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リアルゲーム・オンライン  作者: 百ノ条アヤメ


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4/10

第4話 試練の間


「わかった。ガリアの城に行くよ。その代わり、帝国について教えてよね?それと戦闘関連も」

「決まりだね!!じゃあ案内するよ〜あ、白ドラ様、いぐに渡した刀も回収しといて〜」

「むきゅ〜」

「ありがとう。てかあの刀って結構良いやつだよね?装備効果分かんなかったけど」 


そう言うとガリアは笑いながら大業物、天羽々斬について語り出す。


「歩きながら話すよ。あの刀は使い手をすっごく選ぶ我儘な刀だよ〜」

「我儘な刀?武器ってどれも一緒じゃないの?」

「まあ外からの人達の認識はそうだろうね。でも帝国の鍛治士は一味違うよ。命を吹き込める」

「命を……吹き込む?」


急にファンタジーな事を言い出したな。まあゲームの世界だしこういう表現なのかな?もしかしてユニーク武器とかそんな感じ?


「そうそう。まあ市販の武器とかは全然だよ。でも帝国の極一部の鍛治士のみが作る大業物には命が吹き込まれる。天羽々斬もあの超有名の鍛治士、アルル・ノマサガが作った大業物だよ」

「なるほどね。で、具体的にはどんな感じになるの?気に入られなかった場合」

「その刀はナマクラ以下になるよ。木の枝すら切らないポンコツ。逆に気に入られれば一振りで山すら斬れる」

「そこまで変わるの!?じゃあもしかしてそれが分かってて私にあの刀を?」

「正解〜流石の私も考えなしに武器を人に渡さないよ〜まあ、天羽々斬(あの子)は強い人が好きだからいぐが私に勝てばワンチャン使えるかも知らないよ〜」

「はは〜いつになる事やら〜」


威久は苦笑いをする。冗談抜きでガリアに勝つ事が条件なら潔く諦める。だってあんなチート級のNPCに勝てるわけが無い。

素手で化け猫を殺す事が出来る相手にナマクラ以下とはいえ、武器を持っているのに手も足も出せなかったんだ。勝つなど到底不可能だ。多分勝つ頃にはサービスが終わってそう。

2人はしばらく歩き続け、さっきの廃寺に戻って来る。ここ、シドが最初に連れてきた場所だよね?


「着いたよ〜」

「さっきのお寺……え、ここに住んでるの?」

「そんなわけないよ〜ここは入口だよ」


ガリアはそっと石に手を当てる。すると、近くで襖が現れ威久は動揺する。

もしかして、条件を満たさないと出てこないゲーム特有の扉?しかもその条件はガリアって……大分難易度が鬼高い。


「あの襖の先がガリアの家?」

「そうだよ〜多分威久も気にいると思うよ〜」

「だと良いけど……とりあえず、お邪魔します」


中に入るとそこには大量の骸骨と甲冑が転がっていた。地面には錆びた刀が刺さっており、謎の旗も地面に落ちていた。ここは戦国時代か?


「何これ?」

「大昔に私と遊んだ人達。でも人間って脆いよねちょっと小突いただけで死んじゃうんだもん」

「それ本当に小突いただけ?」


そう簡単に人は死なないが、ガリアのあの力で殴られたり斬られたりしたら流石に死ぬか。

にしてもこの数は尋常じゃない程あるぞ。数万、いや下手したら数十万もあるぞ。それをガリア1人で殲滅したのなら、もうこいつはゲームのラスボスだよ。

というか、殴りかかられた時点で友好NPCかも怪しいけど。こっち攻撃してないのに。


「あの奥の城が余の家だデカいだろ!?」

「確かにデカいね……!!自分で作ったの?」

「いや奪った」

「おい」


じゃあこの人達は自分達の城を取り返そうとガリアに挑んだ者達か。流石鬼だ。気に入った物を問答無用で奪って行く。これは昔からの言い伝えを元に作られた感じかな。

いくら作り物とはいえこの数は酷いな……

ガリアはスキップしながら自身の家(奪い物)に帰る。その後ろをただ着いて行く。すると急にガリアは足を止める。目の前には大きな門が聳え立っており、その門に堂々と『余の家』と書かれていた。


