2階の探索
ゴブリンとボガードからの戦利品の結果を提示しよう
意匠を凝らした武器(150G)が3個、粗末な武器(10G)が1個だ
ちなみに粗末な武器はゴブリン(ブス)からの戦利品だ
ブスに人権はないのだろうか…
ジン
「1人当たり92G…さっきの宝石と合わせたら124Gだから…
元は取れたな」
ニャック
「俺の金だったがな…」
ジン
「ん?何か言ったか?」
ニャック
「いえ何も」
ダンテ
「…ん?
ボガードの服に、鍵が入ってるぞ」
ダンテが見つけたのは、金属製の鍵だ
持ち手には球形の宝石のようなものがはめ込まれており、先端部分は鍵の機能を損なわないように装飾が施されている
しかし、長い間放置されていたからなのか、装飾のほとんどは掠れてしまっている
サクラ
「持ち手にはめ込まれているのは…ただのガラス球のようですね…
これじゃ特に価値はありません」
ユリーシャ
「鍵は開けたものに価値を与えます
ひとまず使い道を考えながら探索を始めましょう」
ニャック
「とりあえず、蛮族が来た2階から探索するか…
あと、今更だけど回復お願いします…」
ユリーシャ
「そういえば忘れてました
【キュア・ウーンズ】」
致命傷を負っていたのに今まで気付かれなかったのは、決して中の人がHP管理を怠っていたからではない
…違うからね!(嘘です怠ってました)
ゴブリンとボガードが下りてきた階段を上り、2階へと向かう
階段の先は廊下のようだ
北側の壁には2つの窓があるが、窓の向こうは遺跡を覆う崖のようだ
南側の壁には扉が2つあり、奥の扉は半開きになっている
ニャック
「どっちの扉にも足跡があるから、どっちの部屋にもあいつらが入ってたみたいだな」
ジン
「とりあえず、開いている扉に入るか」
ユリーシャ
「手前の扉から敵が出るかもしれません
一応注意しましょう」
サクラ
「ですね
ここだと隠れる所がありませんし…」
ダンテ
「戦う意思はないのか…」
…結論から先に言おう
手前の扉から敵は出ない
半開きの奥の扉、安全確認のために中を覗く
ここは寝室だろうか
中にはスプリングがはみ出したベッドが1つ、荒らされた跡があるベッドデスクとクローゼットが1つずつあるだけで、敵の気配はない
ジン
「敵影なし
入っていいぞ」
ダンテ
「にしても…これはかなり荒れてるな…」
ユリーシャ
「紙の破片などが散らかってますね…
一体どれほどの知識だったのでしょうか…」
サクラ
「ベッドの損傷が結構新しいですね
さっきの蛮族がはしゃいでた跡の可能性が高いです」
ニャック
「金目のものはあるかな〜♪」
布切れでいっぱいになったクローゼットを漁るように探していると、布の間から銀色の指輪が出てくる
ニャック
「…指輪?
…痛っ!」
ダンテ
「どうしたんだ?」
ニャック
「えっと…
なんか触ってるとスリップダメージを受ける指輪があった?
…自分でも何言ってるか分かんないが…」
ジン
「こっちに持ってくるなよ」
サクラ
「ちょっと見せてください!
…なんだ…ただの銀の指輪ですよ
この形状と大きさだと、150Gくらいでしょうか?」
ニャック
「銀製品かよ〜
道理で痛いわけだ」
ユリーシャ
「そういえば、ナイトメアは銀製品が弱点でしたね」
ジン
「ここをもっと探索してたら、まだまだ沢山銀製品でてくるかもしれないな
もう少し探してみろよ」
ニャック
「絶対いやだ!」
ニャックがこれ以上の探索を拒否したため、この部屋の探索はここで終わった
ニャック以外に探索要員がいないのが響いたようだ
奥の扉から出て、手前の扉をゆっくりと開く
ジンは扉の横で蹴りの準備、ダンテは扉の向こうが射線になる位置で弓を構え、ユリーシャは後方で詠唱の準備をしている
扉を開けるのはニャック、サクラは遠くの安全地帯で待機
…まあ、誰も出てこないのはもう知られている中でのこの行動は結構シュールな気もするが…
ニャック
「中は…敵影なし
本棚が2つと上等な机と椅子が1セット、荒らされた形跡はないな」
ジン
「どうやら安全なようだな
サクラ、来てもいいぞ」
サクラ
「敵がいないなら問題ないですね
荒らされてないなら、まだ使えそうなものがありそうですね」
ニャック
「なんで俺が一番危ない立ち位置なんだよ…」
ジン
「ん?なんか言ったか?」
ニャック
「いえ何も」
ここはバルトゥーの書斎だ
上等な書斎机と装飾が施された椅子、大量の本がしまわれた本棚があるだけの、シンプルな部屋だ
2つの本棚が設置されているが、ほとんどの本は傷んでいて、とても読めたものじゃない
ダンテ
「机に置いてあるのは…日記か?
…どうやらバルトゥーは番兵的な魔法生物について研究してたみたいだな
あとは…珍しい煙管のコレクターでもあったみたいだ」
ユリーシャ
「番兵…ゴーレム系ですかね
古代魔法文明の技術ですので、過去の技術の研究をしていたのでしょうか」
ニャック
「この本棚の本、どれも読めたものじゃないな〜
ん?これはまだ読めるな、どれどれ〜
…魔法生物の生態が書いてあるな
ふむふむ、ガーゴイルは攻撃範囲に入った侵入者に奇襲を仕掛ける…らしい」
サクラ
「その系統の情報なら、300Gの価値がありますね
他にも読める本はありませんか?」
ニャック
「えっと…
あとは読めるのが2冊、どっちも小説みたいだな」
サクラ
「小説だったら…1冊100Gですかね」
ニャック
「あとは…ん?
