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馬車の中で

「公爵殿、少しよろしいですか。」

馬車に乗り込むや否や開口する。

「ええ。何でしょうか。」

と言っていつものように上品に笑う。いつもニコニコ笑いおって。余裕ですみたいな表情やめてほしい。


「貴方は忙しいのに何故こんな茶番に付き合っているのかが不思議でなりません。おまけに私の話が聞きたいのなら結局夜会ではなくてもよろしかったのでは。この前も聞きましたけど、夜会に行く必要ありませんでしたね。」


「あのパーティーでは、本当は王子と私で経済について学者と交流会的なものでした。けれど他の貴族どもは呼ばれるついでに王子とお見合いしたいらしく、先日のようになってしまいました。お陰で貴女は会場からいなくなるしさんざんでしたよ。」


他人には見せないだろう疲れきった表情をして背もたれにもたれた。


「そんなわけで王子と二人、休みをもらいましたので今日連れていっているわけです。それとパーティーの後で貴女を襲った輩は牢屋にぶちこみましたのでご安心を。」



それは僥倖。私みたいに襲われる人がいたかもしれないし。襲ってきた男の様子を見るとまたやりそうだったし。ただ、水酸化ナトリウムをかけるのはやりすぎだった。科学者としては失格だ。流石に落ち込むし反省している。スタンガンを常備した方がまだましかな。


いや、それでも大して変わらないか。


話がずれてしまった。頭をふって思考をもとに戻した。

それにしても今、休みを取ったと言ったのか?良いのか、国の中枢人物が揃って休みなんて。

私の心を読んだのか、

「たまには休まないとやってられませんよ。最近、国王は私に仕事を押し付けるので別に大丈夫です。」

と言った。ニコニコ笑っているが黒いです。真っ黒。


「私はなにも言っていないんですけど。」

「アリス殿は素直だから分かりやすいのですよ。」

分かりやすい?私は素直ではないと自分は思っている。



窓の外をみると王宮に近づいていた。


「公爵殿ではなくてカールと呼んで下さい。皆そう呼ぶので。」

窓の外を見ていたが私に期待するように視線を窓の外から外した。


「恐れ多くてできませんよ。」

私みたいな人に何を仰るのだろうか。この人は。


「次に公爵殿と言ったらお仕置きですね。」

公爵殿が纏うオーラが輝きだした。


「お仕置きって私達はそんな仲ではないです。何で私がされないといけないのでしょうか。」

速攻でツッコミを入れる。理不尽ではありませんか。


「また夜会に招待します。私のパートナーとして来てくださると助かります。」

爆弾を投下された。唖然とするしかない。本当にこの公爵殿は何を言い出すかわからない。


「お断りします。」

「私は結構、アリス殿を気に入っているのに…。残念です。」

「ご冗談を。他の令嬢方が耳にしたら我先にと集まりますよ。貴方の猫被った笑みで言えば必然的に来ると思いますが。嗚呼、笑わなくても集まりますか。」



馬車内の雰囲気が一瞬氷る。言い過ぎた。何時も悪い癖が出てしまった。今さらだけどまずいまずいまずい。何を言われるかわからない。貴方の予測不可能な発言は私にとって厄介でしかないのに。


「ハハハハハハ。」

突然お腹を抱えて笑い出した。気が狂ったか!と誰もがその様子を見て思うくらいいつもの公爵殿ではなかった。

「私をその様に評価するのはロイヤルファミリーと私の家族くらいですよ。」

ハハハハハハとまた笑う。笑い声でも上品に聞こえるのはお坊っちゃま育ちただからだろうか。


「それが素なのですね。」

「ええ。まあそうです。貴女も人のことは言えないのでは?」

「もう既にボロが出てきていますけど。」


確かに私も猫被っている。そうでもしないとやってられない。とくに普段は行かないところでは私は鬱憤晴らしの対象になってしまうから、戦闘体勢で臨むと自然と本性を隠す。


さらに一部では没落したのに令嬢気取りと巷では有名らしいから、私の地区から一歩外へ出ると変な目で見られる。令嬢気取りと呼ばれるのはこの高飛車な物言いが原因だろう。

勿論普段は高圧的な言い方はしない。主に嫌いな相手、特に自分は貴族だからと鼻にかけるような人、例えば先日のパーティーにいた令嬢方みたいな人には威圧的な言い方をしてしまう。


