ある老人の昔話
夜、静寂に包まれた部屋の中に、子供の声が響く
子供
「おじいちゃーん!」
部屋の暖炉の側で、木製の椅子に座る老人が子供の呼びかけに返事を返す
老人
「おお、どうしたんだい?」
子供
「いつものむかしばなしをきかせて!」
その言葉に、老人は呆れながらも少しの笑みをこぼす
それは自身の孫との交流に対する笑みなのか、はたまた昔のことを思い出しての笑みなのか
老人
「またかい?
全く…お前はこの話が本当に好きなんだな」
子供
「うん!
だってあのひとたちのぼうけんはおもしろいんだもん!」
老人
「しかしな…
あいつらのせいでお爺ちゃんは毎回苦労していたんだぞ…」
そう言いながら、老人は顔に手を当ててあの時の苦労を噛みしめている
さっきの笑みは孫とのコミュニケーションに対する笑みだったのだろう
そんなこと御構い無しに、子供は昔話をねだる
子供
「ねえねえはやくー」
老人
「分かった分かった
……………
こう見えても、お爺ちゃんだってレベル17の超越者なんだぞ?
たまにはお爺ちゃんの武勇伝を聞いて欲しいんだが…」
子供
「そんなことはわかってるよ!
だっておじいちゃんは『テラスティアたいりくじけいだん』のだんちょうさんだったんだもんね」
テラスティア大陸
それは、この世界『ラクシア』の南に存在する大陸だ
面積はアフリカ大陸ほどで、主に人族が住む大陸である
詳しくは『ソードワールド2.0』のルールブックやサプリメントを買って各自で調べて欲しい
…なるべく媚を売っておけば、怒られずに済むのかな?
老人
「あれも元はロシレッタ自警団だったし、お爺ちゃんは盗賊団を率いてた時に、あいつらに連行されて無理矢理入団したんだったな…」
ロシレッタ
テラスティア大陸の北部、ザルツ地方の北に存在する港町だ
これより北にはレーゼルドーン大陸という、蛮族の住む大陸があるのだが…
詳しい説明は『ソードワールド2.0』のルールブックやサプリメントで
子供
「おじいちゃんのむかしばなしはいいから、あのひとたちのおはなしをきかせて!」
老人
「仕方ないな…
それじゃあ始めようか
ロシレッタにある1つの小さな冒険者の宿、そこを拠点に世界中を引っ掻き回した20人ほどの集団『残虐非道の破壊軍』の冒険談を…」
子供
「わーい!」
子供
「そういえば、おじいちゃんはいつでてくるの?」
老人
「えっと…
結構最初の方だった気はするが…最初はあいつらの敵として出てくるんだったか」
子供
「えー!
おじいちゃんだいじょうぶなの?」
老人
「ここにお爺ちゃんがいるんだから、大丈夫だよ
まあ、酷い目にあったがな…」