第1章ー1
だいぶ時間が空いてしまいすみません。
一マス開けようと思ったのですが、開けても開かないです。不思議です。一回メモに作ってあったやつを間違えて消してしまって忘れないうちに書きました!
「朝か……………」
黒髪の男が言った。
この世界は魔法の世界。全ては魔法で成り立っている。そんな世界に俺はただ1人のただの人間だ。
ここは森の奥深くにある小屋。俺はそこに住んでいる。
今日は月に一度のアルン都市に買い物に行く日だ。アルン都市と言ってもそんなに大きい都市ではない。人口100万を超えたら都市と呼ばれている。アルン都市では生活に必要な必需品を買うために行くのだ。
俺は月に一度のこの日が大嫌いだ。だが仕方ない…………出掛ける準備をしよう。
この世界では箒にローブが当たり前の格好だ。だが俺は、剣にボロボロの服だ。魔法が使えない俺には箒など無用に等しいからだ。剣を背中に回し、黒いマントを羽織り家を出た。
家を出て少し歩いている時、ふと空を見上げた。
「いつもより空が赤く見える…………」
少し不思議に思ったが、気にせずアルン都市に向かった。
そして森を歩き始めて8時間経ったところで、森を抜け出した。森を抜けて岩石でゴツゴツした道を進む。途中休憩も入れたから6時間ほど歩いてようやくアルン都市の正門に着いたのだ。
飛行魔法を使い、箒に乗れば遅くても6時間ほどで着いてしまう距離である。上級魔法師になれば、箒なしで2時間ほどで着いてしまう。まぁ実際に箒なしで2時間も飛ぶのは無理に近いが。
アルン都市の正門をくぐり、俺は目的のルーペスを買いに魔法屋に行く。
ルーペスとは、魔法を使うにも得意、不得意があり、火魔法を得意とする者もいれば苦手な者もいる。そんな者のために火魔法が込められている火のルーペスがある。火のルーペスを使えば誰でも簡単に生活魔法が使えるようになるのだ。他にも、水のルーペスや癒しのルーペスなどたくさんある。
魔法が使えない俺にとっては必要不可欠な道具だ。
「またこの日が来たか」
店の中に俺が入ると、中にいた数人の人達がこちらを睨みつける。
始まった。
「ストレンジャーだぜ」
「来るんじゃねーよ」
俺はこの都市で『ストレンジャー』と呼ばれている。これは『異端者』という意味だ。
「なんで、あんな魔法が使えない奴が生きているんだ?」
「知らないわよ」
あちらこちらで聞こえる罵倒。もう慣れてしまった。早く買い物を終わらせて帰ろう。
「火のルーペスと水のルーペスを50個ずつ下さい」
「銀貨1枚だ」
この値段に俺は驚く、この世界のお金は銭貨、銭貨10枚で1銅貨、銅貨10枚で1大銅貨、大銅貨10枚で1銀貨、銀貨10枚で1大銀貨、大銀貨10枚で1金貨となる。
ルーペス1つの値段が5銭貨だ。倍の値段になっているのだ。しかし、俺に文句を言う資格すらないのだ。文句を言えば、売らないという手段を使われたらどうしようもなくなるからだ。
俺はお金を置き、ルーペスを貰い店を出ようとした。その時、
「神に見放されたんだよ」
その一言だった。
俺は駆け出した。岩石道を走り続けた。
「俺は、俺は……………!!!俺は神の存在なんて信じてねぇーーよ!!!」
男は泣きそうになるのを我慢した。泣いてしまったら自分自身を否定していることになってしまうからだ。
「くそぉぉぉぉぉぉ!!!!!」
叫ぶしか無い自分にまた苛立ちを覚えてしまう。なんのために生まれてきたのか……。なぜ自分だけなのか……。味方なんていやしないのに……………。
森の入り口に着き、なだれ込むように倒れた。肩で息をする。歩いて約6時間の距離をずっと走っていたのだ。当たり前だ。
呼吸を整えて小屋に戻ろうとしたその時、バギバキバキ!!!急に枝が折れる音がした。
「なんだ?獣?それにしては音が変だったな………。行ってみるか…………」
男は立ち上がり森の中に入っていく。木々を避け、駆け寄るとそこには白いワンピースを着た女の子が倒れていたのだ。男はすぐに助けようと思ったが、体が動かなかった。いや、動けなかった。光が女の子だけに掛かり黒髪が光って見え、そこだけまるで別世界のように思えたーーーーーーーー
バサバサバサァー。鳥が飛び去る音で男は我に返った。どのくらい見惚れていたのだろう。数秒という時間が何百時間にも思えたのだ。
「とりあえず、家に連れて行こう」
男は女の子を抱え、家に向かった。
読んでいただきありがとうございます。アドバイスやおかしな点は教えていただけると嬉しいです。