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「アホやわぁ」

「三毛猫の三題話」シリーズに収録しなかった駄文の数々です。


 あいつのすることなすこと、アホでアホでまったもう、どうしようもない。

 メガネをかけているのに、「メガネどっかいってしもた」といって探し回るなどは序の口で、お昼ごはんを食べたことを忘れて、何度もお昼を食べてお腹を壊したり、トイレで用を足したことを忘れてまたトイレに行き「なんで出ないんやろ」と顔を真っ赤にして頑張ってみたり。

 つい昨日も、「ぱんつってどっちの足からはいたら縁起がええんやろな?」って言って風呂上りにぱんつを穿こうとして、どちらの足を先に入れるのがいいのか迷ったあげく、両方いっぺんに足を通そうとしてバランスを崩して、テーブルの角に頭をぶつけていた。下半身まるだしのまま、ぶつけた頭を押さえて床を転げまわり、テーブルの上にあった飲みかけの缶ビールが転がって、頭の上にバシャリと中身をぶちまけ、結局、風呂に入りなおすハメになっていた。

「これ、ぱんつなんか、はかんほうがええっていうことなんかな?」

 二度目の風呂から出てきた後そう言って、今度はぱんつをはこうとしなかった。だから、あいつは昨日からぱんつはいてないのだった。


 ちょっとおつむの中身が足りない女というのは、人によっては「そこがいい」ものらしいけれど、いくらなんでもちょっとあいつはアホ過ぎるだろうと思う。面と向かって言うことも出来ないので、鏡に映るあいつに向かって「あんたアホやなぁ」とつぶやいたら、鏡の中のあいつがあたしと同じように口をとがらせた。昨日からぱんつはいていないのでちょっとお腹が冷えたのか、ごろごろと妙な音を立てている。ほんとうに、アホやなぁ。鏡の中のあいつにため息を吐いたら、鏡の中のあいつも肩をすくめてため息をついた。

 ……自分の顔すら忘れるなんて、ほんとアホやわぁ。

 わかりにくいお話だと思いますが、簡単に言うと自分のアホさかげんにイヤになった女の子が、鏡の自分に「あんたアホやなぁ」とつぶやくだけのお話です。

「なぁ、ぱんつって、どっちの足からはいたら縁起がええと思う?」

「紐ぱんつなら、真ん中から穿けるんじゃないかしら?」

 と言った感じで再びぱんつはくようになる展開とか。

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