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ソードワールド2.0 うろ覚えリプレイ『残虐非道の破壊軍』  作者: ニャック(オリジナル)
サンプルシナリオ『バルトゥーの屋敷』:改
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元凶2人の出会い

 ここは、ロシレッタの小さな冒険者の宿〈黒猫亭〉

 この宿を切り盛りするのは、元冒険者の夫婦だ

 夫は『マチネコ』、人間生まれのナイトメアで現在55歳、重戦士として敵の先陣で大剣を振るい、幾千の敵を屠ったという

 現在は宿の1階にある酒場で、商品の酒を盗み飲みする毎日を過ごしている

 妻は『シャン』、エルフで現在100歳、射手だが妖精魔法も会得しており、後方から夫をサポートしていたらしい

 現在は宿の2階にある受付で、宿の管理を行う毎日を過ごしている

 そして、従業員として働くコボルドが3匹

 そのうちの1匹は剣のかけらを持っているのだが…これには深い理由がある

 この夫婦が最後に受けたクエストに、付近のコボルド退治というものがあった

 しかし、シャンが蛮族領地から追われ、ロシレッタまで逃げてきたコボルドに感情移入してしまい、仕事をする事を条件に引き取ったのだ

 この時のGMの唖然とした顔…まあGMは作者だったのだが…

 ちなみにこの夫婦の中の人は作者の両親なのだが…

 初GMの練習に付き合わせるんじゃなかったな…

 ……………

 話を進めよう



 ある日、この宿の1階で、1人の若者が暇を持て余していた


若者

「ああ…昨日もダメだったな…」


 彼は『ダンテ』、長く伸ばした青がかった黒髪で耳を隠しているがれっきとしたエルフの青年で、錬金術と弓を操るアルケミシューターだ

 錬金術とは、魔物の戦利品を基にして様々なカードを作り、それを使うことで自身や仲間、さらに敵にまで特殊な効果を付与する術だ

 しかし、戦利品を使うということは、冒険の報酬が減ることに直結する

 つまり、錬金術師とは金食い虫なのだ

 ということで、現在絶賛ぼっち中である


ダンテ

「パーティを組もうにも、俺はコミュニケーションを取るのが苦手だからな…

 勧誘だって、金食い虫の俺には無いだろうし…」


 身なりからして冒険者な彼だが、未だにクエストに出たことはない

 大体の冒険者は、数人でパーティを組み、協力してクエストをこなすのがほとんどだ

 しかし、彼はコミュ症である

 自分から会話をすることはできず、金食い虫であるアルケミストを勧誘するお人好しも滅多にいない

 パーティを組めないならソロでクエストに出ればいいのだが、クエストに出たことのない彼には到底難しい話だ


ダンテ

「今は酒場のアルバイトで食いつないではいるが…酒飲みの相手は難しいし…

 やはりクエストに出たいが…」


 テーブル席には数人の冒険者、全員1人で暇を持て余している

 カウンターの向こうでは酒をガブガブ飲むナイトメアの店主と、黙々と皿洗いをするコボルド、それと酒飲みのナイトメアを叱りつける若者…


ダンテ

「…見ない顔だな」


 その若者は、腰に短めの剣と片手銃を携帯しており、額からは親指大くらいの黒い角が2本生えている

 髪は茶髪で、寝癖がつきっぱなしな髪型をしている


ダンテ

「…ナイトメアか?

 にしては、雰囲気が違うな」


 通常、ナイトメアは忌み嫌われる種族だ

 それもそのはず、生まれながらにして人族から嫌悪させる『穢れ』を持っているのである

 穢れとは魂の穢れで、生命の輪廻から外れた魂の象徴である

 そして、人族の脅威である『蛮族』や『アンデッド』の象徴でもある

 忌み嫌われるナイトメアは、性格が歪みがちなのだが…

 この若者は明らかに違う

 見ただけで親しみやすいと感じられるこの若者は、歪んだ性格とは程遠い


ダンテ

「俺もあんな性格だったらなー」


 店主をひとしきり叱り終わった若者は、溜息をつきながらカウンターから出てくる

 若者は辺りを見渡し…ダンテと目が合う

 眺めていたのがバレたらしい

 若者は、ダンテの席に近付き、話しかけてくる


若者

「よう!

 その身なりからして、冒険者か?」


ダンテ

「まあ…一応だがな…」


若者

「やっぱりな〜

 名前はなんて言うんだ?」


ダンテ

「え?

 …ああ、ダンテだ」


若者

「ダンテか〜

 俺はニャックって言うんだ、よろしくな!」


ダンテ

「ああ…そうなのか」


ニャック

「早速だが、俺とパーティを組まないか?」


ダンテ

「え?」


ニャック

「え?」


 突然だった

 不意打ちだった

 予期していないことだった

 ダンテにとって、それは願っても無いことだった


ダンテ

「お…俺で良ければ…?」

老人

「うろ覚えの物語を紡ぐのは大変だな…」


子供

「まだなのー!」


老人

「すまんすまん…

 うろ覚えな上に現在キャンペーン用のシナリオを同時進行で執筆中なんだよ…」


子供

「え?

 あのひとたちのものがたりはまだつづいてたの?」


老人

「ああ、実はそうなんだよ

 まあ?

 お爺ちゃんたちの時間軸は今よりもずっと後の時間軸だけどな〜」


子供

「なにやってるのー?」


老人

「まだ始まってすら無いのだが…

 今言えることは、世界滅亡の危機を日常として解決するということかな?」


子供

「すっごーい!」


老人

「まあ…お爺ちゃんはいつも以上に苦労するんだがな…」

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