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9  腕

帝国の城が粉々に吹き飛び、人的被害もかなり出たらしい。

これでこちらからも宣戦布告が出来た。


一方的に侵略して連戦連勝で来た帝国は、自分達もやられると思ってもみなかったであろう。

ここから戦争という殺し合いの恐怖を、帝国人にたっぷり味わってもらう事にする。


まず帝国の首都壁の周りに串刺しの帝国軍人の死体を並べ恐怖を煽った。

向こうの世界のワラキア公国ヴラド3世の手口を使った。


風が城内に向けて吹いた時には痒くなる薬も空に撒いた。

この空から散布する魔道具は藤江考案だ。

ドローンの農薬散布をイメージした。


あと帝国の井戸には全て下剤を投げ込んでいる。

卑怯者と言われようが決定的に兵力が違うので、粘着質なねちっこい戦いをしつこく仕掛けていく。


50名ほどの皇帝軍が城壁を出る。

出た途端に襲撃し10名ほど倒し逃げる。

追いかけてくる奴らに隠れていたディフェンダーが槍で突く。

急いで城内に戻り助けを呼んだ。

城壁を出る時にまた襲撃し怯んだすきに痒み薬を投げた。城内に戻り城壁を閉める。

その入り口にさっきの戦闘で倒した兵士の遺体を串刺しにして死体のトンネルを作る。


こう言った嫌がらせを帝国が占領した村や町で行うと、帝国軍の士気は下がりだし、じわじわ前線も後退し始めた。

誰の為の戦争か分かったらしい。

皇帝のわがままがこうなっている事に気がつく。


気が狂った皇帝様の戦争だ。

王国側は誰も戦争はしたく無い。

全員の本当の敵は皇帝である!

このプロパガンダをじわじわ流す。


◾️◾️◾️


足が痛い、全くイライラする。城内の謎の爆破で左の足首を持っていかれた、右足は膝から無くなった。

今は魔道具で歩行を補助している。

(スカッとしたいわね)


お抱えの若い騎士を呼ぶ。

「シャルル様ご用意でしょうか?」

「庭に捕虜縛って並べといてくれる?平民は嫌よ、貴族がいいわね」

「しかし貴族を処刑すると戦後の統治に問題がありますが?」


若い騎士の腹にナイフを突き立て横に引く。

「あんた私の言う事聞いてる?聞く気ある?」


騎士が虚な目をし床に膝を突く。

「10分で用意しなさい」

後ろの年配の騎士に命令した。


若い騎士の腹から腸を引っ張り出し切る。

「あとこれでソーセージ作って、ハーブも少し入れてね」

剣を振りかぶり若い騎士の首を落とすと、身体は床に倒れた。

「お肉はこれ使ってちょうだい」


◾️◾️◾️


クラウドシーカーで一連の様子を見ていた俺達はげんなりした。


「むちゃくちゃだな」

「キチガイ」

シャルル様と呼ばれたヨーロッパ人の女がいた。

(パリの処刑人シャルル・サンソンか?)


アマ王国となりの小国、モナ公国を奪い返す計画だ。

捕らえられた国王や貴族達を助け出す予定だ。

と言うか助け出さないと、奪い返した後上手く統治しないと荒れてしまう。

そもそもこのモナ公国の貴族は平民に評判が良いのだ。

非常に上手く統治されている国だ。


庭に紐で繋がれた貴族が引き摺られて出てくる。

女子供達だ。

「最悪だな、コイツ」

サザンカは相変わらず無視表だが、何となく怒っている気がする?


「行くぞ!」

「はい」


俺は縄を持っている騎士に切りかかる。

サザンカはシャルル様とか言う奴にいきなり切りかかる。


縄ごと下から首筋にかけて切り上げると、ヒューっと虎落笛が鳴った。切り返した剣で太ももを切る。


奥から騎士が出て来たが、その後ろからアタッカーが襲う。

俺の後ろからディフェンダーが来て挟む。


サザンカを見る。

足は攻撃を受けたがステライト6Kは大丈夫なようだ。


サザンカは足首のナイフでシャルルを蹴り上げたが、相手の義足に当たったようでダメージは無い。

剣を義手で掴み、シャルルを引き寄せ足先のナイフで腹を抉る。

血を見たシャルルは目を血走らせ、物凄い勢いで刀を振って来た。


俺はそれをかわしシャルルの右手を取り、腰からピューマホワイトハンターを抜き樹木に手のひらごと縫い付けた。

が気狂いには効かなかったようだ、そのまま右手を引き抜いた。

木には血のベットリ付着したナイフが残った。


シャルルが木から右手を引き抜いた一瞬で、サザンカはシャルルの右手を切り飛ばした。


左手の剣でサザンカの頭に振り下ろそうとしたシャルルの剣を、仕込み杖で絡めて巻き上げた。


剣を跳ね上げられ両手を上げ無防備になったシャルルの額を、サザンカのパイルバンカーが打ち抜いた。


痙攣しながらシャルルの身体が薄くなり消えていく。


ガシャ!


サザンカから音がした。

地面には銀の腕が2本転がっていた。













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