視点を変えればヒーローとヒロイン的な二人 ②
作者である僕の学の無さが小説を通じて全世界に配信されてて大草原www。理系読者様たちによって台風の重要性とか、超新星爆発は地球じゃ起こらないとか、色々とご教授いただきました。
というわけで、設定の変更をさせていただくことになりました。頂いたご感想を参考に、新たに改稿しておきますので、読者の方々にはご不便をおかけしますが、またご確認していただければと思います
翌朝。一晩色々と考えて、俺も一つの決断を下したことを三人に話した。それを聞いたアイゼンは、少し逡巡するかのように瞼を閉じる。
「そうか……ではお前たちも、事態を解決するために戦うことを決めたというのだな?」
「はい。この事はカズサにも話して、一緒に戦ってくれるって言ってくれてます」
二人が話した内容に嘘はないと、俺も判断している。嘘を吐く理由もないし、実際にディザスターモンスターと戦ってみれば説得力がある。
逃避してもどうしようもない……俺たちは、現実を真っすぐ見据えて戦うしかないんだ。
「それは義務ゆえか? 魔王の力を手にした冒険者として、致し方なく戦うという事か? それとも英雄にでもなろうという願望ゆえか?」
「んー……まぁ、そういう気持ちもあるっちゃ、あります。だってここで活躍したことが、諸々の問題を解決した後で世間に知られれば、超チヤホヤされそうだなーっていう考えてます」
「取り繕わんのだな。欲の為に命を懸けるのも冒険者らしいと言えばらしいが」
「隠してもしょうがないですし、何らかのメリットを自分なりに見出さないと、やってらんないんですよ。事が事だけに報酬が出るかも分からないですし」
冒険者には品格が求められるけど、俺たちは別に聖人君子じゃない。上手くいけば凄い名声が得られるんじゃないかと前向きに考えないと、モチベーションが出ない。
……揉み消される可能性も十分ありそうだけど。
「世界の為とか、全人類の為とか、話が大きすぎて実感が無いですし……誰にでも胸張って言えるような、立派な理由で戦えそうにないです」
これが偽らざる俺の本音だ。地球に接続された、人類存亡をかけた試練の場である異世界パンドラダンジョン。攻略する過程で、必ずまたディザスターモンスターと戦う事になるかもしれない。
前回は運良く死ななかったけど、次はどうなることやら……。
「……ただ、まぁ」
「なんだ?」
正直、自己中心的な利益は動機の三割くらいだと思う。
今年か来年か、人類が滅びるなんて話を聞かされた時、真っ先に頭に浮かんだのはカズサのことだった。
まだまだコイツと遊び足りない。異世界の果ての景色を見れていない。一緒になり上がるっていう夢も、叶えられていない。そして――――
「もっと、彼女と一緒に居たいんです」
死が迫ってきていると知った時に感じた気持ちの答えがそれだった。
人類の滅びの要因なんて理不尽な存在なんかに、カズサと引き離されたくないんだ。
「ていうか、もう逃げようがないから腹を括るしかないんすけどねー」
「いや、ホントそれな!」
ぶっちゃけ、戦わなくても良いんなら、遠慮なく戦わない方向で話を進めるところだ。でももし僅かな差で人類側がディザスターモンスターたちに敗北するようなことになったら、俺は死んでも死にきれない。
「そうか……ならば、俺も頼まれた役割を果たすとしよう」
そう言って、アイゼンは【アイテムボックス】から長刀を抜き放つ。ゼル・シルヴァリオに止めを刺した、身の丈に迫る長さの刀だ。
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品名:無銘刃
今は滅んだ名も無き異界の魔王の力が宿った長刀。一閃にして世界を拓く神殺しの証。
《装備スキル》
・不撓不屈
・天地海闢
・滅神属性
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「ギルド側はこれから戦力として数えられるお前たちが、現段階でどれほどできるのか……その検分役を俺に頼んできた。今後の方針を決めるために、今お前たちが持てる全ての力を俺に示すがいい」
