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18.現実の世界

イリア(明美)☆本作の主人公、42歳OL、現実の世界で全てを失い絶望したので転生信じてワンチャンダイブしたら色々あったけどめでたくお望みの悪役令嬢に生まれ変われた。にゃんと蜜プリが大好きなオタク。

ヴァルハラート学園1-F


にゃん☆明美の飼い猫、明美の転生先で神獣として生まれ変わる。


アルフォント☆イリアの兄で明美の最推し攻略キャラクター。

ドルスター国第一王子

ヴァルハラート学園3-A


フレイ☆イリアのフィアンセ、幼い頃に一度ヒロインをイリアから助けている。

マーズオルド国第一王子

ヴァルハラート学園1-A


ラルフ☆イリアのクラスメイト、イリアとは馬が合わず険悪な雰囲気。

ウィンフリー国第一王子、希少な男エルフ。

ヴァルハラート学園1-F


ルビ☆ヒロインと同国出身の幼馴染、何かとヒロインを気に掛ける優しい先輩。

ヴァルハラート学園2-C

ー現実の世界ー


入学式から1週間、イリアは悩んでいた。


『どうしたの?明美。』


「うーん、、、にゃん、今日久しぶりにフレイ様と会食の日なんだけどさ。」


『うん?』


「私がプレイしてた時はさ、どう考えてもライバルキャラクターと王子様たちが会食してる様子なんてなかったんだよね。でも今日は一応会食の予定の連絡は来ててさ。」



そう言ってイリアが見せて来たスマホの画面を見ると執事から時間と場所が送られてきていた。


『んー。でもさ、ここは明美にとったらゲームの世界でも一応現実は現実なんだからゲームで表現されてない部分だってみんなちゃんと生きてるんだし知らないことだってあるよ。』


「そっかぁ、、、でもなんだろう。」


更にイリアが腕を胸の前で組んでぐぐぐっと頭を下げて悩みだすと、心配そうににゃんがイリアの顔を覗き込んできた。


『フレイと食事は乗り気じゃないの?』


「いや、、、そうじゃなくて、なんだろう、この気持ち、、、」


『別に会食は子供の頃からしてたんでしょ?いつも通りで大丈夫だよ。』


「でも、、、、やっぱり今まではいくらフレイ様と言えどもまだ入学前の子供だったけどここからのフレイ様は完全公式になるんだよ???むりむりむりむり耐えれる自信ない!!絶対尊みが深すぎてしんどくなる心臓持たない!!!」


にゃんは唖然とした表情で口をあんぐり上げた。


『心配して損したわ』





時間は流れ、放課後、会食の時間になり学園に迎えの車が来た。


「イリア様、お待たせしました。」


執事のディオスが車から降りて後部座席のドアを開けてくれる。

この世界は昔の異世界というより現代の異世界という雰囲気が所々ある。

車のあるしスマホもあるしパソコンとテレビもある。

おかげで生活が苦に思うことがなくイリアにとって本当に助かっていた。


車に乗り込み発車すると窓から流れる景色を見ながらイリアは先ほどのにゃんとの会話を思い出していた。



『んー。でもさ、ここは明美にとったらゲームの世界でも一応現実は現実なんだからゲームで表現されてない部分だってみんなちゃんと生きてるんだし知らないことだってあるよ。』


(そうなんだよなぁ。ここはゲームの世界じゃなくて現実なんだよなあ。実際私生きてるし、この風景だって、私は知らないんだよ。写ってたグラフィックなんて少なかったし、教室とか寮の外観とか自室とか、見覚えあるものはたくさんあるけど今のこの道なんて初めて見る。)


「不思議、、、」


思わず口から出た言葉に隣に座っていたにゃんが顔を上げて不思議そうにイリアを見つめてきた。


『どうしたの明美?』


「ううん、私って思ってたより浅はかに考えてたのかもしれないなって。」


『何いってるの??明美は元々浅はかじゃん。」


「、、、、、、、、」




にゃんの正論に言い返せずに黙っているとにゃんがずっと不思議な顔をしてた。


(このやろう、可愛いなくそぉ)



「イリア様、着きましたよ。」


乗り込んだ時と同様ディオスが後部座席の扉を開いて手を差し出してくれた。

その手をとって車から降りると直ぐにフレイの姿が目に入った。


「参りましょうか。」



そう言ってディオスからエスコートを譲り受けるフレイが今日は王子様モードでイリアが一瞬ビクッと肩を震わす。


(はぁぁぁぁしんどいいいいいいい)



イリアは明美の声を噛み殺しながらフレイと共に食事の場所へと向かった。



続く

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