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戦闘力たったの5の民間人を見たら、あなたはどう思いますか?

設定や用語など、作中で気になる疑問があれば感想にてお伝えしていただければ、次話の後書きにてご質問にお答えしようと思いますので、ぜひ書いていってください。


 スキルを新しく覚えるのではなく、元々あるスキルを強化する……そのやり方をこんな形で出来るとは思いもしなかった。多分、このことは俺たち以外誰も知らないんじゃないか?

 基本的に特定のオーブや強化槌は(忌々しい物欲センサーでも働かない限り)狙って手に入れることができないし、市場に出ることも滅多にない……これが出来るならいろいろと試したいことも出てくるな。


(それにしても、よく誰も気付かないものっすねぇ)

(まぁ、アイテムマスター自体は結構珍しいし仕方ないだろ。確か、一つのギルドに一人いれば良い方っていう割合らしいし。十七支部みたいな大きいギルドなら結構居るらしいけど)


 スキルカードが発見されてから長い年月が経っているけど、科学的に解明できないことが多々ある異世界の産物なだけに、実は俺たち人類は異世界のメカニズムを殆ど分かっていない。

 そういった事を研究する冒険者チームもあるとは聞くけど……正直、そこら辺はあんまり興味ないな。こちらとしては問題無く強くなれれば言うことないし。


(……もうちょい試してみるか)


 今度は無毒のスキルオーブを二つ作ってそれらを調合。【ポイズンヒール】を習得できる回毒のスキルオーブを作り出して使ってみたんだけど、こっちは弾かれてしまった。

 どうやらこのスキルは、これ以上強化されないらしい。多分、毒への耐性としては最上位に位置するスキルだからだろう。


(よし、じゃあもう片方も使っちまおう)

(はーい)


 後は強化槌だ。早速グレードアップしたスキル、【天眼】で早速詳細を確認してみる。


 ―――――――――――――――――――――――――

 品種:岩槍(がんそう)の強化槌

 装備品の強度を上げ、自身の前方に向かって大きな岩の槍を放つスキル、【岩槍】を付与できるオーブ。

 ―――――――――――――――――――――――――

  

 アイテムの詳細を鑑定する時は、特に変化はないらしい。まぁスキルの説明にも特に言及されていなかったし、そこは別にいい。

 今気にするべきことは強化槌で得られるスキルだ。どうやら地属性の魔法攻撃スキルみたいだな。説明のニュアンスから察するに、魔法攻撃というよりも物理攻撃っぽいけど。


(よぉし、早速マフラーに付与しちゃいましょう!)


 特に拘りがあるわけじゃないけど、魔法攻撃スキルはマフラーに付与するようになっている。こちらとしても、ただのマフラーどこまで強く出来るのか気になるし。

 手に持って「マフラーに使う」と念じると、強化槌が光の粒子となってマフラーに吸い込まれる。それを確認し終えた俺は、早速【天眼】を発動した。


 ―――――――――――――――――――――――――

 品名:四聖のマフラー

 炎、雷、氷、地の属性を宿したマフラー。首に巻くだけで四属性への耐性を得る

《装備スキル》

 ・爆雷

 ・炎柱

 ・絶氷

 ・鉄槍

 ・四聖の守り

 ―――――――――――――――――――――――――


 どうやら【アイテム強化】の効果で【岩槍】はより強度と貫通力が高まったスキル、【鉄槍】に変化したらしい。

 早速ダンジョンから出て、そこら辺の雑魚モンスター、ランイーターで試し撃ち……と言いたいところなんだけど。


(モンスターの戦闘力や生態を見れるスキルになったって言うからな……どんな風に見れるのか、先にそれを試してみよう)


 森の中を駆け回り、大樹の枝から枝へ飛び移りながら移動していると、下に手頃なランイーターを見つけたので、さっそくスキルを使ってみる。


 ―――――――――――――――――――――――――

 種族:ランイーター

 戦闘力:15


 野に多く生息している爬虫類型のモンスター。食性は肉食で、主に集団で行動をしながら狩りをしており、温厚な草食動物などを主食としている。自分よりも弱い生物には強気な半面、強大なモンスターを見かけるとすぐに逃げる一面も。

 ―――――――――――――――――――――――――


(戦闘力たったの(1)5……ゴミめ)

(さっきまでランイーターより弱かったのに、よくまぁ)

(今は俺の方が圧倒的に強いし)


 ドラ〇ンボ〇ル読んだことある奴なら誰だって、戦闘力がたったの5しかない奴を見かけたら、自分の事は全力で棚上げして「ゴミめ……」って思うだろ。

 何はともあれ、俺たちは生態情報も見れるスカ〇ターを手に入れたも同然……戦闘力もバッチリ上げられたことだし、家に帰って美波に使って、アイツの戦闘力が5だったら鼻で嗤ってやろう。


(それじゃあ早速使ってみましょうかね、新しい攻撃スキル!)


