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闖入者が現れた理由は、後々お話しするのでお待ちください

設定や用語など、作中で気になる疑問があれば感想にてお伝えしていただければ、次話の後書きにてご質問にお答えしようと思いますので、ぜひ書いていってください


 それにコイツは、東京に現れた魔王ほどの戦闘力はないはずだ。件の魔王は当時の人類の最高戦闘力100万の英雄によって、死闘の末にようやく倒せた強さだという。いくら魔王と名乗っていても、それに比べればまだ大したことない……カズサと一緒ならそう思える。


「この程度では貴様らの魂は砕けぬか」

「当然っす。まだまだ、いけますよ」


 互いの隙を読み合う膠着状態だからこそ許された、戦闘時における会話。行動全てを俺の操作に委ねているカズサは何気なく喋ってるけど、こっちはそれどころじゃない。

 次は一体何をしてくる……? どう立ち向かう? 信長の一挙手一投足、スキル発動の予兆を見逃さないように注視しながら、攻略方法を頭に思い浮かべる。


「意気や良し。ならば、このような絶望はどうだ?」


 突如、信長を中心に薄っすらとした紫色の光が広がり、ホログラム画面は一瞬だけ紫で塗り潰された。

 ノーモーションで発動するスキル……! でも一体何をしたんだ……!? 自己強化のスキル? それとも……。


(きますよ、ユースケ!)


 ドガガガガガガッ! と、火縄銃の銃口から赤黒い弾丸が掃射される。

 まるでバスターモードでの連射を彷彿とさせるけど、その威力は間違いなく信長の方が上だろう。俺は信長を中心として、円を描くようにカズサを走らせ続けた。

 どれだけ連射力に長けていても、基本的に射撃の軌道というのは真っすぐだ。銃口の正面に立たなければ当たることはないし、ブレスレットに秘められた【神速】のスキルによって、ギリギリ信長の攻撃に対処できるようになっている。……まぁ、それも何時までも持たないけど。


「逃がさぬ」


 それを見た信長は自分の周囲を薙ぎ払うように一回転しつつ刀を振るうと、刀に纏っていた黒紫色の電流が、飛ぶ斬撃となって迫ってきた。  

 あのスキル、あんなこともできるのか? それとも何か別のスキルの併用……いや、考えても仕方ない。

 俺は左スティックを倒しながら×ボタンを押し、カズサを前に向かって跳躍させることで、斬撃を回避すると同時に信長との間合いを詰める。


「うつけめ……そのスキルは先ほど見たわ」


 今度は隙もない火縄銃による連射で空中にいるカズサを迎え撃つ信長。地上とは違い、空中では避け辛い攻撃。【ミラージュステップ】と併用しながら連射で相殺を狙ってみたけど、それでも何発も喰らってしまう。

 連続ジャンプができるスキルをすでに見せてしまっているから、何らかの対処はしてくるとはしてくるとは思っていたけど、何も無計画で跳んだわけじゃない。

 弾丸を浴びながらも、二回目のジャンプで更に距離を詰める。一発食らう度に体力ゲージが洒落にならない削れ方をしてるけど、そこは大量に買い込んでおいた回復アイテムでカバーだ。


(【ゲージシステム】ありきの特攻をしてでもダメージを与えなきゃ話にならねぇ)

 

 デュエルやドラゴニュートなどを通して分かったけど、人型の敵はギガントモンスターの様に攻撃を当てること自体は容易な相手とは訳が違う。隙が少ない分、アイテムに余裕がある限りは、多少の賭けに出ないといけない相手だ。

 グングン縮まっていくカズサと信長の距離。すると、信長が持つ火縄銃の銃身に赤黒い電流が迸ったのが見えた。 


(砲撃のスキルがきますよ!)


 それは言われるまでもなく、【窮鼠の直感】が教えてくれた予兆だ。あんな高火力スキルが、こんな短時間でインターバルを終えるなんて……!


(だが、甘い!)


