面会
まあこんな感じでグダグダしているからもう帰っても平気かなと…思ったのだが…
いや、しかしそれは間違いのようです。
* * *
「もう採寸が御済みのようですので帰っても…」
いいですかとつい本音をこぼすと6の瞳がこちらに向いた。
美男美女に揃って見られるというのもなかなか居心地悪い。一人例外がいて良かった。イルミナティさんのことだけど。
「え、え、えっと何か気にさわること言いましたか?」
「まだ用事は済んでいない。すこし部屋を変えるぞ。」
と公爵殿は言った。全く横暴な!!
「うん。そうだな。でもその前にイルミナティをどうにかしてよ。」
王子殿の突っ込みで召喚しっぱなしだということに気付いた公爵殿はあっさりと解除した。すると彼は次第に薄れていくように消えた。
登場は割りと派手なのに消えるときは地味なんだなとしげしげとイルミナティが消えた位置を見ていると、
「まあこんなものよ。」
王女様は言った。何だか私の思考は駄々漏れらしい。
「こちらに来てくれないか。」
公爵殿の一声でふと振り返る。公爵殿が部屋から出ていったので急ぎ足で彼の後についていった。
一体どこへ向かうのだろうと思いながら後をついていくと、公爵殿はやや大きめの扉の前に立った。
「え?会うの?話はあんたが聞けばいいんじゃないの?」
王子殿はゲッという顔をした。どうやらこちらが素のようだ。口調が段段砕けている…王女様を見ると彼女も然り。嫌そうな顔をしている。一方公爵殿は何やらきらきらしている。そんなにも嫌そうな顔をして、この部屋の中がとても気になる。
王子殿と王女様は回れ右をしようとしたが出来なかった。何故なら。
「貴方がたも呼ばれていますよ。」
公爵殿の手は二人の腕を掴んでいた。そしてそのまま扉を開けた。
「失礼します。」
と二人を引きずるようにして中へ入った公爵殿に続いて入るとそこにいたのは。(内心、引きずって良いものかと突っ込んでも良かったが、いちいち言ったら切りがないと思い始めた今日この頃…)
「国王様?」
またしても思っていたことが口に出てしまった。新聞記事の中でしかお目にかからない顔がいた。
今日呼ばれたのはあくまでも国王との面会がメインだったようだ。餌に釣られた魚の如しだな。ああ、なんと間抜けなことでしょう。私としたことが!
しかしここで不機嫌なオーラを発するわけにはいかない。我慢我慢。
「二人のお守りをありがとう。助かる。」
柔らかく微笑みながらしかし威厳のある声音で口を開いた国王様が書斎の椅子に座っていた。
「まったくいい歳こいてふらふらと。」
はーと溜め息をつきながら組んだ手に顔を埋めた。その顔は一国の主というより子供の暴走を心配している親の顔だった。
「仕事してるし。」
「仕事してるわよ。」
二人とも息がぴったり。
「王子、王女の職務放棄してないか?」
だが、親は強かった。ばっさりと相手の言い分を切り捨てた。
にこにこと笑うが有無を云わさない威圧感がある。見覚えある笑みだと思うが思い出せない。ああ、違いました。訂正します。思い出したくないんです。
「説教は後だな。とりあえずアリス嬢に来てもらっているしな。立ち話もあれだしな。そこに座ってくれ。」
ああ、挨拶するタイミングがない。だから挨拶すらしてない。国王様を前に失態を犯してしまった。
仕方ない。間が少々悪いが今しかない。
「ご挨拶申し遅れました。アリス.ホルスと申します。」
一応淑女らしくお辞儀といっても格好が男装に白衣というため、お腹の前に手を揃えて腰から屈むことしか出来ない。
くそ。流石に国王様の前でこの格好はないだろう。謀りやがってと内心罵りつつ原因である公爵殿を睨む。公爵殿は嬉しそうに珍しく黒くもない笑みをこぼしている。
「ああ、そんな堅苦しくなくていい。息が詰まるから止めてくれ。今は非公式だしな。」
嫌そうにブンブン手を払う。本日これで4回目のデジャヴ。
…血は争えないとつくづく思ったのだった。
「それで私を呼んだのはどういうことですか。」
わざわざたかが一庶民、元貴族だがもうそれも何年も前の話、に何の用があるというのだろうか。
「教育方針について少し聞きたいことがあるから呼ばせてもらった。」
ああ、そうそうとも言いたげに手を打った。
「はあ、」
別にそのくらいのことは学会が発行している雑誌に意見書いてあるんだけどな…と思いつつ国王様の話に耳を傾けた。
よくよく考えてみると、一応専門は地学とか理系なのにどうして政治やら経済やらの専門家として呼ばれるのか不思議でならない。論文の数からいっても理系の方が圧倒的に多い。
なのにどうして私から話を聞こうとするの?と思う。。他にもいるでしょうが学者なんて。
一人に聞くのではなく、複数人聞くべきだと思うぞ。色々な意見を聞いて総合的に判断しなければならないと考えるのは私だけか?いや、そんなことはないだろう。
いっそのこと、学会に行ってしまえば速いのになあ。
短めですが御免なさい。休憩時間で書いているのですこし時間的に余裕がないのです。
年内に投稿出来ないと書きましたが嘘ついて御免なさい。
ただ今は本当に時間がなくて余り書けないのです。
言い訳ですが…編集はちょいちょいするのでよろしくお願いします。
読んで下さっている皆様に感謝します。
12月25日書き直しました。