長刀に彫られた文字が淡く光ったかと思った瞬間、周囲の景色は一変。
城の軒先から、吸い込まれそうな青空と、それと対を為す水鏡がどこまでも広がっている空間へと連れてこられた。
「これは……!」
「【天地海闢】のスキルだ。【天眼】の説明から察するに、どうやら足止めに特化してるスキルみたいだけど……
説明文でも、異空間を作り出し、そこに任意の対象と自分自身を放り込むスキルみたいなことを記されている。他のスキルも凶悪な攻撃性は感じられないし、魔王銃剣に比べれば控えめな性能だ。
ただし、それを操るのは世界最強の冒険者。安心材料に何かになるはずもない……戦力確認の為の腕試しだと理解していても、向けられてくる静かで重い威圧感は、【窮鼠の直感】が常に全力で警報を鳴らすほど凄まじいものだ。
「全てって言うからには、テイムシールもアリですか?」
「無論」
俺は【アイテムボックス】から、おマルが宿るテイムシールを取り出してみせると、アイゼンは抑揚に頷く。
どうやら数の利もまったく気にしないとのことらしい。だがそれは当然の事実だというのは、アイゼンの戦闘力を見ればすぐに分かる。だから悪い気なんてしないんだが……ここまで胸を貸してくれるというのなら、一矢報いて見せたくなるな。
「……戦う前に、ちょっとだけ良いですか?」
「なんだ?」
「いや、さっき俺たちに戦う理由みたいなの聞きましたけど……アイゼンさんにも、なにか個人的な理由とかあるんですか?」
少し疑問に思っていたので、気持ちをスッキリさせるために質問を投げかけると、彼の後ろに控えているカグヤさんの猫耳がピクリと揺れた。
「特に面白味のあるものじゃないが……あの城下町は、カグヤが死してなお守り通そうとした者たちが住まう場所だ。落日が出現すれば奴は扉を破壊し、町も住民たちも消し去るだろう。そうなれば、アイツはきっと泣くことになる」
そう俺たちに告げると、アイゼンはさも当然のように真顔でこんな言葉を言い切る。
「惚れた女の涙など見たくはない……俺が刀を手に取る理由など、ただそれだけだ」
「な…………っ」
アイゼンの言葉に顔を赤くしながら、怒っているような恥ずかしがっているような……或いは、ニヤケそうになるのも必死に我慢しているような、そんな複雑な表情を浮かべるカグヤさん。
「おぉ……言い切りましたよ、この人」
正直な話、聞いた俺もこんなストレートな台詞を素面の相手から聞くとは思わなかった。それだけ自分の言葉に恥じ入るものが無いと感じている証拠……嫌味でも何でもなく、ただ純粋に感心させられた。適当に言葉を飾れば良いってもんじゃないんだな。
「さぁて……聞きたいことも聞いてスッキリしたし、最初っから全力で行くぞ。そうじゃなきゃ、何も届かないような相手だ……!」
「了解……!」
俺は【木偶同調】を発動すると同時に魔王装備一式をカズサに装着させ、【魔王覚醒】を発動。テイムシールからおマルを召喚し、アイゼンと正面から相対した。
ご質問があったのでお答えします
Q『台風に関するディザスターモンスターを倒したら台風が無くなった→台風が無くなったから水不足になった。この場合水不足に関するディザスターモンスターが生まれるんですか?』
A『逆に聞き返してしまうんですけど、台風無くなったら水不足になるんですか? 作者である僕の学の無さが小説を通じて全世界に配信されてて草生えたんですけど。まぁ水不足程度なら異世界要素である魔法で何とかなりそうではありますから問題は無いですかね?』
Q『地球人類とカグヤさん達獣人…交配は可能なのでしょうか?もし可能だとしたら地球や異世界での共存できるのでしょうか?』
A『出来ますね。基本的な肉体構造はほぼ同じなので、人間と獣人の違いはゾウとマンモスと同じくらいの誤差と言うのが作者のイメージです。現実世界でも冷凍マンモスのDNAから受精卵造って、メスのゾウに産ませるっていう話がありますし、イケるでしょう』
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