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12話

「冗談よ。私もこんな能力値を晒すなんて真似できないわ。冒険者ギルドとしてもショウマを放置しておくわけにはいかなくなるだろうし、そうだわ、私が貴方の教育係をしてあげるって言うのはどうかしら?」


「唐突だな。何で、俺が自分よりも弱いやつから教わらなくちゃいけないんだ? 冒険者として依頼をこなしていくのなんて誰にでもできることなんだろ?」


「それはそうだけど、ショウマを見てると常識的な知識が欠如しているように見えるのよね。だから、なんだか心配なのよ。別にいらないって言うんだったら私は自分の依頼をこなすだけだけど、どうする?」


 ベルジナは一応この町では相当強い冒険者だってことだし、素直に厚意に甘えておいた方がいい気もするが……でもなぁ。俺と組むには圧倒的に力不足なんだろうな。とりあえず、ベルジナの能力値を見せてもらってから決めるってのもありか。


「一旦、ベルジナの冒険者カードを見せてもらってもいいか? あんまり低いようだと俺とパーティーを組むうえで力不足だからな」


「なんだか、上から目線でイラっとするわね。確かにショウマの能力値に比べたら劣るかもしれないけれど、普通の冒険者と比べれば別格に強いのよ私。あ、そういえばショウマの能力値って全部SSSとかだったけど、知力だけCだったわよね。もしかして、頭のほうは大したことないのかしら?」


「失礼な奴だな。俺は馬鹿なわけじゃないぞ。いたって普通だ。そりゃ、身体能力とかに比べれば少々低いかもしれないけど、C何だから平均的な位の数値だろ? 別にいいじゃないか」


「それもそうね。はぁ、これがFとかだったら馬鹿にできたのに残念だわ。大体、能力値がオールSSSって言うのがおかしいのよ。何? 999って、もしかしてカンストしちゃってここまでしか表示されないとかそういうわけじゃないわよね?」


 確かに、すべてが999ピッタリなんてことがあるんだろうか? これはベルジナのいう通り俺の力が冒険者カードの測れる限界を超えてしまっている可能性も大いにあるな。

 そう考えると、俺の真の実力はまだまだわからないってことか。流石はじいさんだよ、ここまでの力を授けてくれるん何てな。ってか、このすさまじい能力値でも魔王と互角程度って、魔王はどんだけ化け物なんだよ。人類に勝ち目なんてねぇじゃねぇか。そのために俺がこの世界に転生したとは言え、色々とおかしなことばかりだな。


「その辺は俺にもわからないな。もしかしたら、ベルジナのいう通りなのかもしれないし、俺の限界がその999っていう能力値だったのかもしれないな。そうなってくると、これから俺は成長できないってことか。ちょっとへこむな」


「これだけの能力値を持ってるんだからいいじゃない。でも、この年で成長の限界まで至っているって相当おかしなことね。一体どんな修行をしてきたのよ。良かったら私にも教えてくれないかしら?」


「やめてくれ、俺にとって修行の記憶は忘れたいほどつらいものなんだ。もう思い出したくもない。この修行のおかげで今の俺があるのはわかってるんだが、あれは普通の人間なら100回は死んでるような過酷なものなんだ」


「ごめんなさい。そうよね、ショウマみたいな規格外の力を持ってるのに、才能だけでなんてことはありえないわよね。私が無神経だったわ」


 適当に言い訳してみたが案外うまくいくもんだな。

 これで、ベルジナから修行のことに触れてくることはないだろうし、安心してよさそうだな。


「そういえば、さっきからお姉さんの姿が見えないけどどこにいったんだ?」


「ああ、エルならギルドマスターには報告しないといけないからってショウマの冒険者カードを持ってギルドマスターの部屋に行ったわよ」


「え? なんでそんなことになってんだよ。全然気が付かなかったんだけど」


 ああ、もう折角二人以外にはばれずになんとかなりそうな雰囲気だってのに、お姉さんが空気を読まずにギルドマスターのところなんて行くとは思わなかったぜ。

 ここで、先にギルドマスターに話を通しておいたほうが後々都合が良くなるかもしれないし、ポジティブに行かなくちゃな。俺はめげない男なんだ。


「すいません。お待たせしました。ギルドマスターがすぐにショウマさんを呼んで来てくれとのことなので、奥の部屋まで同行していただいてもよろしいでしょうか?」


「それって俺に拒否権はあるのか? あったら、俺は依頼に行きたいんだけど……」


「残念ながらありません。今回は同行お願いします」


「しょうがないな。ついて行くよ。ベルジナはここで待ってるんだろ?」


「私も行くわ。ショウマを冒険者ギルドに連れてきたのは私だもの。最後まで面倒見る責任があるわ。いいでしょ、エル?」


「わかりました。ギルドマスターもベルジナさんなら文句は言わないと思います。それでは、こちらへどうぞ」


 そういうと、お姉さんはカウンターの横にあった扉を開け、俺たちを中へと案内した。

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