魔女島

魔女島

群青の海に浮かぶ孤島の丘。

洞窟を抜け、森を抜けた先にひっそりと佇む小さな館。

小鳥の囀りの中、その人はティーカップを優雅に口許に運ぶ。

穏やかな午後。

テーブルの上で湯気立つティーカップに注がれるハーブティー。

小高い丘でのお茶会。

ーーだが、そこを訪れる者は誰もいない。

どれくらい経ったのだろうか。

最後にこのお茶会に人間が来たのはいつだろうか。

この丘で毎日来客を待っている。

私は、この島に住む「魔女」である。