ランプがランプである事を確かめる為のたすき掛け
ここでやっと性転換します。
大変だ〜
俺が今ここに居る事と地球が存在する事は=で結ぶ事が出来る。だって地球が存在しないと俺と言う固体も存在しないから。
人∈俺と言う事は人はよく言うのだが…固体∈人と言う言い方はあまりしないだろう。人は自分以外の物をまるで目下のような見方をしているのだから。
なんて言う夢を見た。奇々怪々なもんだ…。こんな阿呆な夢を見るのも、あの出部子のせいかもな。
「今日は少し寝坊しちまったかな…」
突然だが俺には可愛い妹がいない。勿論ラノベには寝坊する兄を一生懸命に起こす妹が出て来るのだが…
生憎、そう言う事こそ夢に出てくるべきだ。
俺は毎日1連のいわゆる身支度を終えるとリビングへ行く。
「詫助じゃねえか。遅えぞ。」
リビングにはある人物が1人
読者の皆はどうせあれだろ。兄さんとか思ってんだろ?
これが俺の自慢の妹です。
赤竜。中学3年
まあいわゆるヤンキーなんだが…身なりは結構凛とした雰囲気出してるんだよ。肩幅はそこまで広くないし、髪だってすげぇきれいな黒髪なんだが…
ただ1つ奴の目は吸い込まれるような赤色してんだ。
てか、俺がこの話の主人公やるより妹がやった方がいいんじゃね?キャラ設定ちゃんとしてるし。
「いつからこうなったか…」
「何か言った?」
勿論俺が妹に反論するような事を言うと殺気が溢れんばかりの目付きで睨むのだが…やはり家族。今まで妹に殴られた事はない。
俺はパンを急いで口に詰め込み、殺気まみれの部屋を後にした。
「あ、詫助君!ちょうど良いわ。パン買ってくれない?あ、ちょっ!ま!待って!そんな私のパン〜!」
朝の風は気持ち良い。俺は出部子とぶつかったあの忌々しい門を直角で曲がろうとした。
とたん!足元に何かがある事に感づき、避けようとしたらバランスを崩し、あり得ない体型でスッ転ぶ。
鞄もぶっ飛び閉まり切っていなかったファスナーから中身が散乱する。
うぅ…周りの視線が痛い…。
「ったく…。誰だよ此処に変なもんおいてんのはよ…」
落ちていた物はランプだった。
俺は思わず手に取ってみる。
「詫助君!やっと追い付いた〜」
出部子が息を切らしているが無視。
「こ…これって良くあるアラビアンナイトの奴だよな…」
俺は蓋を開けたが何も入っていない。
「詫助君!そ、それ擦っちゃ駄目な奴じゃない…!?」
出部子は声を荒げて言うのだが…その時俺はもう手をこすこすしていた。
ドロローン
情けない音がこだまする。
辺り一面には青い煙が広がり俺はパニックになっていた。
『あ〜ダリぃなあ。ご主人は誰だよ…』「な、ななな何が起こってるんだ!?」
俺はパニックで口をパクパクさせる。
「ちょ!!詫助君大丈夫!?」
出部子は野太い声を荒げている。
『な…なあ…そこまで驚かなくてもよくね?』
煙がだんだんと晴れてようやくランプが見える程になったのだが…
『あ〜。いい?めんどくさいからちゃっちゃと終わらせるよ』
さっきから声が聞こえる。ランプの先からは胸板がヤバい青の魔神…ではなく、ヒョロヒョロの魔神らしき物がゆらゆらしていた。
こういう所上手く行けてないよね。
「凄いわ!!ランプの魔神よ!!」
『あ〜、そこのデブちょっと黙れ。』
おいおい…ま、マジかよ…!ランプから人が…?
『主人はお前だな?いいから早く自分の願いを言ってくれ。』
突然の投げ掛けにまたもやパニックになる俺の頭は真っ白。
『はーい…後3カウントで答えて。だりいから。』
3
え!ちょっまって!
2
いやいやいやいや!!
俺は何かないか周りを見回した。
1
ヤバい!!早い!!
と、散乱した鞄の中身のラノベが目に入った!!
ラノベ!!
「せ、性転換!」
な…何いってんの〜!何それ大変になるだけじゃん!
『了解!』
魔神がその2文字を発した時にはもう俺の体には真っ白な煙が包んでいた…。
お疲れ様でした。