表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
マンホールの怪物  作者: 小石沢英一
23/58

第四章 五 エマの高校生活

昼間は高校に通って、午後はボイストレーニングとダンスレッスンの忙しい日々だ。厳しいが充実はしていた。


 今日は全てのレッスンが休みだったので、気が楽な日だ。明日に備えて、英気を養う一日になる予定だ。学校の授業も最後まで受けられる日だ。昼休みに同じクラスの真等江利安まとうえりあとエマは教室にいた。定番の恋愛話で盛り上がっていた。


「エマは彼氏はいないの?」


 と、江利安は興味津々に訊いてくる。


「いないよ」


 と、エマは笑いながら言った。


「うそ?」


「本当よ」


「目がうそをついている」


「ついていないよ」


「隠すな」


「アイドルは恋愛禁止よ」


「だって、先輩に気がある目をしているよ」


「そんな人いないよ。誰よ」


「二年の若村亜貴央わかむらあきおう先輩」


「……」


 エマは確かに気になっていたが、好きとそう言うレベルではない。


「やっぱりそうなんじゃないの」


「違うって」


「まあ、いいや。ちょっと校内散歩しよう」


 と、提案され、エマは従った。


 三階の踊り場で江利安は急に立ち止まった。エマも付き添っているので、横に並んだ。


「どうしたの? 校内散歩は?」


 当然、エマは気になった。


「階段を上ったから疲れちゃった」


「えっ、何それ」


 江利安は息を切らして疲れているように見えないからだ。


「ちょっとここで休憩よ」


「まあ、いいけど……」


 しばらく沈黙が続いた。


「来た!」


 と、江利安が声を上げた。


 誰が来たかと思えば、廊下を亜貴央が一人で歩いている。顔は無表情だ。


「知ってたな」


 と、エマは小声で言ったが、江利安には聞こえていないようだ。


「どうしよう?」


 江利安は亜貴央を見て動揺している。


「こっちに来るよ」


 と、エマは囁くように言った。


 その間に亜貴央は素知らぬ顔で、踊り場を通り、階段を下りて行った。


「どこに行くんだろう」


「さあ」


 エマはそう答えるしかない。


「気にならないの?」


「ならないよ」


「私の好みなの」


「格好いいとは思うけど……」


「ほら、やっぱり」


「ちょっと、待ってよ。江利安ほど、夢中になれないよ」


「何で」


「私はアイドルよ」


「だよね」


「私も応援するから頑張ってね」


「うん」


 結局、亜貴央に興味があるのは江利安であることが判明した。一人で会うのが恥ずかしいからエマを誘ったのだ。


 普通の高校生の一場面だ。


 エマも高校生なのだが、アイドルでもある。ティーンフュチャーのセンターを目指して頑張っているので、恋愛は休止しているのだ。


 その後、江利安と亜貴央は付き合うのだが、短い期間で終了となった。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