表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

40/46

40.競技祭編4

ー競技祭編4ー



「ラララララルフ様!!あれ??クラリスさん(モブ1)たちとご一緒されてたんじゃ・・・・。」



(こわひ・・・・。)



ラルフが怒りを隠してないその様子が、どれくらいラルフが怒っているかを表していた。

イリアは冷や汗と青い顔で笑顔を作り身体ごとラルフへ向き直り必死に周囲へその姿がバレないように取り繕うのに必死だった。



「(小声)ラルフ様、顔(と態度)に出てますよ!!ほら!ヴィオラ嬢もいるから!!」


「・・・あ?」


(こぉわぁイィぃぃ!!!!)


顔が美しいだけに凄んだラルフの迫力は凄まじかった。

イリアの目配りでヴィオラの姿を確認すると、ス・・・と顔がいつもの笑顔に戻り、イリアの肩を掴む手を離し目の前のヴィオラやフレイたちに優しげな声色で話始めた。



「やぁヴィオラにフレイ、久しぶり。ルビ王子も随分お久しぶりですね。他のA組の皆さんも午前の部お疲れ様でした。少し立ちくらみがしてしまって見知ったイリアの肩を掴んでしまいました。イリア、すまなかったね?怪我はないかい?」


(誰ぇぇぇぇぇぇぇ!?!?!?)


キラキラ王子様オーラ大放出でその場を取り繕うラルフに最大級の心のツッコミを入れながら顔ではラルフを気遣う表情を作っていたので、イリアは今自分がどんな顔をしているのか不安しかなかった。


「僕も席を探してたのでこちらご一緒しても良いかい?」


(さっきから気になってたけどその「かい?」ってなんやねん)


「ええもちろん!ルフ様もご一緒しましょ!荷物すぐに片付けますね!」


(ルフ様?え?なにヒロインってルフ様まで好感度あげてんの??(*注意*ラルフは好感度が上がると愛称で呼ばせてくれるよ!)

いや・・・好感度上げるも何もルフ様はヴィオラの事が好きだから自然な事なのか・・・。)



突っ込んだり驚いたり納得したり百面相のイリアをラルフが肘でこついてきた。

つまりヴィオラを動かすな、隣のアンタが動けの合図である。



「あ、ヴィオラさん私が片付けますよ!」


「え、でも、元々は私たちの荷物ですし・・・。」


「大丈夫です!」


イリアは得意気にヴィオラを制すると、空間に手をかざし魔力を集める。

イリアが得意とする数少ない魔法である。

次元の歪みを作り、そこに荷物をぽいぽいぽいっとつめていくとその様子を見たラルフが口を開いた。


「すごいな、空間を使う魔法なんてかなり高度なのにそんな魔法が使えるなんてよほど鍛錬したんだね、勉強の傍そんな魔法を習得するなんて、その勤勉な精神尊敬するよ。」


かなりの褒め言葉に聞こえるが今のラルフの言葉を訳すとこうである。


どうせ便利だとかくだらない理由で収納以外はクソ役にも立たない習いもしないしょーもない魔法ばっかり練習してたんだろう、他の魔法はいくら習っても上達しない癖に本当馬鹿なの?


である。

イリアにはしっかりそちらの訳で聞こえてきたのでグサリと痛いところを突かれた気分だった。


(いいもーん!一番便利なんだもーん!手ぶらは楽だもーん!!)


荷物を片付けている間にラルフがちゃっかりヴィオラの真前に座る。

イリアは仕方なく荷物があった場所に座り直した。


「あ!ラルフは初めて見るのか!イリアのその魔法すごいよな!俺も初めて見せてもらった時驚いたんだよー!」


なんだか若干得意そうな声でフレイが会話に入ってきた。


「へぇフレイ王子はご存知だったんですね。流石婚約者。」


「まあな!!イリアは昔から勉強家で特に計算の理解が早くて一時期なんて天才って言われてたんだ。本当にすごいよなぁ。」


(あぁぁ・・・フレイ様が・・・私の黒歴史を得意気に語ってらっしゃる・・・・。)


イリアは生まれながらに42歳の記憶を持っていたせいで思わず解いてしまった計算をキッカケに5歳児の時点でありとあらゆる計算を理解している事がバレてしまった。

当時、天才天才ともてはやされたてたのに成長するにつれ「普通」と言う化けの皮が剥がれ、周りの大人達を混乱させてしまったと言うこの世界でのイリアの最大の黒歴史。




「へぇ、天才・・・。」



(本物の天才がこちらを訝し気に見つめてくる。)



それからフレイのイリアトーークが止まらず、その場に居た一同は皆フレイの聞き手に回るしかなかった。


(フレイ様、もしかして、マウントをとってらっしゃる・・・・?)


イリアはこの時気付いていなかった。

フレイ→イリア→ラルフ→ヴィオラ→フレイの(ついでにヴィオラ←ルビ)魔のスクエア関係になっていることに。



「ヴィオラは後何の競技に出るの?」←ラルフ


「ヴィオラは午後は応援合戦だ」←ルビ


「イリア午後も記録係なのか?」←フレイ


「フレイ、午後のリレー応援してるね!」←ヴィオラ


「ヴィオラ僕もリレー出るから応援してね。」←ラルフ


「ヴィオラはA組なんだからF組は応援しないだろう。」←ルビ


「俺最後のリレー頑張るからイリアF組の次に応援しろよな?婚約者なんだから。」←フレイ


「あ、おうどん冷たくて美味しい。」←エンジュ


「そうだ!午後はさらに日差し強くなるから暑さに気を付けろよ?イリアこの前倒れたんだから。」←フレイ


「フレイは競技の数多いけど無理だけはしないでね。」←ヴィオラ


「ヴィオラは優しいなぁ。」←ラルフ


「ヴィオラは昔から優しいんだ。」←ルビ




(だぁぁぁぁあぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!もう!!!!!!!!!!協調性!!!!!!!!!!!)


唯一会話が繋がってるのはルビだけ、しかしそれも完全なるマウント、会話がとっ散らかりすぎてて目眩しそうになる。


こうして、全然休まらなかったお昼休憩が終わり、午後の部が始まった。


続く。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