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24話

「おいおい、どこまでこの洞窟続いてんだよ。さっきから結構歩いてないか?」


「仕方ないわよ。私だって別に一番奥まで行ったことないんだから。この洞窟がどこまで続いてるなんて知らないわよ。でもこんなに続いてるってことならリザードマンの1匹くらいいるでしょ」


「リザードマンだって奥までわざわざ行かなくないか? 俺だったら、出口から無駄に遠いところで生活しようなんて思わないぞ。どう考えてもこんなに奥まで出くわさないのはおかしいって」


「知らないって言ってるでしょ。リザードマンのことなんて私に聞かれてもわからないわ。そこまで言うんだったらもうこの洞窟は諦めて違う洞窟を探す? そうなると、ここから出てから探すことになるからどうしても余計に時間がかかるわよ?」


 確かにそこを考えるとこの洞窟で粘るほうが効率はいいのかもしれないな。

 でも、この洞窟に入ってきて30分くらいは進んでるんじゃないか? このまま進んでいってもどうなるのかって言う疑問はあるんだけどなぁ。俺だってここから移動するのは正直めんどくさいんだけど……かといってなぁ、はぁー、どうするべきなんだ?


「熟練の冒険者のベルジナさんから見ればこの状況はどうするべきなんだ? 俺にはまだちょっとレベルが高い判断だ」


「私の助けを借りたいって言うわけ? えー、どうしようかしら? 私に対してどれだけ役に立たないだとか、色々言ってくれたわよね? それで困ったら私に頼るの? 都合が良すぎないかしら?」


「それくらい許してくれよ。俺だって今日冒険者になったばかりの新人なんだぞ。そもそも、ベルジナは俺をサポートするためにパーティーを組んでるんだろうが、お願いしてるんだから助けてくれよ」


 もっと優しいいい子がパーティーを組んでくれてればこんな問答を繰り返す必要もなかったんだよな。ベルジナも結構優秀なのかもしれないけど、これじゃあ性格に難ありとしか言えないって。

 俺のことをサポートするためにベルジナなのに、俺の足を引っ張るような真似しかしてないじゃないか。一体どういうことなんだよ。


「止まって。見てあそこ、リザードマンがいるわ」


 また突然、ベルジナに止まるよう言われその方向を見てみると壁に背中を預けて眠っているリザードマンが2匹見えた。

 これなら、わざわざ気配を消して近づく必要もないってことだな。寝ている隙に討伐してしまうって言うのはちょっとずるい気もするけど、どちらにせよ、命は貰うわけだしそこを気にしてもしょうがないことだな。

 さっさと近づいてしまって狩ってしまおう。様子を見ていて、リザードマンが起きちまうって言うのが最悪だしな。


「チャンスだな。一気にやっちまおうぜ」


「そうね。この様子だと、さっき私が倒したリザードマンが見張り役だったのかもしれないわ。こんなに無防備に眠っているのが何よりの証拠よ。こいつらには悪いけど今のうちに片づけちゃいましょう」


「よっしゃ、また頼むぞベルジナ。さっきみたいにサクッとやっちまってくれ」


「また私頼みなのね。はぁ、仕方ないわ。私に任せときなさい」


 足音を消して、近づいて行くベルジナを俺は後ろから見守る。

 早歩きくらいのスピードで歩いているってのにまったく足音がしないなんてかなり不気味だな。もしかして、日頃から暗殺系の依頼も請け負ってたりしないよな? すっげぇなれてるような気がして怖いんだけど。


 そのまま近づいて、先ほどと同じようにリザードマンの首を跳ね飛ばした。

 今度は眠っている分、動きもなくて楽勝そうだな。それにしても、俺よりも先にリザードマンを発見するあたりはやっぱり流石と言わざるを得ない。これも経験の差ってやつだろうな。俺には圧倒的に経験が足りていないってことを痛感しちまう。


「終わったわ。無駄に1匹討伐しちゃったわね。あまり無駄な殺生は好きじゃないんだけど今回は仕方ないわよね」


「まぁ、1匹だけ殺しておいてもう1匹はそのまま眠らせておくのもなぁ。起きたら、仲間が死んでるって言うのも逆に可愛そうなのか? 俺には魔物の思考回路はわからないからそこのところは死んだ後に自分でリザードマンに聞いてみれくれ」


「死んだからってリザードマンと意思疎通できるようになったりしないわよ。それに、私はまだまだ死ぬつもりはないわ。今日のことが完全に記憶からなくなるくらいまではいきてやるんだから」


「俺との出会いを忘れちまうってことか? なんて薄情なやつなんだ……」


「今のは例えよ。それくらい長生きしたいって言う私の宣言みたいなものよ。別にショウマのことを忘れたいなんて思ってないわ」


 ちょっと焦ってて可愛いな。

 俺も今のはからかっただけだって言ったら怒られそうだし黙ってよう。


「何にせよ、これで依頼はクリアしたってことでいいんだよな? さっさと町に戻って報告しに行こうぜ」


「わかったわ。私もこの暗い空間に長くいるって言うのは気が進まないし帰りましょう」


 そのまま俺たちは帰路についた。


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