「なんとも豪快な……表札とかなかったの?」

「ひょう……なんだそれは?」


こっちの世界にはそういう文化はないのか。


「え〜っと、簡単に言うとここは私の家だよっていう証明的な?」

「そうか!!ならこの門が余の家のひょうさつだな!!」

「まあガリアがそれで良いなら。で、これどうやって開けるの?中から開ける人がいるの?」

「ん?いや殴って開けるが?」

「なぐ……」

「おりゃあ!!」


そう言ってガリアは腕を大きく振り、思い切り門を殴り飛ばす。門は勢いよく開きすぎて片方の扉は吹き飛んでしまう。


「あ〜余のひょうさつが!!」

「でしょうね!?これ直す人いるの?」

「沢山いるぞ!!お〜いお前ら!!これ今すぐ直せ〜」


その掛け声と同時に城の中から鬼の形相をした人たちが木材やら釘やらを抱えながら走ってくる。

その集団をよく見ると、そこには人間や鬼、それに獣人やらエルフまで様々な種族がいた。


「なんか色んな種族がいるね」

「コイツらは余の門下生だ。余が直々に鍛えてる」

「そうなんだ〜ん?門下生?」

「言い忘れてたな。余は帝国の指南役兼18代目酒呑童子 ガリア=童子。よろしく頼むぞ」

「酒呑……童子!?」


平安時代に大暴れしていた伝説の鬼である酒呑童子の18代目!?ガリアのモデルは日本に伝わる普通の鬼かと思っていたけど……じゃあめっちゃ強いじゃないかコイツ!!

そもそも酒呑童子って継承すんの?どうやって?しかも帝国の指南役とも言ってなかった?

設定盛りすぎでしょ!!


「ガリアってめっちゃ凄い人なの?」

「ん?そんな事ないぞ指南役って言っても余は何も教えんぞ」

「はえ?でも指南役って……」

「余が出すのは最終的な卒業だけだ。その他は別の部下に任せておる。まあいぐも見ていけ」

「わかったけど、どんなのがあるの?」

「4箇所あるがどれも専門的なものが学べるぞ」

「へぇ〜そのうちの1箇所をクリアすれば卒業?」

「それでも良いし、4箇所全部制覇しても良いぞ。まあ基本は1箇所終わったらほとんどは出て行くな」


なるほど、自分に合った場所をクリアすればその場で終わり。残りをクリアしたい人は残って全部制覇してもよし。なんか全部制覇したらご褒美で何か貰えそうだし。一旦全部見てから決めてみようかな。


「じゃあ1箇所目は剛の試練」


扉を開けた瞬間、何故か全員が謎の拘束具を付けながら筋トレをしていた。いかにも熱苦しい場所だ。熱気がすごい。


「ここでは主に力を身につける。重い装備や武器を持つものはここで試練を受けるぞ」

「でしょうね……で、あの拘束具は何?重りとか?」

「正解。あれは片方20キロの重りだ。それを両手足に付けて過ごす。そしてノルマを達成したらあれが外れる」


ノルマ達成するまであれが付いたまま生活するのか。やる事が鬼だ。まあ鬼なんだけど。

するとガリアに気が付いたのか奥に座っていた鬼が咆哮を上げながらガリアの元まで歩いてくる。歩くたびに地響きが鳴り、周りの門下生達も怯える。

その鬼は体長が3メートルは超えている巨体な鬼だ。


「うむ、試練に励んでいるか熊童子」

「はい、親分!!門下生達も充分励んでおります!!」


見た目からは想像も付かない程の優しい声をしており、なんだか拍子抜けしてしまう。

さっきまで怖そうな顔をしていた筈なのにガリアの前に立っただけであんな優しそうな顔をする。これが素の状態なのかもしれない。


「それは何より!!早く卒業生が出ると良いな!!」

「おっしゃる通りです。それで、そちらにいる方は?新しい門下生ですか?」

「あ、どうも」

「そうだいぐは私が直々に見つけた門下生で、今日は見学だ」

「そうなんですね。これはどうもあっしは熊童子。これでも四天王をやらせて貰ってます。以後お見知り置きを」

「さて、ここは簡単に見たし次に行くぞ〜」

「早くない!?まだもう少し見学を……」

「ここは筋トレばっかでつまらん!!」


ハッキリ言いやがったぞコイツ!?


「まあその通りなんでいぐさん、次の場所は少しは面白いと思うので」

「その通りだ!!次の場所は面白いぞ!!余が保証するぞ!!」

「うわ〜なんか信用できね〜」


まあ文句を言っても仕方ないのでしゃーなし着いて行く。剛の試練と違い、全体的に湿気がすごい。まあ周りに滝があるし精神統一とか根性論的な試練か?


