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マンホールの怪物  作者: 小石沢英一
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第二章 四 メール

 流都は行動パターンが毎日同じになっていた。


 学校から帰宅すると、ティーンフュチャーの曲を聴いて、エマのプスターを眺める。そしていつもの販売機で清涼飲料水を買いに行った。


 冷えた清涼飲料水の感覚が手に伝わり、ラベルを眺める。


 ここまでは同じ行動パターンだと思っていたが、今日は違和感を覚えた。


 何かが足りない。


 流都はスマホの画面を見た。


 メールが来ていない。


 りりかからのメールは来ていない、


 どうした?


 あれほどウザいと思っていたが、来ないと、気になるものだ。


 どうしてだろう。


『カエルをさがす?』


 と、流都はスマホに打ち込むが、すぐに消去して『どうした?』と、打ち直した。


 送信ボタンが押せば必ず反応があるはずだ。


 押せない。


 押さないと問題は解決しない。


 しかし、恥ずかしさが勝って、押せない。


 自問自答を繰り返した。


 流都は文字を消去した。


 公園をさがそう。


 名目はカエルさがしだが、実際はりりかの顔が見たくなった。


 今日も小学生たちが大勢いる。どう見てもカエルをさがしているようにしか見えない。


 昨日の騒動は黄金のカエルではない事が証明され、胸をなで下ろした。


 りりかもカエルをさがすのに躍起やっきになっていたので、今日も来ているはずだ。願いを叶えてほしい事は言っていなかったけれど、内容はどんな事なのか。


 流都はそれも気になった。


 言えない。とは、どう言う事だ。考えてもわかるはずもなく、すぐに止めた。


「カエル見つかったか?」


 流都は一生懸命にさがしている小学生に声をかけた。


「まだ、見つからないよ」


「見つけたらどうするの?」


「五年生も子に渡せば、ゲーム機と交換だって」


「そんな話になっているのか?」


「うん」


「誰から聞いた?」


「誰からって……友達かな……」


「長身の男からじゃないの?」


「誰それ?」


 流都の知っている話とは違っていた。何でも願いを一つだけ叶えてもらうからではなく、具体的にゲーム機と交換になっている。それに長身の男の存在すらない。


 どう言う事だ?


 思考しても数式ではないので、解けない。止めた。


 それより、りりかだ。


 流都はスマホを確認したが、メールはない。


 公園を再度、見回しても小学生ばかりで、りりかの姿はない。


 ここにいないとなると……


 公園を出た。


 流都はさまよっていた。当てがないのでそう言う事になる。


 この付近はカエルさがしの小学生たちが血眼になってさがしているので、見ただけでわかる。この中にもりりかがいない。


 流都は期待するが、すぐに失望に変わる。何度も繰り返していると、不安しかない。


 どこに行った。


 返信もないので、期待は消え、不安が増し、絶望感しかない。のどの渇きに気がついて、清涼飲料水を飲んで、ラベルのエマを見るが、気が晴れない。


 走ってもいないのに鼓動が速くなる。


 もう駄目だ。


 りりかをさがすのを止めて、帰宅した。

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