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リアルゲーム・オンライン  作者: 百ノ条アヤメ


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6/10

第6話 種族とは?


しばらく待つ事数分、エルフの少女は目を覚ます。辺りを見渡し、ここが何処だか完全に理解すると少女は飛び上がり、すぐさま走り出す。


「えぇ!?どゆこと!?」

「ぎゃぁぁああああああああ!?!?何でクリアしてないの!?何でクリアしてないの!?!?」


少女はパニックになり、その場を走り回る。

クリアという言葉を放っているから一応プレイヤーなのだろうか?

威久は急いで彼女の前に立ち、止める様に要求する。


「お願いだから、落ち着いて!!」

「止まってなんていられるか!!早くクリアしないとあの化け物が来るんですよぉ!?またデスペナが付くんですよぉぉぉ!!!!」


※デスペナ……デスペナルティー。死んだらペナルティーが発生する。


異常なほどの焦りが見える。デスペナってあれだよね?なんかステータスとかが落ちるって感じの……でもそんなに焦る事なの?あんまし下がるイメージが無いけど。

話も落ち着いて聞く雰囲気でも無さそうなので申し訳程度に拳を握り、少女を殴り飛ばす。


「いっっっった!!??いや痛くは無いけど、なんで殴ったの!?」

「すみません、でも落ち着きましたよね?」

「余計落ち着けるかぁ!!私結構瀕死だったんだよ!?残りHPも18だよ!?」

「回復すれば良いのでは……?」

「回復エリアじゃないと無理なんですよ!!」


なるほど、回復エリアとかそういう概念が存在するんだ。てか余計に激しくなったかも。やっぱり殴るべきでは無かったかな?

