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ゲーマーなら一度はプレイするタイトルってあるよね

設定や用語など、作中で気になる疑問があれば感想にてお伝えしていただければ、次話の後書きにてご質問にお答えしようと思いますので、ぜひ書いていってください。


 ついに夏休みに突入した。宿題何かは答えほぼ丸写しによってすぐに終わらせ、後は残りの長期休みを自由に過ごすだけ。

 そんな宿題を終わらせた翌日、互いに携帯ゲーム機を両手に持った俺とカズサは向かい合うように座りながらボタンをポチポチと押していた。

 お互いゆっくりと、慎重に考えながらボタンを押し合う、技量に関わりのないゲームだが、平然としている俺に対して、カズサの表情は厳しい。


「これで終わりっすよ、ユースケ! 当たれぇええ‼」


 ゲーム画面に映る一匹のモンスターが巨大なエネルギー弾を発射し、対面に位置するモンスターに直撃する。俺の画面右下に表示されているモンスターの体力ゲージが一気に削り取られるが……体力ゲージの減少は残り4割ほどになったところでピタリと止まる。


「えぇえええええ!? ダメージ4倍の属性で攻撃したんじゃなかったんすか!?」

「くくくくくく……! このモンスターは耐久特化型に努力値を振っているのだよ! 返しの【かみまくる】でジ・エンドだぁああ!」

「にゃあああああああああっ!?」


 仕返しとばかりに反撃するモンスター。その攻撃によって、先制攻撃をしたモンスターの体力ゲージはギリギリのレッドゾーンにまで追い込まれた。本来なら一撃死するところだったんだが……アイテムの力で踏みとどまったか。


「あ、危なかったっす……アイテム持たせたおかげで助かりました。……ふっふっふっ! 残念でしたね、次のターンでこっちが先制して、今度こそアタシの勝ちっすよー!」

「何勘違いしている……まだ俺のパチギラスの攻撃は終わってないぜ……!」

「なーに言ってるんすか、攻撃は一ターンに一度だけ――――」


 そう言いかけた瞬間、フィールドに渦巻いていた砂嵐のダメージを受け、残り1ポイントで踏みとどまっていたカズサのモンスターの体力は全て吹き飛んだ。


「アタシのパチウツーがぁあああああ!?」

「はぁーははははははははぁー! 流石はパチギラス! まさに圧・倒・的ぃ!」

「もー1回! もー1回勝負っすよ‼」

 

 まぁ、事の始まりは大したものじゃない。

 テイムシールを手に入れた俺たちは、夏休みの目標の一つに理想となるモンスターの使役を加えて、どんなモンスターを使役するのかを話し合っていたのだが……いつの間にか話が脱線して、その流れでこのゲームをプレイして遊ぶことになったのだ。


 パチットモンスター。縮めてパチモン。1990年代に初代が発売された、ゲーム史上伝説のシリーズだ。

 モンスターを使役して友達と対戦したり交換したり出来るというのがコンセプトで、誰にでも出来る簡単な操作でありながら極めて高度な戦略を要求する対戦環境によって全世界で人気が爆発。魔王の出現によって一度は途絶えてしまったが、歴史にすら名を残したこのゲームは時代を超えて復活し、新たなシリーズを今も更新していってるのだ。

 復活した今でも人気は衰えず、コミカライズ化からアニメ化、映画化までも果たし、インターネットを通じて世界中のゲーマーたちが対戦に夢中になっている。


「おかしくないっすか!? 一匹しかいない伝説のパチモンとか言われてる癖して、どっかの牧場で大量繁殖させられたパチモンにやられるとか! レベルも同じなのに4倍弱点攻撃でも倒せないし!」

「ふっふっふっ……パチギラスこそ究極にして至高のパチモン。映画の主役パチモンだろうが、運営が贔屓にしているパチモンだろうが、戦略次第で皆殺しに出来るスペックを持っているのだよ……!」


 まぁ、それは殆どのパチモンでも同じなんだけどね。どんな弱いパチモンでも強いパチモンに勝てる仕様になってるから、このゲームの完成度は高い。


「ぬぐぐぐ……! このアニメの主役とか言ってるパチチュウなんて、何も出来ずに吹き飛ばされましたし……こんなんで一体何を為せるっていうんすか!?」

「いや、そいつはただのマスコット枠だから。パチギラス相手に真っ向勝負は無理がある」

「敗けっぱなしは性分じゃないっす! 今度はパチードン、パッチウガ、パーチバーンの三体でパチギラスをぶっ潰すっすよ‼」

「また運営が贔屓してるパチモンか。いいだろう、全員纏めてパチギラスさんのエサにしてくれるわ」


 そして三十分後。


「ぐふぅううう……! や、やられたっす……」

「はははははははは! やはりパチギラスこそ主役の座に相応しい!」


 床に突っ伏すカズサに向かって高らかに勝利宣言をする。

 念のために言っとくけど、カズサが使ったパチモンは全部俺が育てたのを貸した奴だから、戦力差にはそれほど開きは無かったはずだ。なので完全な素人潰しってわけでもない。対戦の定石とかも教えたしな。