 改めて【鉄槍】の試し撃ちをしてみると、カズサの真横から鉄の槍が出現したと思ったら勢いよく発射されて、遠くにいてまだこちらに気付かれないランイーターを貫き、地面に深々と突き刺さった。

   

(威力は結構ありそうに見えるな……扱いやすさも上々だし、これは当たりだな)


 しかしこうなると、風属性の攻撃魔法スキルも手に入れて、五大元素をコンプリートしたくなるな。氷だって水の一種だし、空の属性も雷と似たようなもんだし。

 オーブを手に入れるなら、出現率的にも効率的にも花橋ダンジョンが良さそうだし、戦闘力を上げるついでにまた立ち寄ってみようかな。


(あ~、でも対人戦の練習もやっておきたいんだよなぁ)

(何か出来ることが増えてくると、活動方針がブレてきますねぇ)


 元々、俺たちはその為に竜山ダンジョンに来たといってもいい。

 事前に調べた情報で、ドラゴニュートは個体によって違いはあれど、【剣術】や【槍術】、【斧術】といった武芸スキルを標準装備している、近接系の冒険者に極めて近い戦い方をするってことは知っていたし、対人戦の練習台としてはここが一番手頃だった。

 全てはユース王決定戦に備えてのこと……少しでも冒険者を相手にする戦いを知るためだ。

 千堂と百瀬に相手してもらうっていうのも考えたんだけど……包み隠さず悪い言い方をすると、ちょっと戦闘力に差があり過ぎて……ねぇ?

 

(それにしても、審査が通ってよかったっすね。アタシがルールに抵触してたら参加どころじゃなかったっすよ)

(それは言えてる)


 ユース王決定戦。新人王決定戦とも言えるこの大会では、参加者全員に対して一試合毎に【スケープバリア】という、ダメージを肩代わりする魔法スキルを三枚掛けにする。

 この【スケープバリア】っていうスキルは、自身、または味方に付与することで一枚につき一度、どんな攻撃でも肩代わりしてくれるバリアを張るレアスキルなんだけど、冒険者同士が戦う興行でも広く活用されている。

 普通に考えて、流血とかお茶の間に見せられないしな。むしろ【スケープバリア】が無かったら、冒険者業は興業になり得なかったかもしれない。

 ようするに、冒険者同士の試合っていうのは、相手に一定回数攻撃を当てればその時点で勝利。今回の大会の場合なら、三回当てれば勝ちだ。

 あとの大まかなルールといえば、装備品は自由で、【スケープバリア】を無効、もしくは貫通するようなスキルは禁止、そしてアイテムは一試合に付き一つだけ使えるというもの。

 色々と運営に質問してみたところ、カズサはアイテム扱いとなるので出場自体は問題無いんだけど、その代わりにカズサ以外のアイテムの使用は出来ないことになった。ちなみにテイムシールで使役したモンスターに戦わせて支援に徹するという冒険者も同じ扱いになるらしい。


(まぁ、新しいスキルは大会の方でも役に立つし、いっちょ取りに行こうかね)


 装備品の強化は、単にカズサの戦闘力向上だけが目的じゃない。

 アイテムマスターやスキルカードを宿していない一般人はスキルこそ覚えないけど、装備品に秘められたスキルを発動すること自体は出来る。もしも俺一人でモンスターと戦わなきゃならなくなった時や、地球にモンスターが現れた時、自衛の手段として色々と役に立つのだ。

 ちなみにスキルの効果は戦闘力に依存するんだけど、最低限モンスターにダメージを与えたり、逃げるだけの効果があることは結構有名だ。冒険者でもない金持ちが自衛の術として携帯していることもざらにあるらしい。


(とりあえず、今日のところは引き上げるか。地球に戻ったら、店でスキルオーブを物色するとしよう)

(お金も結構貯まりましたもんね。良いのがあるといいんですけど)


 竜山ダンジョンから出た俺たちはそのままゲートへと向かいながら、今後の方針を話し合い続ける。

 大会の日は、刻一刻と近づいてきていた。



ご質問があったのでお答えします。


Q『すいません毒無効スキルを持っているのに何故無毒のスキルオーブを使えるのかがいまいち理解できません。アイテムマスターを使うと弾かれないんですか?』

A『【アイテム強化】スキルの力によって、無毒のスキルオーブが上位互換のオーブとして扱われたからです。【アイテム強化】はユニークスキルなので、アイテムマスターが使うと弾かれないというのも間違いではないです』


Q『アイテムボックスって地球産の物とか入りますか?』

A『入りますね。携帯電話だろうがバイクだろうが入ります。ただ自動車並みの大きさとなると無理です。目安としては、成人男性と同じくらいのサイズまでなら入ると思います』


Q『調合レシピって決まっててこういう風にスキルオーブを合成出来るって広まってるなら自分で取ってきてマスターに合成してくれって冒険者はいないのですか?前に大量に拾ったスキルオーブ全部合成すれば5段ジャンプとかにならないかな?』

A『やろうと思えばできるんですよ。ただ宝箱に入っているアイテムは基本ランダムで、確定報酬としてスキルオーブが手に入るダンジョンでも、どんなオーブが手に入るかは開けてみなければわかりませんから、同じオーブを手に入れるのは凄く苦労するので割に合わないんですよね。理不尽な物欲センサーが働かない限りは』


Q『スキルカードは合成できないんでしょうか? できたとしてもただの足算?』

A『実はその通りです。合成しても意味がない……精々持ち運びの際に嵩張らない程度の結果しか生まれないんですよね』


Q『格好つけ進藤は脆いだろうなと思っていたけど荒れすぎで心配。戦闘力800に払われた女子の手って原型留めているのだろうか?』

A『無意識に加減したと思っていただければ。新藤は根が狡いですからね』


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― 新着の感想 ―
[一言] 誤字? 戦闘力たったの(1)5…… なぜ1にカッコが・・・?
[一言] ドラ〇ンボ〇ル…… 250年以上前の作品なので、ちょっとした古典文学ですねぇ(^_^;)
[気になる点] アイテムボックスの容量の判断って表面積、体積どっちですか?重さにも制限はありますか?
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