この本棚、動くぞ?」
書斎の東側の壁、窓際近くにある本棚が、少し横にスライドする
本棚の向こうにはなにやら空間が広がっており、探索の余地がありそうだ
ジン
「ニャック、ゴー」
ニャック
「へいへい」
本棚を横にスライドしていく
本棚は自身の幅と同じだけ移動し、それ以降は動かせないようだ
本棚の向こうの部屋には、1人用のソファーと壁に並んだ棚がある
棚には大量の煙管と小箱が置かれており、恐らく煙管のコレクタールームだと予想できる
ニャック
「サクラ、この煙管5本はどれくらいの価値になる?」
サクラ
「えっと…
どれも魔動機文明時代の珍しい煙管ですね
保存状態も良好ですし、これは5本セットで700Gでしょうか」
ダンテ
「あとはその小箱だが…さっきの鍵は使えないのか?」
ユリーシャ
「鍵穴のようなものはありませんし、普通に開くのではないでしょうか?」
ニャック
「いや…これ罠仕掛けられてる」
ジン
「…発動させるなよ?」
ニャック
「…じゃあ距離を取るなよ?
えっと…これは毒針が飛び出す系の仕掛けだな
確か解除方法は…あっミスった」
一同
「「「「!?」」」」
ニャックが罠の解除に失敗した瞬間、全員が部屋の外に逃げ出した
しかし、罠が作動する気配はない、皆の行動に呆れながら、ニャックが罠についての説明をする
ニャック
「…この手の罠は、本人が失敗した時のために1回は猶予があるんだよ…」
ダンテ
「驚かせるなよ…」
ユリーシャ
「それを聞いて安心しましたよ…」
サクラ
「ふざけないでください!」
ジン
「次ミスったら殺すからな?」
ニャック
「なにこの言いよう…
まあ、コツは掴めたから、次は解除できるな
えっと…ここをこうして…よし、開いた」
小箱の中には木目調の煙管が入っている
他の煙管よりも古いことが目立ち、警備の厳重さから只の煙管ではないことが伺える
サクラ
「これはイグニッション・パイプですね
合言葉を唱えると、先端から火の玉を飛ばせます
使うにはMPが必要ですが、魔法が使えない人でもそれなりの威力が出ます
恐らく…500Gくらいの価値はありますね」
ニャック
「これはサクラが持つのがいいんじゃないか?」
サクラ
「私が使うと誤射しますね
誤射せずに使うには、《魔法誘導》が必要です」
ジン
「前衛なら誤射の心配もないから、俺が持とう」
ダンテ
「ジンは後衛じゃないのか?」
ジン
「ん?なんか言ったか?」
ダンテ
「いえ何も…」
ニャック
「2階のめぼしいものは大体見つけたようだし
あとは地下かな?」
ユリーシャ
「ですね
この鍵は地下で使えることを祈りましょう」
まあそんな訳で、2階の探索を切り上げて、地下の探索に向かう
…また疲れてきたからここで一旦切るけど、かまいませんね!
老人
「…やはり、緊張感が足りない気がするな」
隻眼の青年
「まあまあ〜
これがあいつらの良い所じゃないか〜」
王冠帽の青年
「こいつに至っては、緊張したことなんて一度もないと思うしな」
子供
「こんかいはだれについてせつめいしてくれるの?」
隻眼の青年
「んじゃ今回はユリーシャさんについて説明するか
ユリーシャさんはジンと同じく初期からいる最古参のメンバーだけど、中の人の都合(キャラシを無くしたとか)であまり出てこないレアキャラだ
中の人はこのリプレイに感想を送ってくれた『時雨猫』さんだな」
老人
「卓の中では時雨猫とは一度も呼ばれてないがな」
隻眼の青年
「前も本編で説明されてるけど、ユリーシャさんは賢神キルヒアを信仰してるエルフのおb…お姉さんだ
森に近い小さな村で学校と孤児院のボランティアをやってるらしい
知識とか勉学を求める者だったら、人族蛮族問わず授業をしてくれる
ただしアンデッド、テメーはダメだ」
子供
「なんでアンデッドはダメなの?」
隻眼の青年
「内緒」
子供
「けちー!」
老人
「まあまあ…
一応ユリーシャの過去に関する重要な事だから」
王冠帽の青年
「で?中の人はどんな人なんだ?」
隻眼の青年
「ん〜と…
小さくて可愛い子が好き…かな?」
王冠帽の青年
「…犯罪臭を感じる」
老人
「えっとだな…
一応断っておくと、小さくて可愛いキャラクターが好きなのであって、現実のものについてはわからない
まあ、ロールプレイは真面目だし、キャラクターの設定も作り込まれてるから、GMから見ると結構助かる人なんだ
唯…作るキャラクターに性癖が垣間見えるのが多いが…」
王冠帽の青年
「結局犯罪臭からは逃げきれてないぞ」
隻眼の青年
「まあ、時雨猫さんより酷い人がまだ待機しているからな」
老人
「今は亡きシャドウの中の人…か」
子供
「むずかしいね」
王冠帽の青年
「この子とか結構危険だよな…」