第4話:発覚
―昼―
私は家から持ってきた自転車の後に男を落ちないように縛り付けて、矢印が指す方へ向かった。其にしてもいったいこの道具はなんなんだろう?左右の分かれ道があるとどちらかに矢印が傾く。本当に導かれているように。う〜ん謎だらけ。
『う〜ん』
あっ後の男が起きたみたい。
『ねぇ結局あなたは何者なの?それにこの道具どうみても今の時代の物じゃない気がするんだけど』
『ちょっと興味をもちはじめたね〜そろそろ信頼してくれたかな?』
『ボソッ(別に今の所信頼する要素はないけど…)興味はあるわ』
『まだ信頼されないか〜』
…やっぱり地獄耳。
『まぁどっちでもいいけど、僕の事は話とくね。名前は伊久垣犬太って名前。伊久垣でいいよ〜。あっキミの名前は?』
そういえば名前を聞いてなかった事に気付く。
『…私は月島ちは―『わかった!月島ちはだね。う〜んじゃあ、ちはと呼ぼう』
名前を言い終る前に勝手に理解して呼び名も勝手に決めた。今までトロトロしてたくせになんで今だけ早くなったのだ?。
『名前違―『それで話を戻すけど』
また遮られた。本当にムカつく!わざと?
『実は僕現代の人間じゃないんだ〜。』
なんか重大な事を言ってる気がするが、やる気のない口調で言われて重大な気がしなかった。でもこれが本当なら凄い事だ。私はこういうのを期待して日々過していたのだ。だから気持の準備は出来ていた。なのであまり驚かない。
『ってことはあなたは未来からきたの?』
すごい!もうドラ○もんの世界じゃない!
『―いや過去から来たんだ〜』
…………………えっ?過去?…。なんで過去なの?
『なに言ってるの!なんで未来からじゃなくて過去からなの??そもそもこんな道具過去には無いでしょ』
『いや〜分かりづらいよね〜僕もよくわからないんだ〜』
驚かないと思っていたがなんか違う意味で驚いた…。
『とりあえず最初から話すね』
伊久垣が話だした。
『今2006年だよね?話は600年後から始まるんだ。2606年。その頃過去と未来にいける薬が開発されたんだ。この薬は年号が書いてあってその年号の薬を飲むとその年にいけるんだ』
『すごい未来にはそんなのがあるんだ』
『でも、この薬は一つ問題があって、一度飲むともう二回目以降効果がないんだ』
『えっじゃあ一度タイムスリップしたらもう元の時代には戻れないってこと?』
『そうなんだ、試しに一日戻って使ってみたら効果がなかったみたい。』
『あんまり便利じゃないんだ』
『そう、それで発表する前に使用禁止として倉庫に保管したらしいんだ。』
『それで?』
『保管していた薬の一部が流失したらしいんだ。それでその流失した薬の年号は2005年だったんだ。今でいうと去年だね』『へぇー』
『それで流失した薬が裏で回ってある犯罪組織の手に入ったんだ。その犯罪組織はほとんどが指名手配犯でもう逃げ場がなかったんだ。それで捕まるより過去に行った方がいいと判断し、2005年に戻ったんだ。』
『…………。』
『過去に行った犯人がいろいろ悪事を働いたら、未来が変わっちゃうわけなんだ。そこで、その薬を開発した一人の
「東博士」
が責任をとるということで2005年の薬を飲んだんだ―でも』
『でも?』
『―どこで間違ったのか、博士が飲んだんだのは明治後期の1906年。』
『えっ……………。』
『唯一不幸中の幸いで薬は飲んでから数時間たたないと効かないんだ。だから2005年の薬を持って、泣く泣く1906年に来たんだ』
『……最低な話ね…。』
やっぱりどの時代にも馬鹿はいるものだ。『あっちなみに1906年は僕がいた年ね。 それでこっからが僕の話なんだ』
『いきなり変な人が現れたんだ、とてもびっくりした反面とても嬉しかったんだ』
『なんで?』
『実は僕平凡な日々をおくっていて退屈していたんだ、同じようにダラダラと過ごす日々が嫌いでね。なにか変わったことは起きないかといつも思っていたんだ。』
…やばい!こんな男と同じようなこと考えていたなんて…!所詮私もこの程度?私は軽く落ち込んだ。
『それで博士から今までの話を聞いて変わりに僕がその犯罪者達を捕まえに行くことにしたんだ』
『ふ〜ん、其にしてもアンタ現代に来ても普通に生活してるんだ。驚いたりしないの?』
『それはね〜博士が使っていたコレをもらって勉強したからね』
そういって、本を出したみたいだが、私は自転車を運転しているわけで見れるはずがなかった。
『「過去を知る!20世紀後半〜21世紀前半book」
って本でその時代のことを勉強出きるんだ。たぶん犯人達もコレを見て勉強してたと思うよ。』
やっぱり未来はわからない…。
『まぁ勉強しても初めは戸惑ったね〜。最近やっと慣れてきたんだ。まぁ犯人達も同じ状況だと思うよ。だから最近になって活動を始めたんだ。』
『へぇー。っで、春はその【未来の犯罪者】に関わってるかもしれないわけ?』『う〜ん、はっきりとはわからないんだけど〜最近この近くで女子高生ばかり行方不明になる事件が多発してるよね〜』
『それって、何度か追い詰めたけど空を飛んでいったとか、3人の警官を一瞬で殺害したとか…都市伝説的な話は聞いたことあるわ。となり町でも起きてたような…。まさかこれもその犯罪者が…?』
『そうなんだ、それで僕も最近【未来の犯罪者】の写真を確認してたらそっくりな奴をこの町で見つけてね。』
『…………!!』