第二章 三 黄金のウシガエル捕獲?
毎日学校に行って、勉強するのだが、頭には何も残っていない。流都の頭の中は目時エマの事で占領されていた。
帰宅し、スマホを開くと着信メールがあった。
今日もりりかからだ。開くと『カエルをさがしに行こう』と書いてある。
『いかない』
と、本音はウザいと言いたいが、断りのメールを送信した。
『何で?』
と、りりかから間髪入れずに返信がきた。
『体調が悪いから』
と、流都は嘘のメールを送信した。
『おだいじにね』
流都はウザいと何度も送信しようとしたが、それだけは止めた。
イライラは増した。
だから、ティーンフュチャーの曲を流し、目時エマのポスターを眺めた。いつもの行動だ。
しばらく聴いていると、ライブに行きたい。感情が抑えられなくなって、家を飛び出していた。
CDは高いから二枚目は買えない。だから、清涼飲料水の応募にかけるしかないのだ。
小学校近くの販売機に来ていた。
目的の商品を手に入れ、ラベルを見て、にんまりする。
しかし、抽選で当たらないと、ライブには招待されないのだ。神頼みで願いが叶うなら、お金でも支払う。そんな簡単な事ではない。一気に冷静なり、当たらないのが当然と思うと空しい。
流都は公園が騒がしいので、視線を向けた。
小学生たちが輪になっている。ただ事ではないのは明らかだ。
「見つけた!」
「いいなぁ」
「俺に頂戴」
「嫌だよ」
流都はその輪に近づき、小学生たちは興奮状態だ。
目当てのウシガエルを見つけたようだ。
その時だった。輪の外に知っている顔があった。
りりかだった。
流都は輪に近づくのを止めて、公園から離れた。
たぶん、りりかには気がつかれていないだろう。
もしあれが、黄金のウシガエルなら、流都の夢は消えてしまう。
間違いであってほしい。
願望だ。
肝心の長身の男はいなかったはずだ。
小学生がどうやってアプローチするのか気になったが、公園に戻る事は出来なかった。
りりかがいるので、顔を合わせれば、不愉快になる事は決定的だからだ。
こんな時は清涼飲料水を飲んで、気持ちを落ち着かせ、ラベルのエマを眺めた。今日も救われた。
何と偉大な存在だろう。
だから、もっと近くで観たい。
出来れば、話もしたい。
黄金のウシガエルを捕まえて、ライブのチケットが入手出来るのをエマに祈った。