 信長にはまだ見せていなかった、三回目のジャンプと共に【ミラージュステップ】と【ブースト】を発動。真っ向から向かってきた極大光線を透過で掻い潜りながら、最高速で信長に迫る。

 完全に間合いの内側に捉えたぞ……! 三回目のジャンプに加え、超加速スキルも持っていたことにさすがの信長も驚いたのか、目を瞠っている。

  

「スキルとは実に面妖よな……が」


 それでも、信長の戦闘力なら刀で迎撃が出来てしまう。だがそれでいい。この至近距離で近接攻撃を仕掛けさせることが狙いだ。

【ノックバックカウンター】で大きな隙を作って大ダメージを与えてやる……そう思ってガンブレードで刀を迎え撃たせたのだが――――


「がっ……!?」


 吹き飛ばされたのはカズサで、信長は仰け反るどころか怯みもしなかった。

 逆に吹き飛ばされたことで削られた体力ゲージを回復させながら、火縄銃で追撃しようとしてくる信長を【炎柱】と【鉄槍】でダメージを与えると同時に妨害する。


「ぐむ……っ」


 僅かに苦悶の声を漏らす信長に、俺は内心でガッツポーズをとる。キモウサギでも確認できたけど、やっぱり戦闘力に大きな差があっても、威力の高い魔法攻撃は有効なんだ……!

 でもどういうことだ……? タイミングは完璧だったはずなのに、カウンターが決まらなかった。単なる操作ミス……?


(いや、まさか!?)

 

 信長が怯んだ僅かな隙に再び体勢を立て直させると、俺はカズサのスキルカードを確認した。


(【ノックバックカウンター】の横に(LOCK)の表示……まさか、封技の状態異常か!?)


 モンスターによる特殊なスキルによって、冒険者のスキルが一時的に使えなくなる状態異常だ。考えられる原因は信長が放った紫色の閃光だけど……封じられたスキルの数が異常だ。

 大抵の場合、封じられるスキルは一つだけ。にも拘らず、信長は【ノックバックカウンター】の他に、【ポイズンヒール】に【空中殺法】、【コスチュームチェンジ】に【不壊の担い手】、【リジェネ】と【会心の瞳】の六つものスキルを封じてきやがったのだ。

 

(あ、危なかった……!)


 もし封じられたのが【ミラージュステップ】だったら、カードを確認できてなかった俺のミスでとっくにやられてた……!

 喰らったことがない類の攻撃だから分からないけど、封じるスキルはランダムなんだろう。有用なスキルを三つも使えなくなったのは痛いけど、装備品を含めたそれ以外のスキルは封じられていない。絶望するには早すぎる……!


「九々津ぅううううううううっ‼」


 その時、聞き覚えのある声で叫びながら、一人の冒険者が山門から現れて、カズサを背後から斬りつけようとした。驚きながらも難なく回避することは出来たけど、その正体にすぐにまた驚くことになった。


(し、新藤!? 何でここに!?)


 ダンジョンの出口が破壊される前から入ったのか……襲撃者の正体は、いつの間にか仏寺ダンジョンに居た新藤だった。

 明らかにモンスターである信長ではなく、カズサ……正確にはカズサの中に居る俺に敵意を向けてくる新藤。どうしてコイツがここに……? 


「ちょ!? こんな時に何するんすか!? 今はボスモンスターと戦闘中で……!」

「黙れ! 黙れえええええええ‼ お前のせいで、お前のせいで、俺はあああああああ‼」


 一体何があったのか分からないけど、明らかに冷静さを失っている。とても助っ人として期待できないし、死なないように手加減した蹴りで気絶させながら安全圏まで吹き飛ばすか……!?


「不倶戴天……我は神仏衆生の敵である」


 その時、画面に捉えていた信長から、【窮鼠の直感】が不穏な気配を感じ取った。俺たちにとって、明らかに都合の悪い事が起こった嫌な予感。この時、情報を少しでも集めようとダメ元で【天眼】を使ったのは、間違いではなかったと知ることになる。


(奴の戦闘力が、3000くらい上がってる……!?)


