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23話

 とりあえずベルジナの実力を確認するところから始めないといけないけど、リザードマンなんてFランクとかEランク冒険者が戦うような雑魚モンスターなんだろう? それじゃあ、Aランク冒険者のベルジナの実力を測るのには明らかに役不足なんだよなぁ。

 それでも、この暗闇の中だったらもう少し強い感じは出してくれると期待しよう。

 洞窟の中での戦闘って、ちょっとロマンがあっていいよな。俺も戦いたいところなんだが、力加減ができそうにない今きついもんがある。洞窟を破壊して二人で生き埋めってのも面白いがそれははたから見るから面白いのであって当事者だったらそんな余裕なんて生まれないもんな。ただただ必死で助けを求めるだけになっちまう。


「いつでもいいぞ。俺は完璧に見えてるから、ベルジナがへましたらわかるからな。まぁ、本当に危なくなったら俺が助けてやるよ」


「馬鹿言わないでちょうだい。私がリザードマン相手に苦戦するわけがないでしょ。リザードマンなんかに苦戦してたらAランク冒険者なんて到底無理よ。目を瞑ってても倒せるような相手なんだから」


「あんまり調子に乗らないほうがいいぞ。後でミスって残念な気持ちになるのは自分自身なんだからな。あんまり大見え張らずに緊張感を持って挑むのがいいと思うぞ」


「まぁいいわ。私を舐めてるってことだけは伝わったから。一瞬で終わらせるから、ちゃんと見ときなさいよ」


 そういうと、ベルジナは腰に差している剣に手をかけた。


 そのまま、音もなく駆け出しリザードマンに気取られることもなく、次々と首を切り落としている。

 本当に一瞬で3匹のリザードマンの首を体からさよならさせちまったぞ。流れるような剣技だったな。少し見直したぞ。


「どう? これでも、私がリザードマン相手に苦戦すると思うかしら?」


「悪かったよ。俺もベルジナが戦うところを見たのは今のが初めてだったんだ。少しくらい予想を低くしとかないと期待を裏切られたらきついだろ。俺だって、心のどこかではベルジナに期待してたんだよ」


「心のどこかって言う表現がもうおかしいのよ。普通に期待しときなさいよ。私はこれでもAランク冒険者なのよ。それも、限りなくSランク冒険者に近いって言われてるんだからね。後は私に足りないのは偉業だけよ。それさえクリアできればいつでもSランク冒険者になれるんだから」


 今の言い草はちょっと怪しいが、実力自体は申し分なさそうだな。やっぱりベルジナのことはちょっと侮っていたな。俺よりも明らかに能力値が低いからって、能力値だけが強さに関係するわけじゃないもんな。今の剣技だって、ベルジナが努力して身に着けたものだろうし、能力値に何かを反映したりするもんでもないだろう。


「でも、本当に一瞬だったな。結構素早い動きだったぞ。見失うほどじゃなかったが、俺以外だったら目で終えなかったんじゃないか?」


「そこまででもないわよ。確かに素早さには自信があるけど、上には上がいるものよ。現にショウマにはどうやっても敵いそうにないわ」


「俺と比べるのはそれ自体が間違ってるって。そりゃ、俺と比べればベルジナなんて何一つ勝っていることなんてないだろ。しいて言えば、冒険者としての経験だけだもんな。良かったな、俺よりも早く冒険者を始めてて。これで、俺よりも後輩冒険者だったら、マジで何もなかったところだぞ」


「頭は私のほうがいいって行ったわよね。もう忘れちゃったのかしら? 残念な記憶力ね」


 こいつ、俺の頭を馬鹿にしやがったな。もう少し、言ってたらここで洞窟の生き埋めにするところだぞ。いや、そんなことしたらじいさんから力を奪われちまうかもしれないからできないんだけどさ。

 でも、これで依頼の4匹のうち3匹を討伐したって言うわけか。なんだ、すっげぇ楽勝だな。この調子だったら、もう少し進んでリザードマンを1匹見つければそれで依頼はクリアしたようなもんだ。最初こそ、魔物っていう存在に恐怖心を持ってたりもしたが、自分の能力値がいかにすさまじいか知った今、俺に恐怖なんて感情はまったくない。


「あと1匹頼んだぞ。どうだ? まだこの洞窟にはリザードマンは居そうか? いないんだったらさっさと違う洞窟に行こうぜ」


「そう焦るんじゃないわ。私の勘だけど、まだこの洞窟の中にはリザードマンがすんでいるはずよ。私が倒した3匹もそれなりに強い個体だったわ。私が強すぎてあんまり伝わらなかったわよね? ごめんなさいね」


「絶対嘘だろ。ベルジナの動きに気が付きもせずあの世に言っちまったような残念な奴らだぞ。どこが、強い個体だって言うんだ」


「リザードマンなんてどんな個体でもそんなものよ。でも、今のリザードマンはちょっと大きかったのよ。普通の個体よりも大きいってだけで、強いのは当たり前でしょう? これくらいのことはショウマにでも理解できるわよね?」


 どれだけ俺のことを馬鹿にすれば気が済むんだ。大体、俺はリザードマンを見たの事態が今日が初めてなんだぞ。こいつらが普通の個体よりもでかいかどうかなんて知る由もないじゃないか。ひっかけ問題みたいなもんだぞ。


「進みましょう。さっきみたいに、リザードマンが見えたらゆっくり近づいて攻撃を仕掛ける、いいかしら?」


「おお、その作戦でいけることは今証明されたんだから俺が文句をいうつもりはない」


 こうして俺たちは最後の1匹を目指し、洞窟の奥へと進んでいった。


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