 

「って、いい加減話を軌道修正をしよう。このテイムシール、どんなモンスターに使う?」 

「あー……そう言えば、そんな話でしたね。パチモンに夢中になって忘れてたっす」


 一度ゲームを始めると、他の事なんて忘れてしまうのがゲーマー。暇してる時は大抵俺や二村、八谷とゲームで遊んでるし、どうやらカズサもゲームの素晴らしさに夢中のようだな。

 何はともあれ、話を戻してテイムシールだ。丁度夏休みにも入ったし、今年の夏は仲間にするモンスターを見つけるのを目標にするべきだろう。


「個人的には強いモンスターをって、思ってますよ。いざ戦う時、頼りになるのは強さっすからね。それかサポート向きのモンスターとか」

「まぁ、当然だな」


 愛玩用、偵察用にモンスターを使役するパターンもあるけど、戦うためのモンスターを使役する冒険者が大半だ。戦力というのは多いに越したことがないし。パチギラスのような強いモンスターがいれば心強い。

 

「でも個人的には、空を飛んで移動できるモンスターというのも捨てがたいんだよな」

「あー……分かるっす」


 異世界に海がある以上、当然その先には陸がある。そして今現在でも、ゲートを通じていけない強力なモンスターが闊歩し、希少資源が眠る大陸が、海を越えたその先に存在していて、上位ランカーたちは皆そこで活躍しているのだ。


「あ、あと美波ちゃんにテイムシールのこと話したら、「モフモフした癒されるモンスターにして!」ってお願いされちゃいましたね」

「奴の要求は全て跳ね除ける」


 いや、まぁ……正直可愛かったり、モフモフしてたりするモンスターも捨てがたいけど。テイムシールに余りがあれば……。


「考えれば考えるほど悩むな……どうする?」

「んー……実際地球であれこれ悩んでても仕方ないですし、実際に現地に行って探してみるっていうのもいいんじゃないっすか? あ、それかモンスターの情報を集めてみるっていうのはどうでしょう? ギルドのホームページにも色んなモンスターの情報が載ってるんすよね?」


 冒険者は半年に一回くらいのペースでギルドに定期申告をするんだけど、その時に自分のスキルカードを提出して、これまで異世界で発見したモンスターやダンジョン、地形の情報を一斉にギルドに伝わるようになっている。

 それで集まった情報をもとに、ギルドはインターネット上でモンスター図鑑というものを編集、公開しているのだ。俺たち冒険者が事前にモンスター情報を知ることができるのも、こういったギルドの力があってこそだ。


「なにせモンスターの数って多いからな。今までは要所要所の情報ばかりを見てきたけど……テイムシールも手に入ったし、目的となるモンスターを見繕うとするか」


 ただし、それはまた後でだ。今日は別に用事がある。


「あ、チャイム鳴りましたね。二人とも着いたみたいっす」


 玄関から鳴るチャイムの音と共に立ち上がり、カズサと二人で玄関まで客人を出迎える。扉を開くと、そこには二村と八谷がいた。


「いらっしゃい、二人とも」

「お邪魔するよ」

「今日も暑かったですねぇ。ここに来るまでにかなり汗をかいてしまいました」

「クーラー効いてるっすよ」


 二村たちもすでに宿題を終わらせたらしく、今日は俺たち4人でちょっとしたゲーム大会だ。各自で菓子も用意したし、ジュースも用意した。あとはクーラーの効いた部屋の中でゲーム三昧……これが夏休みの正しい過ごし方って奴だろう。


「最近はお互い忙しくて遊べなかったからね。ソフトもたくさん持ってきたから」

「ふっふっふっ、今日は寝かせませんよ。朝までパーリィと洒落込みましょうか! ……って、それは流石に妹殿に迷惑ですね」

「いやいや、今日はマジで朝までパーリィできるぞ。美波は友達ん家に泊まりに行ったからな」

「もし泊りで遊ぶなら、晩御飯の買い出しに行かないとっすね」


 階段を上がってクーラーの効いた俺の部屋に戻ると、カズサは携帯ゲーム機片手に二村をビッと指さす。


「今日のアタシは勝利に飢えているっすよ。まずは二村さん、パチモンでアタシと勝負っすよ!」

「九々津氏からパチモン始めたって聞いてたけど、同好の士が増えて嬉しいよ。それじゃあ、お手柔らにお願いしようかな」


 おっと。俺に負け続けて勝利に飢えたカズサが、一番勝率の低い相手に挑みだしたぞ。


「世界大会で優勝経験があるパチモントレーナーの二村殿に挑むとは……カズサ殿、なんて命知らずな」

「相手のパーティ見ただけでパチモンの育て方から技構成まで見抜く変態だからな……俺らでも勝率3割なのに」


 俺と八谷はアクション要素の強いゲームが得意なのに対し、二村はRPG……特にパチモンに関しては滅法強い。パチモンは世界的なゲームだし、ゲーマーとしての知名度なら二村が一番上だと思う。

