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プロローグ
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シンの美しかった金銀の鱗は黒くこげ、焼けた痛みで立ち上がる力など残っていなかった。
だが、だんだん寒さで体の痛みも感じなくなっていった。
解けていた氷もまた元の通りに凍ってきた。
シンは考えた。自分の後先も考えない行動で父も母も死んでしまった。
寿命は永遠と言って良いほど有った筈なのに。
だが、自分は夕霧を死なせたくなかったのだ。
焦げた黒い鱗を身に纏って、黒龍となった紅の新しきせせらぎの尊は、北の果ての氷の中で静かに目を閉じた。
完
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「ふう、いつの時代も悲恋の話って涙するわね」
リラは指で涙を抜きながら古い昔話の本を閉じた。
しかしここで言っておきたいのは、この涙は先ほどのあくびの涙である。リラは本を読んで涙するタイプでは全くない。リラは今、明日に向けて一人芝居をしていた。つまり練習である。柄にもない美しく慎ましい女の振る舞いは練習が必要と考えたのだ。
「ああっ、イラつくー。どうしようかな。どう考えても無理。でも絶対帰らないから。おじさんやおばさん、良い人そうだし。何とか居ついてやる」
リラの決心は硬かった。




