第2話:事件発生!
4月27日:火曜日―朝―
今日もいつもと同じ朝 ―ではなかった。いつものうるさい声が聞こえない。学校についたけどついに春は来なかった。遅刻?今までそんなことはなかったけど…。まぁあの春だし別に心配はしないけど。
『実は桜井が昨日から行方不明だそうだ。そこで警察と協力して学校でも桜井を探すので今日は全員自宅で待機して下さい。また何か情報があれば学校にすぐ連絡して下さい。それと帰宅するさいくれぐれも気をつけて帰宅して下さい』
担任が言い終えると、クラスはざわついた。
帰宅中― 今日はいつもと違った、春がいない。
1日いなくなったからってそんなに心配することはない。
と自分に言い聞かせる。
しかし考える。
―あっそういえば昨日の…。
私はあの男を思い出した。
適当な道を教えたが偶然途中で出会ったかもしれない。そもそもあの男はなんで春の居場所を聞いたんだろう。殴られた仕返!?。でもいくら春でも知らない人にはついていかないだろう。無理矢理連れて行こうとしても学校から春の家まで住宅が並んでいるから春があの大声を出せば周りの人が気付くだろう。
…………知らない人にはついていかない……。
知らない人?春にとってあの男は知らない人じゃない。
でも普通あんな出来事があったんだから警戒するし知らなくはないが完璧他人である。
しかし春は昔からそういったことがある。
一度話せばもう知らない人ではないと言っていて、何度か誘拐されようとすることがあった。今まで大きな事件にはなっていないが、なにかあるたび私は注意するが反省したことはないと思う。今回も【知り合い】だから、ということであの男についていったのか?まさか。いくら春でも、もう高校生だし。…………でも。と考えていたら自宅についていた。
『あ〜あ疲れた……春無事かな…』
『心配なら探しにいくか?』
『探すってどこを?……………えっ?』
私の横にあの男が座っていた
『ええっ〜〜〜!!!』
すごい驚いた。なんでこの男が私の部屋に??どうやって家に入ったんだ?家は両親共働きで普段この時間帯、家は鍵をかけて誰もいないのにこの男は私の部屋に入っていた
『ゆ、誘拐犯!その上泥棒!?』
いやひょっとしたら私も証拠隠滅のため誘拐しに来たのかもしれない。。。『誘拐?なんの―』
言い終る前にカバンやその辺にあるものを投げつけた。
『イタッちょっ‥待ってイタッ』
ゴツ。鈍い音がした。私が投げた四角い時計の角が頭に直撃した。
『あっ』
私は投げる手を止めた。ヤりすぎたかも…でも相手は犯罪者今がチャンス家から出て警察に連絡しよう。部屋を出ようとした時
『あの少女の居場所知りたくないのか?』
男が言った
『うっ…』
私は迷った。警察に連絡すれば事件は解決すると思うが、私が家を出て連絡してる間にこの男が仲間に連絡して春を殺すかもしれない…!考えすぎかもしれない。でもこの男の言うことを聞けば春に会えるかも…。
私は部屋を出るのを止めた。
『ふぅーまた酷い目にあったな〜』
男はおでこを押さえながら言った。
『春はどこなの?』
『どこなんでしょうね〜?』
人をおちょくるしゃべり方で返事をする。『なに言ってるの!私も誘拐するなら早く春の所に連れていってよ』
『誘拐?さっきも言ってたけど、僕は誰も誘拐してないよ』男は軽く言った
『嘘!だって昨日春の居場所聞いていたし!第一家に無断に入り込んで』
『彼女の場所を聞いたのはコレを返そうと思ってね〜』
そう言ってハンカチを出した。昨日腫れた目を冷やすために春が出したハンカチだ。
『昨日キミが言った通りにいったら警察署についてね〜まいったよハッハッハ〜』
『うっ、じゃあなんで家にあがってんのよ!』私は問掛けた。
『いや〜学校の場所もわかんないし、しょうがないから昨日寝てた場所から真っ直ぐキミの歩いていった道をいったらキミに似た女性がカギをポストに入れてどっかに出かけていったからそれを使ってね〜』
似た女性は母親だろう……。
『それでキミにこのハンカチをあの子に渡してもらおうと思って』
『ってか不法侵入じゃん!』
『ちゃんと、お邪魔しますって言ったよ』ちょっとキレぎみに言った。
ばっ馬鹿だコイツ…なんでちょっとキレてるの
『あっそれよりアンタは春の居場所知らないの?』
『知ってたらわざわざこんな所来ないよ〜』いちいちムカつくことを言う。
『でもさっき、あの子の居場所を知りたくないのか?って聞いたじゃん』
『いや〜そうでも言わないとキミ逃げそうだったから』
………とりあえず近くにあった枕を顔面に投げつけた。