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リアルゲーム・オンライン  作者: 百ノ条アヤメ


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10/10

第10話 反則じゃない?

お互いに武器を構えてそのまま間合いを取る。その異様なまでの光景にチリエッタ含む観客は動揺していた。


『親分マジ!?久々に暴れんの!?ちょーラッキーなんだけど!!』


「あんなのと戦った後なのによく戦えますよねしかもガリア=童子と」


(まあ、戦闘のサンプルは欲しかったし。これはこれでありか)


「いつでも来てよいぞ」

「ならお言葉に甘えて!!独我一刀流弍ノ型『昇』」

「速いな……だが余にしてみればまだ遅いぞ!!」


威久の放った斬撃を意図も簡単に避ける。むしろそれどころか避けた後に欠伸までしていた。

割と本気で斬るつもりで放ったんだけど……そう簡単には当たってくれないよね!!


「まだまだ!!独我一刀流壱ノ型『時雨・乱』」

「なかなか筋は良いな!!」

「嘘でしょ!?」


渾身の乱撃もガリアは笑いながら全て薙ぎ払う。あくまでも技を全て見てからその上で捌いている。これじゃあ赤子を相手にしているみたいな感じだ。

強くなったと感じたがそれを打ち砕くような圧倒的な暴力。薄々思っていたけど次元が違い過ぎる!!1つ2つじゃない!!全くもって埋まらない差。


「もう終わりか?ハンデだから技は使わないからちゃんと捌くんだぞ?」


そう言って無数の斬撃を威久に向かって放つ。その数は威久の放った斬撃の倍近くあった。急いで刀を構え、防御をする。


「独我一刀流壱ノ型『時雨・乱』!!」

「相殺を狙ったか。じゃが、受け切れるか?」

「ぐっ!!」


致命傷になる箇所以外は全て斬撃を当てて相殺したが、それ以外は全く相殺が出来ない。1度に放つ斬撃もガリアの方が圧倒的に上だ。

体力やスタミナもキングゴーレムの戦闘の後だから全く残っていない。満身創痍の威久と全く底が知れないガリア。経験の差もあるだろうが、普通に戦うだけでは絶対に勝てない事を嫌でも悟ってしまう。


「ボロボロじゃな〜まだ2割も出しておらんぞ〜」

「せめて明日とかにしてくれたらもうちょい良い勝負出来たけどね!!」

「それを言われるとそうなんじゃがぁ……戦いたくなってしまったんだ!!しょうがないじゃろ!!」


戦闘狂の考え方じゃんか。まあ鬼って元々戦う事が好きらしいから合ってはいるのか。


「まあだからハンデとして型や技を使わないと言ったのだからな!!」

「嬉しくないよ!!そもそも私は結構疲れてるの!!」

『ちょっとあんた!!私に身体貸しなさいよ!!』

「え!?急に何!?」

『ガリアが目の前にいるんでしょ!!アイツを一発でも斬らないと気が済まないのよ!!』

「だからって……うわぁ!?」

「1人で何ボソボソ喋ってるのだ?私も混ぜろ!!」


一気に間合いを詰めて斬りかかって来たガリアを間一髪で受け止める。反応が遅れてたら完全に斬られる所だった。押し返そうとするが全く動かない。むしろこっちが押されている。

力では勝てないと悟るとすぐに右に力を流し、ガリアの体勢を崩させる。


「む!!」

「良し!!」

「甘いないぐ!!」


倒れ掛かった体勢から地面を蹴ってジャンプし、身体を無理矢理捻ってそのまま威久を斬る。そんな体勢から攻撃出来るの!?

急いで威久は避ける体勢に入るが、反応が遅れてしまい刀の先ではあるが横腹を掠る。


「いっ!!」


何でもあり過ぎるでしょこの化け物!!

急いで距離を取り、呼吸を整える。大丈夫、これはゲームだから実際に痛みはない。


「ふぅ……隙が全くないし、意味わかんない体勢からでも攻撃出来るってそんなのアリ?」

「今のは中々良かったぞ。反応が少し遅かったら斬られていたな!!ガッハッハっ!!」

「まだ余裕って感じがするよ?それに私も疲れたしこれで終わりにしたいかも」

「そうか?なら特大の一撃を打って来い!!それで今日の所は勘弁していてやるぞ!!」

「じゃあお言葉に甘えて……」


虎徹を鞘にしまい、大きく息を吸い居合の構えを取る。威久が虎徹から授かった独我一刀流の技は主に3つしかない。

1つ目が時雨、2つ目が昇、そして最後が一撃で勝負を付ける大技だ。しかしこれは技を出した後の隙が多い。倒しきれなかったら完全に詰む。だが流石にガリアも命までは取らないだろうから安心してこれを打つ事が出来る。

足腰に力を入れ、思いっきり地面を蹴り上げ限界まで加速する。


「む、思っていたより速いな」

「独我一刀流参ノ型『黒縄』!!」


スピードに任せて虎徹を最速で抜き、ガリアの顔に目掛けて斬り掛かる。それを予想していたのかすでに顔に近くに刀を置かれ防御の構えを取られていた。

が、次の瞬間には顔に向かって飛んでいた刀は一瞬にして消える。刀の位置はガリアのお腹に向かって放たれていた。完全に死角を捉えた。これは確実に決まる!!


「貰った!!」

「油断したな?」

「え?」


完全に死角を突いたはずの威久の攻撃はガリアは腰に据えていた鞘で見事に防御をしていた。

これすらもあっさりと防御されるの?