この前のパーティーでは一発食らわせたから少しはストレス解消して良かったけど、いつもあのような発言していたら自ら嫌われる原因を作っている他ならない。自分では理解しているのについついね。きつい言葉を浴びせてしまう。


「女性といてこんなに愉快と思うなんて正直驚きの発見です。」

「どういうことですか。」

「そのまま受け取って構いませんよ。………話し込んでいるうちに到着したようです。」


そう言われて窓の外を見ると大きな建物が見えた。王宮も近くに見える。先程の言葉が気になるが、御者が馬車の扉を開いた。


「どうぞ。」

公爵殿が先に降りて手を差し出す。

「私は結構ですよ。(いりません。)」

手を借りずに降りた。その様子を見て御者が少し笑っていた。さぞかし滑稽に映っただろう。


「これが私の屋敷です。」

少し不満そうに言った。私に嫌みですかと言いたい。王宮までいかなくてもなかなかでかい建物がそびえて建っていた。






「立派なものですね。」

「ありがとうございます。」

公爵殿は嬉しそうだ。なんだか今日一日楽しいオーラが感じる。そんなに良いことなのか私にはさっぱり理解できない。


階段を上がると既に執事とメイドがお出迎えだった。

「失礼します。」

そこにいた執事とメイドに声をかけると、二人とも驚いた表情をした。

そして廊下を進むこと進むこと。ある部屋の扉の前に立っていると、


バタンと扉が勝手に開いて、

「私を呼ぶ声がする!何方かしら?」

中から出てきた女性が叫んだ。


「いきなり飛び出すな。」

続いて男性の声も聞こえた。



私は固まるしかなかったが、公爵殿は慣れているようで

「いい年した大の女性が何しているんですか。だから嫁にもらえないのですよ。」

辛辣に言う。


「貴方に言われたくないね。この腹黒イケメン宰相にね。結婚していないから同じでしょ?」

公爵殿に負けず劣らず酷い言い様だ。


「私は良いのですよ。」

ちらりと私の方を見る。私に何か御用ですか。そんでもって、何故私を見るのですか。


「二人ともそこまでにしてほしいのだが。」

ぼそりと蚊帳の外にいた男性が呟いた。よくよく見ると王子にそっくり似ている。ただ、私は顔を覚えるのは苦手なので本人なのかは断定する自信がないが、先程公爵殿が王子も来ていると仰っていたからそうなのだろう。


「すみません。此方のお二人はどちら様ですか。公爵…………カールネスト様。」


「公爵殿とは呼ばないで下さいと言ったはずですよ。…此方の方は今日私が呼んだ客人です。」


一瞬顔をしかめるがすぐにいつもの笑顔に戻った。表情筋がよく鍛えられているとつくづく思う。


「カール、アリス嬢に何を言わせたのか非常に興味があるのだが。」

王子がニヤニヤと口の端をあげた。それに公爵殿は舌打ちで返事をする。

「それには私も聞かなくては。」

隣の女性も目をランランと輝かせた。


「お前ら二人には関係ないだろう。」

苦虫を噛み潰したような表情で公爵殿は言った。


公爵殿にも苦手な者がいるんだと少し驚いた。だって何時も余裕綽々な笑みを浮かべてやって来るから苦手なものは無いんだと思っていたから。





いつの間にかお気に入り登録がこんなに!


下手な文章なのに読んで下さってありがとうございます。更新しながら少しずつ進めたいと思います。


間違いの指摘ありがとうございます。そしてまわりくどくてごめんなさい。


不定期更新になってしまいます。暫くは投稿できないのでご了承を!息抜きに書きます。

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