ヒモ
暗闇から馬鹿でかいスライムが出てきた。
どう見ても俺の50倍はある。
こりゃ襲われたらひとたまりもねぇな!ははっ!
とはいえ逃げ場がない。
絶体絶命のピンチでキョロキョロしてたら
「そう慌てるでない。何もとって食おうってわけじゃない。安心したまえ。」
あ、今ぷるんってした。ぷるんって。
さっきの地震これか!
どんだけ重いんだよこいつ。
するとスライムから触手が出て、地面に何かを書き始めた。
なんとなく興奮した。
それは置いといて、
「この上に乗ってみろ」
こえぇえ
え?
超怖いんですけど
これ魔法陣だよね?
え?俺生贄にされるの?マジで?
食べないんじゃなかったの?
やっぱ俺って薬物、、じゃなくて薬草的なやつなの?
どう逃げようかと考えてる俺に触手が襲いかかる。
ふっ甘いわ。華麗にジャンプしてそれをかわす俺。
のはずだった。足が棒になってて飛べなかった★
元から棒か!なんちゃってぇ!!
勢いよく捕獲された俺はそーっと魔法陣の上に置かれた。
すると体が温かくなる。
燃えそうとかそういうんじゃなくて、なんていうか体の底から温まる感じ。
あ、これすり潰されて白い粉にされてもいいや。
「粉になってしまわれると吾が困るのだが」
え?今心読まれた?
「読んでなどおらん。お主が念話を飛ばして来たのであろう?」
ははーん。なるほどわかった。俺には魔法の才能があるのだな!!
「何を言っておる。吾の魔法陣の上に乗っておるのではないか。」
これのせいかよ!
少しずつこの馬鹿でかいスライムとも打ち解けてきた頃。
急に頭痛がした。
記憶の嵐に襲われるように、俺は両手(根っこ)で頭をお抑えながら何度も頭を地面にぶつけた。
はたから見たら完全に危ないやつだったと思う。
スライムが心配してくれたが、返事をする余裕すらもなかった。
程なくして、痛みが引いていく。
おかげで前世、もとい人間だった頃の記憶が鮮明に思い出せるようになった。
どうも俺天球ってとこに住んでたらしい。
そんで俺、トラックで人轢いちゃってたらしい。
確か轢いた後慌ててトラックを降りて確認しようとしたところ、ヤクザに刺されて死んだ。
なんてテンポの良さ!隙がない!!
で、気がついたらゴブリンに引っこ抜かれてたわけよ。
と、以上スライムにもこのことを伝えると、意外にも納得してくれた。
どうやら転生者って結構いるらしい。
そりゃもう、うじゃうじゃと。
まぁ流石に転生してマンドレイクになったのは俺ぐらいだろうな。
スライムからすると、この世界ではマンドレイクは大昔乱獲されて今やほとんどおらず、1000年にやっと一株が育つか育たないからしい。
希少価値めっちゃ高いんじゃね?!
でもそれだけ貴重なら狙われそう!
少し寒気がしたところで
「ところで自己紹介まだだったな。吾はサモン、この地の守護者にあたるものだ。」
「どうも、弦土 麗句です。レイクって呼んでね!」
可愛さアピールを忘れずにこれから少しの間、サモンのところでお世話になるレイクなのだった。