「黒縄……鞭の様にしならせて一撃目で相手の目を騙させる技。初見だと完全に斬られていたな!!まさかこれを使えるとは天晴れだないぐよ!!」

「それはどうも!!てか初見じゃないのね!!」

「まあ過去に戦った事があってな。さて、見たいものも見れたし、ここら辺で終わりにするか!!腹に力を入れるんだぞいぐ」

「は?お腹?なん……」


聞き返そうとした次の瞬間にはガリアの拳は何故か威久のお腹の付近まで接近しており、急いでお腹に力を入れる。


「そりゃあ、殴り飛ばすからじゃ!!!!!」


そのまま思い切り殴り飛ばされ、威久は観客席までぶっ飛ぶ。最後は技も関係ないただの暴力で終わらされた。

余りの威力に食らった威久本人は気絶スタンしてしまう。物理耐性が弱い威久には少しばかりキツイ攻撃だ。


『うわぁぁぁ!?!?いぐ〜〜!!!!親分やり過ぎっしょ!!!!早く手当てしてあげるし!!』


近くにいた救護隊が駆けつけて急いで威久に回復魔法などを掛けて治療する。ガリアはその後に金童子やらにこっぴどく叱られていた。あれが親分の姿なのか。

数時間が経った頃に威久は医務室で目が覚める。あれ?何で気絶してんの?

ゲームの世界のはずが現実世界と同じ感じで気絶をしていた。仮想世界とはいえこんなことはあり得るのかな?後、やけに重い気がする……

重い理由はすぐにわかった。布団の上でシドが寝ていたのだ。ドラゴンとはいえ子供だし寝ている姿は可愛いな。

起き上がるとそれに気が付いたのかシドも目が覚める。


「ありゃ起こしちゃったか」

「むきゅむきゅ!!」

「ようやくお目覚めですか?」

「あ、チリエッタ!!」

「おはようございます。よくデスペナ喰らわずに生きてましたね」

「死んだと思ったけどなんか生き残った見たい」

「多分ギリギリで耐えたんでしょうね。それにしてもやはりガリア=童子は別格でしたね。あれでまだ実力のほんの僅か……多分上位プレイヤーが束になっても勝てる未来が見えませんね」

「やっぱりチリエッタから見ても相当ヤバかったんだ」

「当たり前ですよ!!私なら目の前に立っただけで即首を斬られておしまいですよ。だから生き残った威久さんは凄いですよ」


面と向かって褒められるとなんか照れるな。まあそれもそうか。まだ技やスキルを使っていなかったもんね。それに感だけど刀の力も使っていなかった気がする。

ガリアの手に持っていたのは浄几ではなく、天羽々斬だった。あの武器は何物をも切り裂く無双の一振りと書いてあった。

それが本当なら一振りで威久が斬り殺されていた。それをしなかったという事はガリアは自身の実力の本当の一部も見せていないはずだ。普通の人間なら勝てる相手ではない。

が、それは現実世界ならの話だ。ここはゲームの世界だ。レベル上げやスキルを取得すれば勝てなくはない。それにレイド戦も行けると言っていたし、俄然やる気が出てきた!!


「もっと強くならないとね!!」

「再戦する気ですか?今度は瞬殺されるので辞めといた方がいいですよ」

「ですよね〜」

「それに、強くなるって言っても現象、ここで鍛えるのはオススメしないんですよ」

「何で?試練って言ってるから強くなるんじゃないの?」

「ここダンジョンですよ?そんな訳ないじゃないですか。デスペナ食らって終わりですよ」


あ、そういえばチュートリアルは別にあるとか言ってたっけ?それにここってダンジョンの扱いなんだ……


「ここにいるプレイヤーは全員ガリア=童子の持つ剣術の秘伝書を欲しがってるんですよ」

「秘伝書?ワ⚪︎マシンとかそんな感じの?」

「まあそんなもんですけど……見たらガリア=童子の扱う流派の技が使えるらしいです。それがめっちゃチート級に強いとかなんとか」

「でもあるか分かんないんでしょ?」

「まあ攻略自体不可能に近いのでね。分かる人なんて居ないですよ」


他愛無い会話をしていると急に医務室のドアが開く。入って来たのはなんと金童子だった。

手には水や果物などを持っており、お見舞いに来たのだろう。


「あ、いぐっぴ起きてるね!!これ差し入れだよ〜」

「ありがとうございます!!それにしても何で金童子さんがここに?」

「ん?あ、そうだったわ!!とりあえず、2人とも遠の試練合格おめでとう〜!!」

「ご、合格!?」

「合格ってまだ半分もクリアしてませんが!?!?むしろここからが本番だと聴いておりますが!?」

「これは親分の判断だよ。2人は遠の試練の合格するに値するってね!!あーしは元々いぐは合格でも良かったけど〜まあ、そこのハーフエルフはおまけ」


おまけと言われ、チリエッタは凄くショックを受けてその場に倒れ込む。まあチリエッタは割とゲーマーだし、そう言われると傷付くよね。


「じゃあ一旦ここから出れるの?それとも次の試練に行った方が良い?」

「んーや、そんな事はしなくても良いよ〜まあ強いて言うなら帝国に行けてきな?」

「帝国に?言い方的には結構急ぎ目みたいな感じだけど」

「あ、そういえば近々格闘大会が行われるらしいですよ。多分ガリア=童子はそれに出ろ的な事を言ってるのかも知れませんね」

「ピンポーン!!いぐの良い刺激になるだろうって事で早く帝国に行くし!!あ、ついでにこれもあげるね〜」


どっから出したか謎の大きな箱を目の前に置かれる。音的に割と重量があるのか、中に沢山何かが入っているかのどっちかだとは思うけど。


「じゃ、準備が出来たら教えてちょ〜いつでも帝国に送ってあげるし」


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