プロローグ
はい、どうもBTN改め堀EXです。
何時もの愚だ愚だな作品の上、良く構想を練っていないのでお気を付け下さい。
感想を返すのは気力があれば。
「お前食事係」
突然、蝋燭以外の光らしい光が無い場所に一筋の光が射した。
光と言うにはあまりにも彼は黒かった。
気力もなさそうだった。目も死んでいた。
――でも、それがその時の俺自身に射した唯一の希望であった。
☆★
俺が彼の奴隷になって早数か月。
奴隷が住むにはあまりにもよすぎる待遇の部屋であり、この世界水準でもトップレベルの環境のいい家に拾われたと言えよう。
この世界に来て一度も斬っておらず、視界が完全に自分の銀色の髪でおおわれており、そこから片目の視界が確保できるように紐で結ぶと、この世界の平民が着る様な地味な服を身にまとい、部屋を出る。
部屋を出ると、キッチンに向かい俺の分だけの食事を作る。
それは何故か。
「飯」
そう言って俺は毎朝恒例になった首筋に牙をたてられ血を吸われるからである。
もとい、彼の食事が俺の血だからである。
―――吸血鬼。
それが俺を拾った男の種族である。
霧になったり、蝙蝠になったり、力が強かったり、血を吸ったり、太陽に当たると灰になったり、翼が生えていたりする、そんなイメージのある吸血鬼。
そんな吸血鬼はこの世界では結構違う。
吸血衝動があるものの、血の代用として存在する植物を食べることで押さえることができ、太陽を浴びても灰にはならない。
人間の血を吸わない限り、バカみたいな力は出せないし、霧にも、蝙蝠にも慣れない。
要は血が無ければ“普通の人”である。
外見的特徴では目が赤く、歯が他の人より鋭利と言うことだろうか。
そんな吸血鬼であるご主人様は、魔界の王の直系であるものの昔捨てられ縁を切られた平民であると彼の友人が言っていた。
「家事」
血を吸い終ったのか、牙を外すと俺に家事をこなしておけ、と命令をし黒いコートを着て何処かへ向かった。
そう言われるとすぐに俺は無駄に広い彼の家の掃除を始める。
またまた、彼の友人から聞いたところ、この家は彼が落ち着いて寝れるところが欲しいと言うことで買ったものだそうだ。
人通りが少ない静かな所で、周囲に湖があり、どういうことか分からないが風呂があるところ。そう指定したのだがあるかけがなく、彼の友人が商人だったのもあり、伝手を駆使し作ったのがこの家である。
ご主人様的には普通の平屋で良かったらしいのだが、やはりと言うかで友人がしゃしゃり出てやたら豪華になったのである。
そんな家の掃除はとても大変である。
主に普段頻繁に使っている所を毎日掃除し、それ以外の所は週に一度。
彼の部屋に入るといつものごとく服が脱ぎ散らかしており、それを拾い集め洗濯をするために風呂場に運んでおく。
一番疲れるのが風呂である。
何と言っても広い。
露天風呂であり、この世界の水準を限界突破した水道に似た魔力をこめると水が流れると言うものがあったり、石鹸があったり、木製の桶や椅子もある。
とても元の世界の旅館を思い出してしまう。
掃除するブラシも彼の友人の伝手で入手してくるものらしい。
その掃除が終わると、衣類をを石鹸を混ぜたぬるま湯につけしばらく放置をかます。
その間に真昼間だが俺は風呂に入る。
夜はどのタイミングで彼が入ってくるかが分からないので彼が仕事に出かけている。昼間に入っておくのである。
自分の服を脱ぐと彼の服を付けてあるところにまとめて入れておく。
着替えは風呂で温まった体を少し覚ましながら取りに行くので問題ない。
服を脱ぐと胸にさらしが巻いてあり、最近また大きくなったのかと思いながらも脱いでいく。
さらしを胸に巻いておくと呼吸がやや苦しいものの、基本室内で家事をこなすだけなので激しい動きをする訳でもないので対して問題がない。
傷一つない真っ白な肌に、無駄にすらっとした手足。
水面に映る顔は平均よりは高いであろう。
声は女性特有の高いものであるが、意識をすればそれとなく男の様な声が出る。スキル“変声”の力ともいえるが。
要は、俺は精神は男であるものの、体は女であると言うことであり、
家の主は俺が自分で少し隠しているものの、俺が女であると言うことを気づいていない、と言うことだろう。
◆◇◆
名前: 遠山 如
性: 女
lev: 12
HP: 1700/1700
MP: 300/300
-スキル-
“超回復-EX(規格外)”
“家事-100(Max)”
“良妻-100(Max)”
“下僕-62”
“鑑定-47”
-称号-
“異世界人”
“元男”
“聖女”
“英雄鬼の下僕”
“残念美人”
ゆったりと話を進めていけたらいいな…と思っています。