 突然のパワーアップに驚く暇も与えてくれず、信長の頭上に黒い太陽のようなものが生み出されていた。

 ベルトに秘められたスキルが、これまでとはレベルが違う警鐘を鳴らしまくる。避けられない、防ぎようがない、解き放たれれば間違いなく死ぬって。

 新藤を無視して信長に向かって【烈風爪】を放ち、銃撃を連射するけど、通用しない。妨害の攻撃は黒太陽が放つ熱波に耐え切れずに霧散して――――


「死ね」


 黒太陽が際限なく膨張し……寺院も、山門も、石階段も、カズサたちも、ホログラム画面に映るもの全てを黒く塗り潰した。


タイトル通り、新藤が現れた理由に関しては後々お話しします。ちゃんと経緯があるので。

ともあれ、ご質問があったのでお答えします。


Q『信長世界の全てを灰燼に帰さんとか言ってる割には戦闘力低くね?』

A『スキルで見た限りの戦闘力だけを見ればその通りですが、信長は世界を敵に回しても勝てるだけの力を持っています。その一端は次話にてお答えしますし、ご要望があれば信長のスキルの詳細を、信長戦後にでもお教えします。すぐに教えると、ネタ晴らしになってしまいそうなので』


Q『強化槌って木偶人形には使えないんですか?』

A『【アイテム強化】の力か、それ以外の要因なのか、今のカズサは人間に近い身体構造をしています。それによってカズサは装備品という枠組みから外れてしまっていて、スキルを得るには強化槌ではなくオーブを使わないといけないんですよ』


Q『若返りの飴、時価1億だと激安価格じゃないでしょうか?その程度の価格だと購入出来る人山ほどいるだろうし、普通に考えてその程度の値段では済まないと思うんですが』

A『若返りの飴で若返る年齢って、物にもよるんですけど殆どが1~3歳なんですよね。当然中には10歳くらい若返られる飴もあるんですが、世界中の冒険者が探し回っても数える程度しか見つけられていません。なので1億というのは、1~3歳若返る飴に対する値段で、これでさえ殆ど見つからない代物だと思ってください』


Q『アイテムマスターが若返りの飴を使ったら不老になったりしないか?効果が強過ぎて赤ちゃんになったりしないよね?不老ならダンジョン攻略に興味のない人には逆に神ジョッブなんじゃないか?』

A『物にもよりますが、アイテムマスターが使うことで本当に赤ん坊になってしまう若返りの飴もあります。ですが1億なんて値段を、果たして雄介のような特殊な境遇にあるアイテムマスターに変えるかどうか』


Q『質問なのですが、括弧()内のセリフは念話でお互いにしか聞こえてないという認識でよいのでしょうか?そうなるとカメラは音声拾ってないということになると思いますが、今まで描写されているガチ戦闘時は基本念話で、アップロードする動画の臨場感がいまいちになるのでは?と思うのですがどのような感じになってるのでしょうか』

A『()内の文字が念話であるという認識は正しいですね。ただし雄介の場合、()内のセリフも口に出しているパターンが結構多いです。一応、カズサの外側に発せられる音声と湧ける意味でも()のままにしてますが、分かりにくくてすみません。動画の臨場感に関してですが、戦闘中に悠長にトークできる冒険者というのはまずいません。殆どの冒険配信者たちは音声を後付けにしたり、テロップを付けたりした動画を配信しますね。雄介たちの場合、カズサの雄叫びや雄介が洩らす声、戦闘用のBGMや後付け音声、字幕で臨場感を出してると思っていただければ』

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プレイヤー増えたから難易度アップか。
[気になる点] 100万は少なくね?他人のも使えるのだから国家で買いまくって育成してそうだけど。戦闘力1のレート万超えなそうだし [一言] 独裁者どもや富豪ランキングとかいろいろ見るに1年のでも数…
[一言] 「この程度では貴様らの眼は砕けぬか」 「貴様ら」てありますけど、ユースケを感知してるんですか?
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