ビジュアルが異なれば、完全にロボット系ラノベになるやつ
今年のバレンタインデーの成果→自前で買ったチョコラングドシャ(税抜き68円)×4
設定や用語など、作中で気になる疑問があれば感想にてお伝えしていただければ、次話の後書きにてご質問にお答えしようと思いますので、ぜひ書いていってください。
悪魔系モンスター……神系モンスターやドラゴン系モンスターと並ぶ、強力な個体群の総称で、いずれも【悪魔憑き】という、冒険者の肉体と精神を乗っ取る凶悪なスキルを持っている。
そんな悪魔系モンスターの内の一体であるマルコシアスは強い上に、その外観は図鑑で確認する限り、狼に翼が生えたモフモフな外見をした、非常に俺たちの理想に近いモンスターだ。
「強さもそうだけど、体格的にカズサを乗せて空も飛べるはず。何より味方になれば、【悪魔憑き】がかなり心強いからな」
悪魔系モンスターをテイムした冒険者の動画によると、【悪魔憑き】には二通りの使い方がある。
一つは従来通り、敵モンスターに憑りついて肉体と精神を支配、最終的には取り込んで消化するという攻撃寄りの使い方。
そしてもう一つが、主である冒険者と一体化し、戦闘力を補助するという使い方。どんな敵が相手で、どんな場所でも腐ることのない良スキルである。
「場合によっては、【悪魔憑き】を使わずにマルコシアスとカズサで数的戦力を得ることもできる。そう考えれば、マルコシアスは理想的すぎるってわけ」
単独でも下手なドラゴン系や神系モンスターを一方的に倒せる強力な種類で、ビジュアルまで良いと来ればいう事がなさすぎる。
膨大な情報量の中からここまで的確に理想的なモンスターをピックアップ出来たのは、二村たちのおかげだ。二人とも動物は好きな方だし、無事にテイム出来たらモフらせてあげようっと。
「なるほどなるほど。いざ戦う時でも、戦闘力的に相手は格上ですしね。先に【魔王覚醒】を検証するっていうのは、納得です」
「戦闘力で並ぼうとするにしても、ちょっと時間が掛かり過ぎるからな。夏休みもあと半分で終わるし、出来る限り早くテイムしたい。最悪の場合、逃げればいいしな」
そういう訳で、俺たちは他の冒険者を巻き込む可能性が低い異世界の平原……海を一望できる崖付近へと来ていた。
威力の検証はゼル・シルヴァリオで既に実証済みなので、モンスターを相手にする必要はない。後はどうにかしてエネルギーゲージの消耗を押さえる使い方がないか……何もない宙に向かって試し撃ちをしながら、それを探る。
「とは言っても、だ。消耗を押さえるやり方には既に見当が付いてる」
「おおっ!? 本当っすか!?」
初めて【魔王覚醒】を使ったあの時、エネルギーゲージは攻撃を開始してから急激な勢いで減り始めていた。攻撃スキルの威力の上昇とインターバルの大幅短縮、そして同時に放てる数を自在に増やすのが俺たちの【魔王覚醒】の効果だけど、デメリットとして体力……俺たちの場合、エネルギーゲージを削る効果もある。
だがあの時は、実質インターバル抜きで千発同時発射を無限ループさせるという荒業をやっていた。何もしていなくてもジワジワとエネルギーゲージが削られていたけど、攻撃を開始した途端に急速に減少をし始めたのだ。
「これ、出現させる火縄銃の本数を減らせば、エネルギーゲージ減少に直結するんじゃないかと推測してるわけよ」
何かを消耗してはなっているのなら、量を減らしてやればエネルギーの節約になるのは当然。その仮説に基づいて、俺たちは【魔王覚醒】を発動させる。
毛先が紅蓮の炎ように揺れる銀色の長髪に、紅の角、水色の目を真っ赤に輝かせるカズサ。この状態から更に攻撃スキルを発動させるわけだけど……どうやって減らせばいいのか分からない。あの時はディザスターモンスターを倒すこと以外、何も考えずに使ったからな。
とりあえず、普通のモンスター相手に戦う分には、三千も三百も必要ない……二本の火縄銃がカズサの周りに浮かんでいるイメージを強く抱きながら【天魔轟砲】を発動させると、想像していたよりもあっさりと成功。火縄銃が二本、カズサを挟む形で宙に浮かんでいる。
(結構簡単にいきましたね。もっと難しいもんだと思ってました)
(まぁよくよく考えてみれば、スキルってイメージである程度操作できるからな)
