんが残りの部屋を掃除、洗濯等する。隅から隅まで塵ひとつなく。
勿論私も買い物が終わると即行で家に帰り、彼の手伝いをする。そして昼の支度にとりかかる。
昼の献立は朝の白パンにホワイトシチュー、グリルで焼いたチキンにトマトサラダ。うん、良い匂い。昼のホワイトシチューは朝の野菜スープを作り直ししたものだ。
そしてトマトサラダのトマトは庭からもぎ取ってきた。もぎたての真っ赤に熟れたトマト。とてもジューシーで美味しそうだ。主も喜んでくれると作りがえがある。
庭には幾つかの野菜とハーブが植わっている。家計の負担を減らすために畑と化してる。
実験室に籠っている当主を引っ張り出して昼を食べさせ、そのあとに私達も同じものを頂く。料理はどれもシンプルだが、栄養バランスは考えて献立をつくる。
朝食後はクロウェルさんに稽古をつけて頂いている。これが一番体力的にしんどい。走り込みをしてから、体術、剣術を習う。休憩なしでずっと同じ技を繰返ししなければならない。おまけに夏だと気温が高く、バテやすい。水分補給はしているもの、のとても厳しい。
訓練が終わると軽くシャワーを浴びて主にお茶を出します。
夕方は庭の手入れをして主の入浴の支度にとりかかる。といっても当主は一人で入るため、お湯をわかしたり石鹸の準備だけで済む。
主が入浴する間に夕飯の準備も進めないといけませんね。
夕飯はチキンとトマトのリゾット、昼のホワイトシチューの残りとシーザーサラダ。
リゾットのチーズが良い具合に焼き上がって、香ばしい匂いが漂ってくる。勿論トマトは昼同様庭の物で、チーズと肉の甘味とトマトの酸味が調和して美味しいことだろう。
夕飯を食べた後は片付けをして一人で稽古の練習。一方クロウェルさんは元部下の人と話をしに外へ出掛けたりもする。家にいるときもあるが。
汗を流した後は風呂に入り、上がると風呂掃除をする。そして寝室を整えて主を強制的に寝かせる。そうでもしないとあの人はどこでも寝てしまう。本人曰く、実験室から寝室へ行く途中で寝落ちするらしい。よほど疲れている時は。
それでも流石にバルコニーで寝ているのはおかしいでしょう。
ですから強制的につれていきます。
そして明日の朝食の下準備をして私達も床につく。床につく頃は次の日に日付が変わっているくらい遅いです。もう毎日ヘトヘトですがお嬢様の為です。音をあげるわけにはまいりません。
まあこの疲れも慣れていますから。
ああ、誤解はしないで下さい。いくら慣れたらとはいえ、使用人の一日は大変なものですよ。
でも今の私があるのはお嬢様のお陰ですから頑張ります。
リリは自分のことは割りとざっくんばらんに話すが、アリス、クロウェルさんに対しては敬語を使っている様子…
読みにくくて申し訳ない。




