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15.エピソード1フレイ ロジャー マーズオルト

ーエピソード1フレイ ロジャー マーズオルドー


この蜜プリの世界は日本のような四季がある、そして春の季節、入学式。

蜜プリヒロインである、ヴィオラ ルーゼン オズゲイルは木の精霊グリドスが守護する美しい自然に溢れる国グリーンエバーンの北部の田舎町で育った。

ヴィオラはジャガイモ農業でかなりの輸出量を誇るオズゲイル男爵の一人娘である。

グリーンエバーンに暮らす人々は緑の髪と瞳、高い学力を持つ。

王都以外は自然が多く田舎の風景が残るこの国の人々は自然と同じく豊かで優しい人が多い。

ヴィオラもこの国柄の性格の影響を受け、優しい人柄で田舎の広い土地で伸び伸びと育ち、誰にでも愛される性格をしていた。

そしてヴィオラにはこの国で暮らす人達とは少し違う、変わった見た目をしていた。

それは、この国だけではなくこの世界を探しても少ないといえる、鮮やかなピンク色の髪、瞳は浅葱の色をしていた。

両親は2人とも髪と瞳はグリーンエバーン特有の緑色をしている。

間違いなく腹を痛めて産んだ我が子のはずが、この色な理由は一切わからなかった。

髪の色が特殊ということで、幼い頃は各国の王様が一度は見てみたいとオズゲイル家を招いた事があり、特に同国の現国王、シグ王はヴィオラの人柄を気に入り何かあると良く王都に呼ばれていたこともあり、攻略対象キャラである、グリーンエバーン国第一王子、ルビ ラ グリーンエバーンとは幼馴染み関係にある。


そのルビ推薦の元、本日ヴァルハラート学園に入学してきた。



「学校ってこんなに人で溢れているのね、アリス。」


『世界中の貴族の御息女が一斉に通うからね。』


ヴィオラの肩に乗る、ピンク色の綺麗な毛並み、真っ赤な目の兎の見た目に羽の生えた神獣が答える。



「私のクラスはA組、A組、、、アリス。」


『どうしたの?』


「A組ってどこかしら?」


ヴィオラは迷っていた。



「わーーーん!ごめんなさいアリスー!!」


涙目でスカートの裾をちょっと持ち上げて慌ただしく校舎を走り回る。


『もーーーなんで調べておかないの!』


「だって行ったらなんとなくわかると思ったんですものーー!!」


『それは完全に方向音痴の人の発想だよ!!』


ヴィオラとアリスがドタドタとA組を探し回っていると角を丁度曲がった瞬間。

お約束のように何かとぶつかった。


「いってぇ、、、」


「きゃーーーー!すみませんすみませんすみません!!!!」


思いっきりぶつかったはずなのに、田舎の畑仕事で育ったヴィオラの足腰は強く、ぶつかった相手だけが後ろに吹き飛んだ。



「いや、大丈夫、アンタは怪我ねぇか?」


「あ、私は転んでませんので大丈夫です。」


当たり前のようにそう返事をして転んだ男に手を差し出してぐいっとひっぱり起こす。

カシャーッ


「すげぇ、力強いんだな。」


「えぇ!毎日お芋を掘り出しておりましたのでこれくらいなんともありませんわ!」


そう言って嬉しそうに笑うヴィオラを見て男が吹き出して笑い出した。


「アンタおもしれーな。俺はフレイ、アンタは?」


何を笑われているのか理解出来なかった、ヴィオラはおもしれーを褒め言葉と理解し、嬉しそうににっこり笑ってありがとうございます。と返し。


「私はヴィオラ ルーゼン オズゲイルです。ただ今A組を探しております。貴方A組をご存知ないですか?」


「A組?俺と一緒か、んじゃ一緒に行くか。」


「本当ですか!!偶然助かります!ありがとうございます!」


前を歩くフレイの後を小走りでヴィオラは付いていった。



「ふふふふ。ふふふふふふふふふふ。」


不審な笑い声がその場に響く。


「よっしゃー!!フレイ様記念すべき一枚目のスチル、「お芋じゃねーんだから」ゲットウーーーーーー!!!」


物陰にこっそり隠れていたイリアが全力のガッツポーズを決める。


『、、、どこの世界に婚約者の恋愛フラグにガッツポーズを決める姫がいるのやら、、、』


呆れたにゃんに向かってイリアは眉を寄せて不思議そうに首を傾げた。


「あら?にゃん?これは恋愛イベントじゃないよ?これは強制発生イベントなんだよ?これは必ず起こってしまうイベントだから別に私が居なくても起こったしむしろ婚約者として悪い虫は警戒して確認しておくべきでしょ?」


『もうそれ怖いわ!!!』


続く

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