【炎柱】とかがまさにそれだ。あれはスキル発動者がイメージした場所から火柱を上げるスキルだし。
しかもだ。こちらの予想通り、火縄銃の本数を減らせばエネルギーゲージの消耗を押さえることができるのも確認できた。この結果に俺は小さくガッツポーズをとる。
(で、ここから本数を増やしたり減らしたりは……できるな)
(でも増やし過ぎると、エネルギーゲージの減りが早くなりますよ)
火縄銃を二本から四本、八本、十二本と増やし、そこから八本、四本と火縄銃の数をイメージ通りに操作する。
だが八本や十本も増やすと、目に見えてエネルギーゲージの減りが早くなっているのが分かった。しかも照準は全てマニュアル……巨体相手なら適当に撃つだけでも当たるけど、すばしっこいモンスターが相手となれば、無駄撃ちを避けなければ自滅するのはこっちだ。
(しかも、カズサ自身の操作もあるしなぁ)
カズサを動かしながら複数の火縄銃も操作するには、相応の並列思考能力が必要になってくる。エネルギーゲージの消耗も考えて四本くらいまでならギリギリ行けそうだけど……試運転してみた結果、普段のパフォーマンスを発揮できていないのは明らかだった。
どうしたものかと悩んでいると、不意にカズサがこんな事を言う。
(これ、浮かんでる四本の内の二つくらいなら、アタシが動かせないっすかね?)
(…………試してみるか)
それが出来れば、【天魔轟砲】の四門連続発射を可能としつつ、最大のパフォーマンスを維持できるかもしれない。これまで行動や攻撃、全て俺が操作していたから、攻撃スキルの照準をカズサに任せる機会自体が無かったけど……果たして。
(……お、おおっ!? 動かせる! 動かせますよ、ユースケ!)
(マジか!?)
初めてのことだから動きはたどたどしい。視界の外にある火縄銃ならなおさらだが、それでもカズサの意思で動かすこと自体は出来た。実戦的な練習は必要になるだろうけど、それでも幸先は最高と言ってもいい。
試しに少し、何も無い中空にモンスターが居るものと仮想して攻撃を繰り返す。二振りの直刀を振らせながら、二本の火縄銃の照準合わせと発射に集中し、もう二本は完全にカズサに依存させる……感覚的には、マニュアル操作とオート操作、それぞれ二つのビットを操ってる気分だ。ロボットアニメとかでもよくある感じの……俺は観たことないけど、確かファ〇ネルだっけ? あれに近いと思う。
(イメージ操作だけでここまで自由度が高いとは……消耗が激しい分、【魔王覚醒】は俺たちが思ってたよりも強力なスキルかもな)
本来操られる存在であるカズサに、操作機能の一部を譲渡できるとは思いもしなかったし、まだまだ俺たちが想定していない使い方があるかもしれない。
(難点があるとしたら、インターバル短縮系のスキルやアイテムの効果を受け付けないってことですかね?)
効果が強力である分、エネルギーゲージの消耗以外にも制限がある。そのせいで、【魔王覚醒】のインターバルは二十四時間……解除してしまえば、ディザスターモンスター以外の敵にはもう使えないと考えた方がいいだろう。
(……それでも、総合的に見て大幅な戦力強化になった。この調子で、どんどん検証を進めていくぞ)
まだまだ攻撃スキルも残っている。これらが【魔王覚醒】によってどのように強化され、どのような運用ができるのか……今日のために買い貯めまくったエネルギーポーションをガンガン消費させながら、俺たちは新たなスキルの検証に没頭するのだった。
ご質問があったのでお答えします。
Q『19話で倒されたモンスターや宝箱は、ダンジョンが無人の状態にならないと復活しないし。
とあったのですが、相当の人数がダンジョンに入っていると思うのに誰もダンジョンにいない状態にしないと復活がないとすれば、周回とかするのまず無理なのではないでしょうか?主人公だけが貸し切り状態にでもしない限り』
A『戦闘力上げや踏破報酬が特別美味しいダンジョンでもない限り、頻繁に冒険者が訪れることはないんですよね。ダンジョンリフォームがあったとはいえ、花橋ダンジョンは19話当時はまだ話題としては弱いので、雄介たちは周回が比較的簡単に出来たという事ですね』
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