 

「あ、あり得ないっす……レベル1のパチモン三匹に、伝説のパチモン三匹が負けたんですけど……」

「お疲れ。超強かったろ、二村」


 俺と八谷が対戦をしてると、カズサは信じられないといわんばかりの表情で俺を見てくる。どうやら凄いボコられ方をされたらしい。 


「カズサ氏は基本に忠実すぎるね。こういうゲームでは時にギャンブルを挑んだ方が相手を翻弄できるよ」

「でもあと少しで勝ててました! つまりこの調子で続けていけば、アタシにも勝てるって事すよね!」

  

 あれだけの負けっぷりだったのに、カズサは逆に燃えているようで、意気揚々と諦め悪く俺たちに挑む。

 廃人って呼ばれるくらいゲームをやり込んでいると、実力差があり過ぎて萎えるって逆恨みみたいなことを言ってくるプレイヤーとは度々出会うけど、カズサはその逆なんだよな。勝っても負けても楽しそうだし、諦めも悪いから色々と教えて廃人の仲間入りをさせたくなる。


「そういや、最近二村たちも忙しそうだったけど、なんかあったの?」


 俺とカズサがこうして二人と遊ぶのは数週間ぶりだったりする。俺たちが冒険の予定があったのもそうなんだけど、二人は二人で予定があったらしく、互いに時間の都合がつかなかったのだ。


「んー、将来に関することで勉強しててね」

「勉強? 大学受験か?」


 意外かもしれないけど、この二人は廃人ゲーマーの癖して「いつ勉強してるの?」って言いたくなるくらい頭が良い。正直言って、学力の面では間宮高校みたいなバカ校に通ってるのが不自然なレベルだけど、そこは二人してゲームに時間を割きたいというのが理由らしい。


「受験もそうですが……九々津殿たちは、プロ冒険者になるつもりなんですよね?」

「まぁ、そうだけど」


 やけに真面目な視線を向けてくる二人に、俺もカズサも思わずゲーム画面から視線を外す。


「じゃあさ……二人は自分たちでクランを結成するつもりはある?」

 

ご質問があったのでお答えします。


Q『これって強化槌って1回しか使えないんですかね?もし何回でも使えるならブレスレットやマフラーをもう1個作って雄介に装備させればいいのでは?』

A『強化槌やスキルオーブは使い捨てのアイテムで、一度使えば無くなってしまいます。【アイテム強化】の効果でも、使用回数が増える代物じゃないんですよね』


Q『スキルカードは人間にしか使えないんですか?ペットなどに使って、オーブで頭がよくなるスキルを覚えさせればテイムより簡単にできるのでは?』

A『作中で明言する予定がないのでこの場でぶっちゃけますけど、実はスキルカードを宿せるのは人間だけなんですよね。世界中で軍用犬などにスキルカードを使って戦力にしようという動きは当然あったのですが、反応が無かったんです。その原因は作中世界では追求中ですが……原作者として答えを言わせてもらうと、スキルカードを使うことで魔力を宿すといいますが、厳密には肉体に元々秘められていた極小の魔力を増大させ、生物の限界を超えた肉体強度を与え、スキルを覚えられる体に作り替えるマジックアイテムなんですよね。その使用上、カードを宿すには体内に僅かでも魔力がないとダメなんですが、地球に生息する生物で、魔力を持っているのは人間だけなんです』


Q『ガチ勢とエンジョイ勢・・・ニュアンスで何となくわかりますが、双方の違いを具体的に教えてください。あと他に○○勢とか○○派と○○主義なんてのもあるのでしょうか?』

A『ガチ勢は冒険者業を生活の糧としつつ、冒険者としての地位向上や強さを追い求める面々。エンジョイ勢は小金や肩書欲しさに推奨戦闘力の低いダンジョンや在野で取れる資源や雑魚モンスターを主に狙う面々と言ったところでしょうか。ルール上で明確な区切りがあるわけではないんですけどね。冒険者も当然色んな人種がいますから、色んな派閥や思想、主義を持つ面々がいますね。例えば、エンジョイ勢を自分の損得の為だけに冒険者のイメージを下げる不届き者と扱う思想団体とか』


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― 新着の感想 ―
[一言] もう今更リクエストなどしても意味がないのは分かっているが・・・服だけを溶かすスライムか、ぬめぬめした触手を持つ何かをテイムしてほしい。 とくに用途はないが。用途はないが。
[一言] 一度世界が滅んでいるのに数十年で現代以上のゲーム文化が存在していてたくましい人類だ
[一言] パチモン! 大阪弁で「パチモン」ってゆうたら、「にせもん(偽物)」のことや。 「これ、ロレックスのパチモンやねん。メイドイン、チャイナやで!」って使うけど、 ポケモンのにせもんやから「パチ…
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