表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

127/138

荒野を駆けると口笛を吹きたくなるのはとあるゲームの影響

設定や用語など、作中で気になる疑問があれば感想にてお伝えしていただければ、次話の後書きにてご質問にお答えしようと思いますので、ぜひ書いていってください。


 ゴヒュゥウウウウ……という耳の奥まで響く風の音が、絶え間なく鳴り続ける荒野。

 辺り一面には風で削られた細長かったり、下の部分だけやけに細かったりと、様々な形をしたレンガのような色合いの奇岩が並んでいて、よくよく見てみればモグラくらいの大きさをしたリスっぽい異界生物が巣穴をほって生活している。

 ここはB大陸。A大陸のような緑あふれる自然とはまた趣が違う、岩の大地が広がる場所だ。

 

(こうもヘンテコな岩が一杯あって、真っ赤な地面が広がってると、あんまり殺風景に見えたりしないのが不思議っすね。木なんて一本もないのに)

(地球で言うところのグランドキャニオンみたいな人気もある場所だからな。ここの写真は人気らしいし)


 異世界には、宝石のように輝く結晶が無数に形成された洞窟とか、カグヤさんのダンジョンにある光る桜吹雪。氷と水で出来た虹の掛かる城など、とにかく派手な風景が至る所に存在し、そう言った地球じゃ絶対に生で見れない光景の写真が人気を博しているが、こういうどこか物哀しい不毛の大地の光景もまだまだ需要がある。

 

(しかもあれは今、ペットとして人気のグランマウスっていう奴だったか? B大陸はあぁいう可愛い系の小動物が多いし、爬虫類系の異界生物の宝庫なんだってさ)

(へぇ~……クラスの子が可愛い異界生物をペットにしたいって盛り上がってましたし、後で動画撮らせてもらって良いっすか?)

(用事が済んだらな)


 今日、俺たちが遠く離れたB大陸に来たのには理由がある。ずばり、新しいスキルを手にする為のダンジョン攻略だ。

 

(海外のゲートから行ける、A大陸以外の場所にあるダンジョンにしか手に入らないオーブや魔法の装備も多いからな。その為にわざわざ飛行機に乗って日本を出たんだからな。目的を忘れるなよ?)

(分かってますって。それで、なんて名前でしたっけ? 新しいダンジョンの名前)

(B-54ダンジョン。日本のと比べて、名前のつけ方がスマートだよな)

 

 というか、海外のダンジョンの名前は大体こんなんだけどな。大陸を表記するアルファベットと番号で、日本の吉備ダンジョンみたいな名前の付け方の方が珍しい。

 異世界に関する取り決めがまだ出来ていなかった頃の名残らしいけど、まぁそこは今はどうでも良いだろう。

 

(幸い、E大陸は異世界の中心部。どの大陸からでも行けるから、戦闘力上げも出来るしな)


 とは言っても、あくまで平面の地図表記した上での話だけど。アイゼンさんたちの拠点はA大陸側にあるから、合流にはちょっと時間かかるし。

 ちなみに旅費などに関しては、全てギルドが肩代わりしてくれることになった。魔王装備所持者の成長のための投資なんだとか。正直、今の俺からすれば大した出費でもないけど、貰えるものは貰う主義だ。

 

(それじゃあ、取りに行くか。【サーチ】スキル)


 今回の俺たちの目標は【サーチ】。それが宿るオーブないし、魔法の装備だ。

 これは目に見えない場所に言えるモンスターや、視覚からの攻撃を察知することが出来る常時発動型スキルで、一見地味に見えるけど、このスキルさえあればモンスターからの不意打ちを防げるだけじゃなく、逆にこちらから奇襲を仕掛けやすくなったりもする。

 この利便性もあって、ランカー御用達のレアスキルだ。しかも俺には【アイテム強化】スキルもあるから、更なる性能も期待できる。

 

(よーし、行きましょう!)


 砂塵吹き抜ける荒野にカズサの明るい声が響く。全く未知の場所も恐れない彼女の姿が後押しにしながら、俺は左スティックを前に傾けるのだった。


   =====


 巨大な奇岩と奇岩との間を跳躍し、高速で駆けるカズサの姿をホログラム画面越しに眺めながら、コントローラーを手足の延長のように半ば無意識化で操作していく。

 スマホに映し出される位置情報からすると、この調子ならB-54ダンジョンまでそう掛からないだろうが、それでも一~二時間はかかりそうだ。


(そう言えば、あの鍵に関して何か分かりました?)

(いや、まだ何も聞かされてないな)


 そんな時に持ちかけられる会話に即座に乗っかる。俺たちの間で鍵といえば、砕けた新藤の体から見つかった、あの鍵の事だ。

 

(魔王と何らかの関係を持った新藤の体から見つかったものだから、何かあるかと思って期待してるんだけど……少なくとも、【天眼】じゃ何も分からなかったからなぁ)


 当然、俺は即座にどんなアイテムなのか鑑定しようとした……んだけど、何も分からなかったのだ。


 ―――――――――――――――――――――――――

 品名:?????

 ???????????????????????????????

(スキル【天眼】では情報を引き出せません)

 ―――――――――――――――――――――――――


(まさか、鑑定系のスキルで詳細が分からないアイテムがあるなんてなぁ)


 鑑定が失敗した時は驚いた。見ればどんなマジックアイテムでも詳細が分かると思っていたスキルだったし、鑑定を弾くアイテムがあること自体驚いた。そんな話は聞いたこともない。

 だからこそ、余計に魔王に関する代物だっていう可能性が高い。かつて信長と戦ったダンジョンに入るための鍵であった黄金のゼンマイも、鑑定自体は出来ても用途不明のままであり続けた。

 そう考えたのはギルド側も同じだったらしく、鍵の詳細と、挿すべき鍵穴がどこにあるのか、それは国連と合同で調査することが決定し、今鍵は俺たちの手元にはない。


(鍵がアタシたちの元に現れた理由って、やっぱりアタシ自身に関係してるんですかね?)

(確証はないけど、多分そうだろうな)


 新藤を人形として蘇らせた魔王と、カズサを木偶人形として蘇らせた奴が同一なら、俺たちがカギを手にしたのを偶然と言い切るには違和感しかない。

 つまり魔王は、俺たちに鍵を届けて何かをさせようとしていたという事だ。それは何かと考えれば――――


(準備しないとっすね。次の戦いは、すぐそこまで迫ってきてます)


 確証はないが、確信がある。そんな考えを共通しながら、俺たちはより一層気を引き締めるのだった。



面白いと思っていただければ、お気に入り登録、または下の☆☆☆☆☆から評価ポイントを送って頂ければ幸いです

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