さらに荒れ狂う少女を見ながら戸惑っていると、それを見かねたのか神輿から金童子が降りてくる。


「いつまでそこで遊んでんの?」

「あ、金童子さん」

「ぎゃあああああああ!?!?なんで此処に居るのぉ!?もっと奥にしか出現しないんじゃないのぉ!?」

「貴方が言ってた化け物って金童子さんの事?」

「そうですよ!!問答無用でプレイヤーを狩る化け物!!てかなんで親しいの!?このゲームに関係値とか無いのに!!」

「何ごちゃごちゃ言ってるし!!サッサっと次の試練に行くし!!」


2人は金童子に首根っこを掴まれそのまま次の試練場に放り投げられる。途中で少女は大暴れしていたが簡単に捩じ伏せられていた。

次の試練場はどうやらジャングルみたいな森のフィールドだ。草木が生い茂っており、これはサポーターにとって最適のフィールドである。

ここに来る途中に金童子から説明があった。どうやらここは罠や敵が沢山設置されているらしいがそんなに強くは無いらしい。


「なんでまた1から……」

「仕方ないよ。これも金童子さんの意向だから。自己紹介がまだだったね!!私は威久。貴方は?」

「私の名前はチリエッタ。こう見えても吸血鬼とエルフのハーフエルフですよ」

「吸血鬼と!?なんか不思議だね〜ハーフだとどんな事が起きるの?」

「普通のエルフは魔法特化の種族ですけどハーフになるとそれぞれの特徴が半分くらい受け継がれるんですよ」

「なるほど〜吸血鬼はどんな特徴なの?」

「暗い場所や狭い場所で音波を出してその場所の構造、生体などを把握する事が出来ます」


すっごい便利な能力。まあデメリットもあるんだろうけど。


「私の場合は普通の人間種よりも魔法が使える程度なんですよ。そして吸血鬼の能力は音波を使ってその建物の構造を把握できる程度です」

「使ったらどのぐらいのクールダウンがあるの?」

「無いですよ?それがハーフの強みなんですから!!」

「無いの!?あ、だから能力が少し弱いのか」

「そうなのです。能力が少し弱体化する代わりにデメリットが無いのがハーフになる強みです!!まあ能力は完全ランダムなんですけどね」

「じゃあチリエッタの場合は当たりの方なんだね」

「そゆことになりますね。威久さんは人間種ですか?」

「私?確か……何選択したっけ?なんか獣人ぽいやつを選んだ気がするけど……」


チュートリアルにいたあの女神がインパクトありすぎて自分がどの種族を選んだかも忘れてしまった。

そういえばふと思い出してしまった。あの女神は何者なんだろうかと。それも含めて聴いてみよう。


「幻獣種……だった気がする」

「あれ〜ま。なんでまたそんなギャンブルみたいな種族選んだんですか?もしかて結構なゲーマーとかですか?」

「え、こういうゲームは初めてだけど……そんなに難しいの?」

「まあ〜〜なんとも言いますか……能力値が極めて尖りまくってるんですよね幻獣種って基本」

「そんなに酷いの幻獣種って!?」

「例えば幻獣種の白龍ってやつが居るんですけど、竜って基本的には炎耐性が割と強いんですよね」


ドラゴンって火を使うイメージだからそれは割と納得出来るかも。


「でも、白龍の場合は火には弱いんですよ」

「竜なのに!?」

「その代わりに、光属性と闇属性の魔法は完全に無効化出来ます」

「2つの耐性がある代わりに1つの耐性は弱いんだ。確かに尖ってるね」

「まああくまで一例ですから。それにあれって結構当たり外れ結構酷いので私からしてみれば選ぶ人は結構なゲーマーぐらいですよほんと」


やはり事前知識は必須のゲームらしいです。そりゃあ数千あるスキルが搭載されているゲームだからそれぐらい必要ではあるけど種族選びから差が出るのは少しばかり酷い気がする。


「まじですか……確認したいけどどうやってするのかイマイチ分かんないんだよね」

「確認するも何も、普通に表示されてません?HPバーの近くに?」


チリエッタから何を当たり前の事をみたいなノリでそう発言される。それを聴いた瞬間、威久の頭の中に少しばかり変なノイズが走る。

そのノイズは次第に大きくなっていき、頭痛が重なる。

あ、頭が痛い……!?


