遭遇
俺は今、幻聴が聞こえている。
直接脳内から声がして酔いそう。
おかしいな。最近ストレス溜まりすぎたのかな?
まぁいきなり引っこ抜かれたわけだし?生活習慣だって崩れたし?引きこもりだったのに結構歩いたし?
ふむ、ここ涼しいし、なんか下柔らかいし、とりあえず寝るか。幻聴なんてもんそのうち治るっしょ
そう考えてた時期が私にもありました。
寝ようとしたら、急に周りが明るくなった。気になってよく見たら鬼火が漂ってるじゃないですかやだ私オカルト信じない派なの
ビビって固まってると、地面からすごい振動がした
うっかり漏らしそうになったけど、そういえば漏らせる器官がないんだった。
「お主は、生物ではないのか?鼓動がまるでないぞ」
あ、まだ聞こえた。やだ私疲れてる。
「とりあえず吾の背中から降りてくれぬか?」
なんか下からすごい威圧感を感じる。
あ、これ下に何かいるな。あはは
....マジのやつだった。幻聴じゃなかった。
ちょっと怖かったので、急いで降りた。
鬼火ついてきたんですけど。
するとまた声がした
「これは驚いた。まさかマンドレイクだったとは。
意識を持った個体など、初めて見たわい。」
「ぁっ」
「おっと!!口では喋らないでおくれ。吾はまだ死にたくないゆえな」
俺、マンドレイクだったのか。なるほど、植物ってことはなんとなく受け入れたが、人の形をしてるような気がしたんだよね。二足歩行だし。川の時は余裕がなかったから自分の姿とか確認してる場合じゃなかったけど。
「お主、念話は使えぬか?」
そんな超能力は持ち合わせておりませんな。
俺は頭を横に振った。
「ふむ、吾も200年ぶりに話したいんじゃが、、まぁよい。姿を見せよう。」
地面が呻き声をあげる。
すると暗闇の中からとてつもない大きさの何かが這い出てきた。
あ、これスライムや。