「ここは柔の試練。剛とは違い、剣士や槍使いなど体術を主にする奴らの訓練所だ」

「体術とこの滝はなんの関係が?」

「この滝は簡単にいえば姿勢とかを良くするだけのやつだ」

「姿勢?滝行って精神統一とかじゃないの?」

「一般的にはそうだが、この滝行は姿勢良くないと長時間耐えれない作りになってる試しにやってみるか?」


二つ返事をする前に滝行に放り込まれる。ほぼYESしか受け付けてないのかよこの鬼は。

まあものは試しだし受けて見ますか。立ち上がり滝に打たれた瞬間、滝の重さに耐えきれずにそのまま倒れてしまう。重すぎ?!なにこれ!?


「あっはっはっはっ!!!!やはり最初はそうなるよな〜」


水の中で倒れ込む威久を見ながら大笑いするガリア。ほんとにいい性格をしている。


「まあいぐは少し猫背だしそうなるよ。姿勢が悪いと水の当たる面積が多くなって負荷が掛かりやすい。だからここで姿勢をよくするんだよ。じゃないと次の試練に行けないからね」

「これは準備運動的な感じなのね。でも確かにこれは中々良い準備運動かも」

「次はこの試練の長に挨拶を……今は寝てるかな?まあ次行こう」

「見学のペースが早いことで……」


次の試練に着くとそこには沢山の的が至る場所に埋め尽くされており、目を離すと的はすぐに位置を変える。時間的には5秒間隔で移動している。ここは弓使いの為の試練かな?


「ここは遠の試練。遠くにある的や反射神経を鍛える訓練所だよ」

「じゃあ弓とか銃を使う人には持ってこいの訓練所ね。遠距離だからサポーターって言うのかな?」

「まあそうとも言うね。前衛で闘う弓使いも中にはいるけど基本的にはサポートがメインかな」

「へぇ〜でも私は弓とか銃はよく分かんないからこの訓練所は向いてないかも」

「そんな事ないよ?反射神経はどの場面に置いても役に立つからね。いぐは目が良いからこことは相性が良いかもよ?」


目が良いなんて初めて言われた。でもガリアの前で目が良いような事したかな?あの戦いもそこまでパッとしなかったしどの辺が良かったのかな?

少しだけ考え事をしていると目の前にガリアの姿は無く、次の訓練所に移動をしていた。相変わらずせっかちな鬼だ。

次の訓練所は大きな壺や魔法陣などが壁にずらりと描かれており、いかにも魔法使い専門の訓練所って感じがする。


「ここが最後、魔の試練。主に魔法使いとか魔法剣士とかがここに来るよ」

「魔法かあ〜そういうの憧れるしここ良いかも!!」

「でもいぐは魔力的には少ない方だからここは向いてないかもね」

「え、そうなの!?」

「ここは魔力を増やす場所じゃないんだ。今ある魔力でどれだけ効率よく発動するとかだから元が低い人にはあまりオススメしないんだ」

「なるほどね。でもここに来た理由は?向いてないならさっきの遠の試練だけでも……」

「それもそうなんだけど、魔法剣士なら意外といけるんだよこれが!!」


魔法使いは無理でも魔法剣士はいける?どっちも魔力を沢山使うイメージがあるけど……何が違うんだろう?


「魔法剣士は武器に魔力を込めて使うんだけど、その魔力は備蓄する事も可能だから魔力少ない人でも毎日備蓄していけば普通の魔法使いにも劣らない威力を出す事が出来る!!」

「それは面白いね!!で、欠点は?」

「すぐガス欠するね」

「じゃあ結局ダメじゃん!!」

「まあまあ。現段階では魔力が少なくても魔力は自分が成長する度に上がって行くからそんなに気にしなくても良いよ〜」


まあRPGにレベルアップは付きものだし、レベルが上がればステータスも自動的に上がるから魔法使い関連はレベルが上がるまでお預けかな。

それにしても4つの試練全部見たが、どれも面白そうな所ばっかりだったな。

剛は力。柔は体術。遠は反射神経。魔は魔法。どの路線も面白そうではあるけど……弓とか鏡花のサポートもありだと思うし。最初は遠の試練でも受けようかな。


「じゃあ、私は遠の試練を最初に受けようかな!!」

「ほいきた。最初に決めたら変えられないけど本当に良い?」

「ゲームっぽい返し方ね。うん、それでおっけーだよ!!」

「りょ〜か〜い。それじゃあ遠の試練に行ってらっしゃい〜」


ガリアは手を大きく叩く。すると目の前からガリアは居なくなり、先ほど来た遠の訓練所に立っていた。もしかして簡単にワープ出来る魔法?すごく便利だな〜


「さてさて、どんな試練が来るのかな?」

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