『幻獣種の情報がインストールされます。システムの不備を確認しました。


 【妖狐九尾】に関しての情報をアップグレード。


アップグレードが完了しました。妖狐九尾に関してのスキルや特性をお使いいただけます』


そのアナウンスが終わった瞬間、頭痛から解放される。そして忘れていた事を思い出したかのように自身の種族について思い出す。


「……あの〜威久さん?急に黙られると怖いんですけど!!何か気に触る事言いました!?そしたら謝りますから!!お願いだから無言は辞めて!!なんか反応を……」

「ああ!!ごめんなさい!!一生懸命HPバーを探してて!!」

「そうだったんですか〜それにしても急に固まるからびっくりしましたよ〜」

「ごめんなさい。あ、見えましたよ!!私の種族は妖狐九尾ってやつです!!」

「え、何ですかその種族?攻略サイトには載っていない種族ですよ?」

「そうなの?でも私の種族名はそう書いてますけど」

「確認漏れかな?いやでもその種族選ぶ人少なすぎて情報が出回ってない可能性もあるから〜なんとも言えませんね!!」

「当たりかハズレかは不明……的な?」

「ですです。まあ、その内情報は出ますよ〜なんせ攻略サイト作る人は暇人の集まりですから」


酷い言い草。でも妖狐九尾に関してはまだ何も情報が無いらしいのね。てか私もさっきこの種族について知った所だし。

あの謎のアナウンスが流れた途端にそれまで知らなかったこの種族の情報が一気に頭の中に流れ込んで来た。

その情報曰く、妖狐九尾は魔法関連が得意とされている。特にその中でも幻影系の魔法を得意とし、魔法耐性が他の種族と比べて高い。

が、その反面的に物理耐性が普通の種族と比べて低いため人間種に弱い。

そして特性である変化。これは自身が知り得た情報を元に容姿や声などを真似する事が出来る。ただし、特性や戦闘スタイルは真似出来ない。

潜伏にはもってこいの特性だけど、それ以外はあまり使い道がない特性だ。けど魔法耐性があるのは驚きだ。けど物理耐性が無いのが少しだけねっくだが、仕方ない。

それとついでだけどあの女神についても聴いておこうかな。


「それと、チリエッタさんはアルノメトリアって女神を知ってる?」

「あ〜なんか帝国が信仰してる女神ですよそれ。この世界をいつでも見守ってる事を言ってましたね確か。まあゲームの中での唯一神なので形だけでも信仰してますよ」

「そうなんだ〜私もアバター制作の時に現れたからなんだろうって思って」

「うえ!?めっちゃラッキーですよそれ!!レアな特性かめっちゃ強い性能値が貰えるレアイベですよ!!あ、だから幻獣種にしたんですか?」

「え、そんなにレアなイベントなのあれ?」


チリエッタの話的には一種の演出の様だ。まあ、確かに女神が出てきたら何かしらのチート級の特性や性能を貰えるのはゲームやアニメでの定番ではある。

じゃあ何かしらの性能値や特性が手に入っているのだろう。ステータス確認できる場所にでも行ったら確認してみようかな。


「それじゃあ私がステータス確認しますよ。鑑定スキル持ってるので」

「そんなのもあるんだ」

「たまたまレアスキルが貰えるイベントが発生しててそれの当たりスキルです。この鑑定スキルは結構便利でモンスターの弱点とかも知れるんですよ」

「本当に!?序盤から終盤まで活躍するスキルじゃん!!」

「商人を助けるってイベントでほんとに稀にしか現れないらしいですよ?なんか出現率が0.4%ぐらいとか」


ひっく!?そんな広大なエリアで出現率が0.4%ぐらいしか無いのって本当に運が良いレベルでは無いと無理そうなんだけど。


「じゃあ鑑定しますよ〜まあ色んな人のステータスを見てきたんでそれなりに違いとか分かるので〜どれどれ〜」


そう言ってチリエッタが威久のステータスを確認しようとした瞬間、何か違和感を感じたのか何度も目を凝らしながら確認する。

途中から何も無い場所で何かを弄るような動作をしているが、何をしているか全くわからない。


「あれ〜?おかしいな?」

「どうしたの?」

「それが、何度やっても威久さんのステータス閲覧が出来ないんですよね〜」

「鑑定出来ない?誰にでも出来るんじゃ無いの?」

「基本はそうなんですよね。でも例外はありますよ」

「例外?モンスターは鑑定出来るのに?」

「まあそうなんですけど、BOSSモンスターや、NPCとかは鑑定出来ないんですよ。他にもプレイヤーの中にもレベルが一定以上離れ過ぎていると鑑定も弾かれます」

「なるほど。じゃあ私とチリエッタでレベルが離れ過ぎてるって事?」

「そんな筈はないですよ。だって始めた時期が私の方が速いので」


確かに。威久は今日始めたばかりの初心者。チリエッタは威久よりも早く始めている筈だ。情報にも精通している見たいだし、レベルが離れ過ぎているという事はない。だとしたら何が問題なんだろう?


「まあ〜強いて言うなら……」

「強いて言うなら?」

「威久さんがチュートリアルを終わってない可能性があります」

「そういえばそんな物もあった気がするなぁ〜」


まあ実際にはどんな事をしたとか全く分かんないけど。

よくよく思い返してみればチュートリアルらしいものを一切した記憶がない。普通なら街とかに行ったり、冒険の基礎とかを教わる筈。

やったことといえばガリアとか言う鬼に一方的にボコボコにされて、その門下生にスカウトされたぐらいだ。果たしてチュートリアルと言えるのだろうか?


「帝国で冒険者登録や商人登録はしましたか?」

「まず帝国に行った事ないからしてないね」

「はい?ゲーム序盤は帝国スタートですけど?」

「なんか広い草原からスタートしたけど……スタートって帝国なの?」

「まあランダムスタートもちょくちょく聴きますけどここからスタートってまあまあなバグだと思いますけどそれは良いです。じゃあこの帝国入国証は?」


そう言ってチリエッタは懐から古臭い紙を取り出す。そこには帝国の入国を許可するなとど書かれており、名前の欄にもチリエッタと表記されている。

最初のアイテム欄にはそれがあらかじめ用意されてあるんだ〜まあ、どうやって見るか分かんないけど。




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