忠犬N 8
定期的に検査したほうが良いですね!
僕は犬である。
種類はミニチュアダックスフンドである。
奴らは突然侵攻してきた。何の前触れも無く、静かに侵攻してきた。
奴らは恐ろしい。
僕の身体を略奪し、蹂躙した。
それだけでは飽き足らず、そこら中に排泄物を撒き散らし、汚してきた。
先祖代々奴らと戦い、負け続けたのも理解できる。
奴らは恐ろしい。
凄まじい繁殖力を持ち、一匹二匹倒したところで意味はなく、一度侵入されてしまえば終わりだ。
ただ蹂躙されてしまう。
抵抗のしようが無い。
さらに奴らに侵されている同胞に触ると自分まで侵入されてしまう。
奴らは狡猾で素早く、繁殖力も凄まじい。
もはや笑うしかないだろう。
奴らの侵入・侵攻を防ぐ手立ては殆ど無い。その内の一つは家から出ないことだが、それは不可能に近い。
奴らとの共存もできなくはないが、奴らはこちらを無視して蹂躙してくるので、それを我慢出来れば可能だろう。
だが奴らに苦しめられ、最後は発狂してしまうかもしれない。
僕の身体も奴らによって悲鳴を挙げている。
僕はもうダメかもしれない。
だから僕は言おう。
「我が同胞たちよ! 気を付けよ! これは警告だ! 奴らを甘く見ることなかれ!」
僕は願う。
この悲劇を止める事がてきる日を。
………………………え?ちょ!?何するのママ?お兄ちゃん? 何で僕を押さえ付けるの? 何その手に持ってるものは? 何するの止めて!? イヤァァァァーーー!!!……………………
長男「……まさかNにノミが住みついてるとは思わなかった」
母「散歩中に拾ってきたんじゃないかってトリミングのお姉さんが言ってたわよ」
長男「まぁ、薬打ったから大丈夫か」
あの、ママとお兄ちゃんの謎の行動以来、ノミの気配が薄くなり、痒みも無くなった。
だが油断してはいけない。奴らの脅威はすぐそばにある。
この悲劇がくりかえされない事を願う。
………………あぁ痒かった! 勘弁して欲しいよ!!!……………
この物語は、事実を若干の脚色をして書いています。
ノミに侵されると面倒ですから、こまめな検査をオススメします。